越境ECで注目を集める東南アジア。人気の商品・カテゴリや市場概況を解説 | 越境EC 3.0 | ネットショップ担当者フォーラム

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越境ECサービス「Buyee(バイイー)」ユーザーのデータなどを踏まえて、人気のカテゴリや商品の購入傾向などをお話しします

インドネシア、タイ、シンガポール、フィリピン、ベトナムなどを含み、6億人以上の人口を有する経済圏の東南アジア。経済成長率の高さ、スマートフォン普及率の上昇、キャッシュレス化の進展、物流インフラの整備、政府による支援などを背景に、日本企業による注目度が高まっています。今回は、越境ECにおける東南アジアの概況、人気商品などを解説します。

東南アジアの越境ECは伸長。低単価商品を購入するユーザーが増加傾向に

ASEANの電子商取引は2025年の1336.2億米ドルから、2029年までに1871.6億米ドルまで拡大すると予測されています(参考:statista「eCommerce - Southeast Asia」)。

国別に見ると、2022年の1人あたりのGDP(国内総生産)が最も高いのはシンガポール(8万2808米ドル)で、次いでブルネイ(3万7152米ドル)、マレーシア(1万1972米ドル)、タイ(6909米ドル)、最も低いのはミャンマー(1096米ドル)となっています。

シンガポールやブルネイは日本の3万3815米ドルより高い一方、それ以外の国は大きな差がある状況で、国ごとの差が大きいエリアと言えます(参考:外務省 アジア大洋州局「目で見るASEAN-ASEAN経済統計基礎資料」)。

BEENOS 越境EC 東南アジア ASEAN各国の1人当たりのGDPの比較ASEAN各国の1人あたりのGDPの比較(画像は外務省 アジア大洋州局「目で見るASEAN-ASEAN経済統計基礎資料」から編集部がキャプチャし追加)

東南アジアからの2024年の越境EC年間購入金額は、2023年比で120.9%と急成長しています。海外向け購入サポートサービス「Buyee(バイイー)」全体の流通総額は前年比112.5%だったため、約8ポイント上回っています。

また、購入件数は2023年比で139.9%です。購入金額よりも購入件数の伸び率が高いことから、比較的低単価の商品を購入するユーザーが流入し、利用が拡大していると言えるでしょう。

東南アジアの経済成長を牽引するインドネシア、フィリピン、ベトナムといった国々では所得の増えた中間層が拡大し、国内や現地における必要消費だけではなく、越境ECの特長でもある趣味的な消費が拡大していると考えられます。

東南アジアで人気のカテゴリは「トレーディングカード」「自動車・オートバイ」「スポーツ・レジャー」

「Buyee」の購買データから、東南アジアで購入されている人気商品を見ていきましょう。

2024年に最も購入された商品ジャンルは「トレーディングカード」でした。近年、トレーディングカードは海外需要が拡大してきており、2024年は越境EC全体や北米エリア、ヨーロッパエリアでも購入件数1位でした。

海外市場の拡大傾向に加えて、海外展開を行う事業者が増加したことで海外の消費者も購入しやすい環境が進んだことが理由です。

BEENOS 越境EC 東南アジア Buyeeにおけるエリア別ランキング 東南アジアのトップはトレーディングカード「Buyee」におけるエリア別ランキング。東南アジアのトップは「トレーディングカード」

最も購入された商品は「ポケモンカードゲーム」です。一時期のような投機的な購入は落ち着きましたが、依然として高い人気を誇っています。

それ以外の人気カテゴリは「おもちゃ・ホビーグッズ」「自動車・オートバイ」「スポーツ・レジャー」と続きます。東南アジアの特長は「自動車・オートバイ」が上位にランクインしていることで、越境EC全体の購買ランキングでは9位ですが、東南アジアでは3位となっています。

このカテゴリで購入される商品は外装品や内装品、エンジン部品などの「カーパーツ」、カウル、ウインカー、フェンダーなどの「オートバイパーツ」、エンブレム、ステッカー、ナンバーフレームなどの「アクセサリー」の人気が高く「タイヤ・ホイール」「カーオーディオ」がこれに続きます。

BEENOS 越境EC 東南アジア 越境ECにおける「自動車・オートバイ」カテゴリの人気商品ランキング越境ECにおける「自動車・オートバイ」カテゴリの人気商品ランキング

東南アジアの自動車市場では、日本企業が圧倒的なシェアを持つことが反映されていると考えられます。越境ECでは、「自動車・オートバイ」カテゴリの上位10位のうち、ホンダ、トヨタ、日産など日本企業が9件を占めています。東南アジアでも同様の傾向ですが、パイオニアが3位に浮上し、ダイハツが圏外から4位にランクインするなど若干の変動が見られます。購入国としてはマレーシアのシェアが最も高くなっています。

BEENOS 越境EC 東南アジア 越境ECにおける「自動車・オートバイ」カテゴリの人気メーカーランキング越境ECにおける「自動車・オートバイ」カテゴリの人気メーカーランキング

また、越境EC全体では8位だった「スポーツ・レジャー」も東南アジアでは4位にランクインしています。この商品カテゴリでは「釣り」「ゴルフ」「アウトドア」などが人気分野で、東南アジアも同様の傾向です。釣り具はマレーシア、シンガポール、タイ、ゴルフはマレーシア、フィリピン、シンガポールから多く購入されており、購入層では釣り具が「30代男性」、ゴルフは「50代男性」が最多となっています。

BEENOS 越境EC 東南アジア 越境ECにおける「スポーツ・レジャー」カテゴリの人気商品ランキング越境ECにおける「スポーツ・レジャー」カテゴリの人気商品ランキング

越境ECで人気の日本ブランドを見ると、ゴルフでは「ミズノ」「本間ゴルフ」「プロギア」「ダンロップ」「三浦技研」などが多く購入されています。東南アジアに絞ってみると、トップ10の顔ぶれに大きな変化はありませんが、10位に「マルマン」が入ります。また、「エポン」「キャスコ」「バルド」といった日本ブランドも、ランキング圏外ではありますが購入されている実績が見られます。

BEENOS 越境EC 東南アジア 越境ECにおける人気ゴルフブランドランキング越境ECにおける人気ゴルフブランドランキング

釣り具ブランドでは「シマノ」「ダイワ」「メガバス」「ジャッカル」「デプス」「DRT」「エバーグリーン」「デュエル」「ロデオクラフト」など、ここでも日本メーカーが人気ランキング10件中9件を占めています。

越境EC全体と東南アジアに共通する傾向として、上位3ブランドは4位以下のブランドに対して大差をつけています。東南アジア以外のエリアでは「スポーツ・レジャー」カテゴリは5位以内にはランクインしておらず、このエリアの特長の1つと言えます。

BEENOS 越境EC 東南アジア 越境ECにおける人気釣り具ブランドランキング越境ECにおける人気釣り具ブランドランキング
東南アジアにおける越境ECユーザーの特長と今後の展望

最後に東南アジアの購入者層を見ていきます。2024年に越境ECを利用した東南アジアのメインユーザーは「20~24歳の女性」と「20~34歳の男性」で、特長は女性ユーザー層が拡大したことです。

BEENOSが2020年から公表している海外消費者の購買動向では、東南アジアにおけるメインユーザー層は2020年が「30~34歳男性」、2021年は「35~39歳男性」、2023年は「20~44歳男性」となっており、これまで越境ECは男性を中心に利用されてきましたが、女性ユーザーも増加しました。

東南アジアで越境ECを利用する女性ユーザーが多い国は、上位から順にシンガポール、フィリピン、マレーシアです。フィリピンの1人あたりのGDPは3499米ドルで、シンガポールの8万2808米ドルやマレーシアの1万1972米ドルと比較して高いわけではありません(参考:外務省 アジア大洋州局「目で見るASEAN-ASEAN経済統計基礎資料」)。

しかし、世界的にみてジェンダーギャップが少ない国であり、経済力を持つ女性が多いことが背景として考えられます。

BEENOS 越境EC 東南アジア 東アジアおよび太平洋のジェンダーギャップ指数東アジアおよび太平洋のジェンダーギャップ指数(画像は『Global Gender Gap Report 2024』から編集部がキャプチャし追加)
越境EC利用の抵抗感が少なく、ショッピングアプリの利用も増加傾向に

2024年にユーザー数が最も伸びた国はシンガポールで、伸長率が最も高かったユーザー層は「19歳以下の男女」です。19歳以下の男女の利用拡大は東南アジアに限らず世界の全エリアにも共通した傾向です。この世代は生まれた時からスマートフォンが普及しており、ECや越境ECの利用にも抵抗感が少ないことが考えられます。

東南アジアでは「Shopee」「LAZADA」といったECモールの利用が多い傾向はありますが、モバイル端末におけるショッピングアプリのダウンロード数ランキングでは、近年「TEMU」「SHEIN」「Taobao」といったアプリが上位にランクインしてきています。

BEENOS 越境EC 東南アジア 東南アジアにおけるショッピングアプリのダウンロード数ランキング東南アジアにおけるショッピングアプリのダウンロード数ランキング

EC間の競争が激化しつつあるなか、「自動車・オートバイ」「スポーツ・レジャー」カテゴリでうかがえるように、独自性があり品質の高い日本商品の趣味消費は強固です。

東南アジアエリアは高い経済成長が続くことで所得の増加した中間層が増え、趣味消費の領域で越境ECの利用が急拡大しています。また、20代前半の女性ユーザーが拡大し10代の男女も流入して伸長、そして購買データからは日本ブランドへの愛着も確認できました。

2024年の越境ECの状況をBEENOSでは「趣味大国無双消費」と定義しましたが、東南アジアにおいても趣味大国日本の商品は人気です。東南アジアにおける越境ECの利用は今後も拡大していくことが見込まれます。

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