tenso(テンソー)やデファクトスタンダードなどを傘下に抱えるBEENOSは11月9日、越境ECの消費動向をランキング化した「越境EC ヒットランキング 2022」を発表した。
円安が追い風に、1位「ブランド腕時計」の購入金額は75%増
商品ジャンル別の購入金額ランキングでは、ブランド腕時計が1位、トレーディングカードが2位、アニメのフィギュアが3位。購入金額の伸長ランキングでは、カメラのレンズが1位、オートバイのセキュリティグッズが2位、ブランド腕時計が3位。
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「商品ジャンル別ランキング」と「商品ジャンル別伸長ランキング」
円安の影響で高額商品の売れ行きが追い風になったという。1ドル115円台だった1月1日から7日と比べると、1ドル145円台に円が下落した9月22日から28日を比べると、購入金額は50.9%伸長。購入UU、顧客単価も伸びた。
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円安急進前と後の購入金額などの変化
売れ行きが好調だった高額商品は、ブランド腕時計、フィルムカメラ、ゴルフグッズなど。2022年1~9月のブランド腕時計の購入金額は前年同時期比74.5%増。
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高額商品の売れ行きについて
エリア別では、クウェート、アラブ首長国連邦、メキシコの順番で越境ECの購入金額が伸長した。いずれも円安の影響が大きいエリアがランクインした。
発表会には、BEENOSグループ代表の直井聖太氏などが登壇した。
海外カート開設の「Buyee Connect」受注件数は円安前の8倍に
2022年は円安によって越境EC業界に良い循環が生まれ、流通も一段階伸長した。円安に加え、コロナ禍でDX、デジタル環境のサービス普及が進んだことによる消費のデジタルシフトも影響したと見ている。
BEENOSグループのBeeCruiseが提供する「Buyee Connect(バイイー コネクト)」(日本語の自社ECサイトにタグを設置するだけで海外専用のカートを開設できるサービス)の2022年7~9月の受注件数は、本格的な円安に突入する前の同年1~3月と比べて約8倍に拡大した。
また、tensoが運営する海外向け購入サポートサービス「Buyee(バイイー)」の、2022年第3四半期(2022年4月1日~6月30日)における流通総額は、前年同期比22.6%増になったという。
デファクトスタンダード、タビオは好調
円安は中古ブランド品市場へも影響を及ぼしている。中古品の買い取り事業「ブランディア」を手がけるデファクトスタンダードによると、円安前と比べて主要4エリアの購入金額が4倍超になったという。
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デファクトスタンダードが取り合う中古品ブランドの一例
デファクトスタンダードではバッグ類の購入が伸長しており、高価格帯商品への消費意欲の高まりが見えつつあるという。
金やプラチナの価格高騰は、貴金属類の需要にも影響。投機の対象としても腕時計の需要が伸びている。
デファクトスタンダード取締役の植松勇人氏は、2022年以降のリユースマーケットの展望として、マーケットの拡大とさらなる透明化を指摘している。
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デファクトスタンダード 取締役 植松勇人氏
発表会に登壇したタビオの武田知定氏(靴下屋事業部)は、海外展開にも注力していることを説明。台湾向けSNS公式アカウントのフォロワー数は約955%増、台湾からの売り上げは約150%増になったと話した。
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タビオが展開する靴下の一例
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タビオ 靴下屋事業部の武田知定氏
ブランドの再販プログラムは3倍に拡大
フランス発の中古ブランド専門マーケットプレイス「Vestiaire Collective」を運営するVestiaire Collective(ヴェスティエール・コレクティブ)の日本カントリー・マネージャーの佐藤丈彦氏によると、「中古品購入者のクローゼットの25%を再販品が占めている」と説明した。
Vestiaire Collectiveとは
ヨーロッパ最大級の中古ブランド品ECモール「Vestiaire Collective」を運営し、世界80か国に2300万人以上の会員を抱える。デファクトスタンダードは、2020年7月からヴェスティエール・コレクティブと業務提携している。
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「Vestiaire Collective」で取り扱う商品の一例
佐藤氏によると、ブランドの再販プログラムは2022年に3倍に拡大したという。
さらに、中古市場は顧客のLTVに好影響を与えることから、新品市場への関心を生み出していると解説した。中古市場に参入することで、ブランドは新規顧客へのリーチ拡大につなげられるという。
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Vestiaire Collective 日本カントリー・マネージャー 佐藤丈彦氏
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オリジナル記事:円安が急伸した2022年は越境ECで何が売れた? BEENOSの「越境EC ヒットランキング2022」に学ぶ最新トレンドと消費動向
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