一度に複数の登録や請求をユーザーにしてもらう
一度に複数の登録や請求をユーザーにしてもらう
サービスを展開していると、「ある製品の資料請求と合わせて、他の資料も請求してほしい」とか、「関連サービスも訴求したい」といったケースもあるだろう。このような場合、必ずしもユーザーに最初の段階で情報を提供する必要はない。
たとえば、ビービットでユーザビリティテストを行った際、資料請求フォームにおいて、ユーザーに個人情報を入力してもらったあとの確認画面に「他の資料も請求できます」という風に、チェックボックス式で他の資料を数種類選べるようにした。その結果、テスト被験者10人中9人がほかの資料を合わせて請求する様子が観察された(図7)。
ユーザーにとっては、個人情報を入力することは非常に面倒なことなので、「一度入力してしまった(コストをかけた)のだから、無料で他の資料ももらっておこう」という心理が働いたことが想定される。
もちろん、サービスの種類や画面のレイアウトによって一概に言えない部分はあるにせよ、情報の入力後に付加的なオプションを提供しておくと、そのオプションが選択される可能性は高いといえる。
ユーザーに資料をダイレクトに提示するのではなく、適切なタイミングで、「付加オプション」としての資料を提示することで、効果的な資料請求の実現ができる例だといえる。また、この手法はメルマガ登録や懸賞応募などにも応用できる。ぜひ参考にしてほしい。
個人情報の要求する最適なタイミングとは?
最後に、ユーザーに個人情報を要求するタイミングについて考えてみたい。
サイトのゴールとして、個人情報の入力をユーザーに求めるケースは少なくない。確かに、ユーザーの情報を元にサービスを提供するという流れは理にかなっているが、インターネットの世界では、「まずは最低限の情報入力で登録できるようにして、幅広いユーザーの獲得を目指す」という考え方もある。
いったんサービスに登録してもらえれば、その後アンケートなどによって多くの情報を集めることも可能になる。
個人情報の取得に対して敏感なユーザーもおり、長期的にどの方法がサイトにとってもっとも価値があるのかを考えたうえで、取得の可否を見極めるようにするのがポイントだ。
- リンク文言は、ユーザーの行動内容を踏まえて適切に設定する。
- 有料か無料かを明記する。
- 複数のゴールへのリンクを提示する(コントラスト効果)。
- 情報収集の流れから、流入できる位置へリンクを設置する。
- 情報の入力後に付加的なオプションを提供する。
※この記事は、『Web担当者 現場のノウハウ vol.3』掲載の記事です。
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