2015年のマーケティングオートメーション市場の規模と課題|MarkeTimes.jp|
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2015年はマーケティングオートメーション元年
2015年はマーケティングオートメーション戦国時代の始まりであり、2016年はその競争はさらに激化すると言われている。2016年はどのような競争になっていくであろうか。マーケティングオートメーション元年と言われた2015年、ベンダー・代理店・企業のマーケターたちが「マーケティングオートメーション」というキーワードに大きな関心を示した年であった。社内のデジタルマーケティングを推進していくには、マーケティングオートメーションは必要な手段なのであろうか。
最適なマーケティング施策を実行するにあたり、ユーザー行動の多様化に対応せざるを得なくなった。企業側は、そのユーザー行動の多様化のスピードに追いつけず、各チャネルに対応したマーケティング施策を実行するには、工数が大きな障壁となっていた。
海外ベンダーの国内参入
2013年〜2014年にかけて、海外のマーケティングオートメーション大手ベンダーが相次いで日本国内へ参入した。
Salesforce Marketing Cloud、Adobe Marketing Cloud、Marketo、Oracle Marketing Cloud、IBM Marketing Cloudなど米国発のベンダーが黒船のごとく日本に攻めてきた。そのほとんどが、BtoBのマーケティングオートメーションを提供していたが、Salesforce Marketing CloudのようにBtoCに特化したマーケティングオートメーションも登場している。
2016年は特にこのBtoC領域のマーケティングオートメーションの導入が進むと言われている。
しかし海外ベンダーが提供するマーケティングオートメーション(CCCM:クロスチャネルキャンペーンマネジメントとも言われている)は、常に最新のマーケティングテクノロジーを導入する事でその競争力を高めている。海外ベンダーの開発費の投資は国内ベンダーと比べて高額になりやすい。
セキュリティ、テクノロジー、ケイパビリティ(可能な事)は海外ベンダーが勝っていることは言うまでもない。
米国マーケティングオートメーション市場規模
こちらのシェア比率は米国のマーケティングオートメーション市場のシェア比率である。米国は現在約15万の企業がマーケティングオートメーションを導入し利用している。金額として1162億円で、その約37%の429億をHubspotで占めている。こちの市場規模は主にBtoBにおけるマーケティング施策で利用されているものがほとんどである。BtoCマーケティングオートメーションを入れると規模はさらに大きくなる。
出典:Marketing Automation insider
1. Hubspot (36.3%)
2. Infusionsoft (24.3%)
3. Marketo (11%)
4. Pardot (8%)
5. Eloqua (7.8%)
6. Act-On (6.5%)
7. Silverpop (2.8%)
8. Ontraport (1.9%)
9. Sharpspring (1.3%)
国内マーケティングオートメーション導入の課題
マーケティングオートメーション市場は大幅な伸びを示しているが、まだまだ国内においては日本独自の縦割り組織、意思決定スピードの遅さ、ノウハウや事例の少なさにより、一部の大手しか導入が進んでいない。
マーケティングオートメーションはデジタル、アナログをデータファーストなマーケティング施策を実現するが、同時にOne to Oneのマーケティングの実現が可能である。簡単に言えば、ユーザーの属性、行動などに応じたチャネル、コンテンツ、タイミングを自動化してくれる。
ただし一つ勘違いしてはならないのが、日本国内においてはマーケティングオートメーションを導入する事で、時間的工数や人的リソースが導入前よりも増えるケースが非常に多い。
理由としては、日本国内の企業はマーケティング部門に対する投資が米国と比較して少なく、マーケティングチームの規模も小さい。
1人のマーケターが、メール、LINE、ウェブなどの多数のチャネルを担当することも少なくない。
日本のマーケティングオートメーション市場規模
日本国内におけるマーケティングオートメーション市場規模は公式には発表されていない。ただし、参考程度にはなるがTechnavioが下記のような発表をしている。
国内マーケティングオートメーション市場は米国や欧州と比較するとまだまだ概念が浸透し始めたフェーズであり、実際には300億円を上回っているというような実態はなさそうに思える。2013年におけるクラウド型SFAの市場規模が約140億円、レコメンドツールなどでは20億円程度という市場規模に鑑みると、まだまだ数億から数十億の前半程度に収まるかもしれない。(出典:デジタルマーケティングジャーナル「世界のマーケティングオートメーション市場は2019年まで年率9.29%で成長 Technavioの市場予測」)
日本においては冒頭にも述べたように、2015年がマーケティングオートメーション元年と言われており今後の市場拡大が期待されている。
マーケティングオートメーションは"魔法"ではない
マーケティングオートメーションは実行部分の自動化はしてくれるが、施策立案やセグメント切りなどの設計部分は自動化してくれない。こちらの設計及び、運用PDCAに関しては、どうしても人的な作業や時間が必要になるのが現実である。マーケティングオートメーションというキーワードが1人歩きし、どこか魔法のような扱われ方をしているのに違和感を感じざるを得ない。ただ、導入を反対しているのではなく、むしろ導入に関しては可能であれば導入を前向きに考えていくべきである。
マーケティング施策の中でなぜマーケティングオートメーションが必要であるかの落とし込みと社内でのコンセンサスを取っていく事は非常に大切であるが、まずはマーケター自身がマーケティングオートメーションに関する知見を高めておく必要がある。
マーケティングオートメーション導入前のユーザー理解の重要性
ベンダーや、代理店のコンサルタントや営業に任せるのもよいが、マーケター自身がマーケティングオートメーションをどうゆう位置づけで利用したいかなどのイメージを持たなければ、導入したはいいものの、運用面で活用しきれずにROIが回収できないなどの問題が発生する。
マーケティングオートメーション導入には企業側においてリーダーシップを取ることができる人材が必要である。
・何ができるかを把握するための情報収集
・自社がどのようなゴールを目指しているか
・そのゴールを達成するためには、どのようなマーケティング施策が必要か
これらの事を社内やベンダー、代理店と共に考えぬいていく事が重要である。
また最近は企業がベンダーや代理店と共にカスタマージャーニーのワークショップなどを行い、今まで自社で気付いていなかったユーザー行動をより把握していく取り組みを行っているケースも多くなってきた。
マーケティングオートメーション導入・運用に必要なこと
今から紹介する以外にマーケティングオートメーション導入・運用に関しては重要な事は存在する。まずは、マーケティングオートメーションという言葉の表面的な要素として見ていただきたい。
1)データ連携
基本的にマーケティングオートメーションはクラウド型のシステムになるので、社内にある基幹システムやDMPデータをマーケティングオートメーションと連携する必要がある。一般的には、情シス(情報システム部)の協力が必要になってくるであろう。基幹システム側でのAPI開発などもコストに入れて考えなければならない。
2)マーケティングシナリオ設計
企業側で実現したいマーケティング施策や目標、シナリオがあるのであれば、ベンダーや代理店に提供する手法と、ベンダー、代理店と考える手法がある。またこのシナリオはデータベース構築の際に必要になってくるであろう。
3)運用は自社か、アウトソースするか
マーケティングオートメーションを扱う代理店は、導入コンサルティングから運用サービスまで行っているケースが多い。マーケティングオートメーションは未経験者での運用が非常に難しいため、可能であればアウトソーシングするのがよい。ただ自社で運用を行う場合であればトレーニングサービス等もあるので、どちらの選択するかも検討しなければならない。
さいごに
今回はマーケティングオートメーションの市場や国内市場等について紹介したが、マーケティングオートメーションの本質や、具体的な導入、運用などについても書いていく予定である。
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