【推し活マーケティングの最前線】 “推しコマース”の加速、Z世代開拓、共感と熱量を可視化する「推し活+ポップアップストア」の可能性 | その道のプロが解説するポップアップストア出店の“いろは” | ネットショップ担当者フォーラム

ネットショップ担当者フォーラム - 2025年4月22日(火) 10:00
このページは、外部サイト ネットショップ担当者フォーラム の情報をRSSフィード経由で取得して表示しているため、記事の一部分しか表示されていなかったり、画像などが正しく表示されなかったり、オリジナル記事が意図したデザインと異なっていたりする場合があります。
完全な状態のオリジナル記事は 「【推し活マーケティングの最前線】 “推しコマース”の加速、Z世代開拓、共感と熱量を可視化する「推し活+ポップアップストア」の可能性 | その道のプロが解説するポップアップストア出店の“いろは”」 からご覧ください。
消費行動そのものを動かすドライバー「推し活」。その「推し活」に関するポップアップストアの接点と可能性を、最新トレンドや具体事例を交えて解説します。

ファンの熱量が可視化される「推し活」は、いまや個人の趣味にとどまらず、消費行動そのものを動かすドライバーとなっています。なかでもポップアップストアは、限定性・共感性・体験性といった要素で「推し活」と高い親和性を持ち、ブランドとファンの関係性を深める重要な場として再注目されています。「推し活」とポップアップストアの接点と可能性を、最新トレンドや具体事例を交えて解説します。

記事のポイント
  • 「推し活」における“滞在意志”は、通行量以上の価値をもたらすマーケティング資産
  • ブランドのナラティブを体現する場として、ポップアップストアは一種の“可変型フラッグシップ”となる
  • 熱量の高いファンは空間との“記憶の紐づけ”を起点に、ブランド支持へと深化する
「推し活」と「ポップアップストア」の共通点とは?

「推し活」は、アイドルやアーティスト、キャラクター、ブランドなど、自分が熱中して応援する「推し」に情熱を注ぐ活動を指します。ファンは推しグッズを購入したり、ファンイベントに参加したりといった行動を通じて、推しへの愛を表現します(参照記事)。

この「推し活」文化は、若年層を中心に急速に広がり、近年では企業のマーケティング戦略においても注目されています。

一方、ポップアップストアは、期間限定で特定の場所に出現する店舗を指しています。

ポップアップストアは出店したい「タイミング」「場所」でブランドの世界観を直接顧客に伝えたり、特別な体験を提供することを目的としています。限定性や話題性から、SNSを通じて急速に認知が広がるケースも少なくありません。

「推し活」とポップアップストアは「特別感」「限定性」「体験価値」という点で共通しており、高い親和性があります。

「推し活」市場は3兆円超、ポップアップとの接点も急増中 熱量は“趣味”の域を超える──「推し活」の広がりと経済効果

近年、「推し活」は単なる趣味を超えて、社会現象となりつつあります。矢野経済研究所が実施した2024年の調査によると、日本国内で「推し活をしている」と答えた人は約1384万人にのぼり、前年比で250万人増加しました。特に30歳代前半の女性層での増加が顕著であり、「推し活」の対象はアイドルやアニメキャラクター以外にも拡大。アーティスト、ブランド、さらには特定の商品や企業へと多様化しています。

「推し活」による消費行動も活発で、2024年の「推し活」市場規模は1兆円を超えると予測されています。グッズ購入、イベント参加、遠征費用などを含めると、年間3兆5千億円規模の市場が形成されているとされ、企業にとっても無視できないマーケットとなっています。

EC・リアルの垣根を超える──ポップアップストア再評価の動き

ポップアップストアの活用も急速に拡大しています。

特に、SNSの普及で「期間限定」「ここでしか体験できない」という要素がUGCとしても拡散されやすくなり、ポップアップストアを出店するメーカー、ブランドにとっては、新規顧客との出会いやブランド認知度向上に効果を発揮している事例も頻繁に目にします。

また、ポップアップストアは常設店舗と比較した場合、低コストで運営できるため、新商品のテストマーケティングや、ブランドのターゲット層を絞ったキャンペーンとしても有効です。

象徴事例3選 ケース1:食品×Z世代──味の素「粥粥好日」

食品メーカーの味の素は、Z世代向けの即席カップ粥「粥粥好日(かゆかゆこうじつ)」を発売する際、渋谷スクランブルスクエアで期間限定のポップアップストアを開設しました。

ポップアップストアでは、商品の試食体験や限定グッズの販売を実施、Z世代のライフスタイルに寄り添う形でプロモーションを展開しました。このポップアップストアはSNS上で大きな話題を呼び、結果的に商品は大ヒット。消費者に新たな食の選択肢を提供する成功例と言えます。

期間限定のポップアップストア(出典:味の素のプレスリリースより)期間限定のポップアップストア(出典:味の素のプレスリリースより)
ケース2:「コンビニエンスウェア」×「FUJI ROCK FESTIVAL '24」──ファミリーマートの異色展開

大手コンビニチェーンのファミリーマートは、自社ブランド「コンビニエンスウェア」とフジロックフェスティバルのコラボポップアップストアを展開。フェス会場内に出店し、限定デザインのレインコートやタオルなどを販売しました。

普段コンビニに親しんでいる層と、フェスを楽しむ層の間に新たな接点を生み出し、ブランドイメージの向上に成功した事例として、2023年に続き、2024年も継続的に実施されています。

ケース3:推しコマース──Makuake SHOPの仕掛け

アタラシイものや体験の応援購入サービス「Makuake」は、オンライン発の“推し”商品をリアルで体験・購入できる場として、ポップアップイベント「Makuake SHOP」を各地で展開。支援者による熱量の高いプロダクトが集まり、まさに「推し活」の物理的な場として機能しています。

推しコマースを推進するマクアケ(出典:マクアケのプレスリリースより)推しコマースを推進するマクアケ(出典:マクアケのプレスリリースより)

「Makuake」の「推しコマース」をテーマとしたポップアップストアは、オンライン(デジタル)とオフライン(リアル)を融合させたOMO型の販売体験といえます。

単なる購入行動ではなく、商品誕生の背景や開発者の想いなど、ナラティブ(物語)に共感し、参加するユーザー体験が設計されています。ECプレイヤーにとっても、単なるチャネル拡張ではなく“ファンと共創するブランド体験”という点で、「推し活」とポップアップストアをかけ合わせた素晴らしい実例だと言えます。

2024年9月には、東京・渋谷ヒカリエでポップアップストアイベント「OCTOKYO2024」を開催。注目のプロダクトを一堂に集めた展示販売と体験型企画を通じて、クラウドファンディング発の“推し”と生活者をつなぐOMO的接点をさらに拡大し、作り手と応援者の熱量がダイレクトに伝わるリアルな場としての価値を高めようとしています。

推し活×ポップアップストアで活用したいイベントスペースの選び方と設計のポイント

ポップアップストアで“推されるブランド”になるためには、スペースの選定と設計において、従来とは異なる視点が必要です。「推し活」の文脈でより効果的なポップアップを実現するためのポイントを5つ解説します。

推し活ポップアップストアで活用したいイベントスペースの選び方と設計のポイント
  1. 通行量より滞在時間を重視するロケーション選定
    • 店前の通行人数が多い立地も重要ですが、「推し活」との相性を考えると、訪れたファンがその空間にどれだけ“滞在”したくなるかが鍵になります。
      目的来店の期待値も高いため、商業施設の1階や人通りの多い路面店舗よりも、むしろ空中階(例:2F~5F)の方が、熱量の高い来訪者と相性が良いケースもあります。実際に、「Makuake」が展開する推しコマースイベント「OCTOKYO2024」も、東急プラザ表参道「オモカド」5F LOCULで実施され、目的を持った来場者との濃い接点を前提とした設計になっています。
  2. 来店者しか体験できない要素を用意する
    • 限定アイテムの販売、フォトスポット、体験型コンテンツなど、「来た人だけが得られる価値」が、「推し活」文脈での来場動機になります。会場限定の試飲・試食・展示演出なども有効です。
  3. ファンコミュニティの場として設計する
    • 来場者が“他のファン”と出会い、語り合える空間は、ブランドに対する帰属意識を高めます。SNS連携施策やハッシュタグ投稿促進などを通じて、来場後のオンライン上の会話も生まれやすくなります。
  4. コラボレーションによる文脈の拡張
    • 他ブランドやイベント、地域とのコラボレーションは、思わぬ文脈を生み、話題性を高めます。自社単独では届けられなかった層にもリーチでき、推し活の“裾野”を広げる仕掛けとして有効です。
  5. テストマーケティングのリアルラボとして活用
    • ポップアップストアは短期間で設計できる実験の場でもあります。来場者の反応を観察したり、その場でのアンケートやQRコード活用などを通じて、商品・サービス開発のヒントを得ることもできます。
まとめ:推し活×リアル体験がマーケティングを変える

「推し活」とポップアップストアの組み合わせは、消費者のエンゲージメントを高める有効なマーケティング手法です。リアルとデジタルを融合させた体験設計によって、「推し活」世代との接点を創出する重要性は今後さらに高まっていくでしょう。

「推し活」の対象はアニメやアイドルにとどまりません。多様化が進んでおり、ポップアップストアが活躍する領域も拡大しています。消費者の熱量を的確に把握し、それを体験価値へと転換できるかどうかが、ビジネスの成果を大きく左右すると考えられます。

大手メーカーやEC事業者、主戦となるチャネルや流通規模が異なる両者にとって、ポップアップストアはブランド体験を提供する機能であり、ファンを創出する観点において等しく戦略的チャネルと位置づけられます。空間を通じたブランド表現と、熱量の高い来場者との対話によって、新たな市場の可能性を切り開いていきましょう。

※このコンテンツはWebサイト「ネットショップ担当者フォーラム - 通販・ECの業界最新ニュースと実務に役立つ実践的な解説」で公開されている記事のフィードに含まれているものです。
オリジナル記事:【推し活マーケティングの最前線】 “推しコマース”の加速、Z世代開拓、共感と熱量を可視化する「推し活+ポップアップストア」の可能性 | その道のプロが解説するポップアップストア出店の“いろは”
Copyright (C) IMPRESS CORPORATION, an Impress Group company. All rights reserved.

筆者からのお知らせ

筆者が所属するカウンターワークスでは、商業施設・路面店舗・駅・マルシェ・ギャラリーなど全国の出店スペースをかんたんに予約できる「ショップカウンター」を提供しています。

メルマガの登録はこちら Web担当者に役立つ情報をサクッとゲット!

人気記事トップ10(過去7日間)

今日の用語

直帰
あるユーザーがサイトに来て、最初の1ページだけ見て他のページは見ずにサイトから離 ...→用語集へ

インフォメーション

RSSフィード


Web担を応援して支えてくださっている企業さま [各サービス/製品の紹介はこちらから]