ソーシャルメディア白書2012 ハイライト

2ちゃんねるの認知度を超えたTwitterとFacebook。全国1万人のネットユーザー調査で明らかになったソーシャルメディアの存在感 | ソーシャルメディア白書2012 #1

「日本におけるソーシャルメディア利用の現状」をテーマにピックアップして紹介
ソーシャルメディア白書2012 ハイライト

この記事では、一般消費者1万人と企業400社への調査データから、日本のソーシャルメディアの利用実態を明らかにした、書籍『ソーシャルメディア白書2012』のなかから、Web担の読者向けに注目データをピックアップし、全9回にわたってお届けします。

この記事で紹介しているデータのハイライト
  • 2ちゃんねるを超えたTwitterとFacebookの認知率
  • TwitterやFacebookの利用率は認知率と比較して低い
  • LinkedInやFoursquareなど、ビジネス・位置情報分野に注目
  • 最もアクティブなのは男女ともに10代と20代のユーザー

「日本における」消費者や企業のソーシャルメディアの「いま」

2ちゃんねるといえば、日本のインターネットに対する高い影響力で知られています。しかし、先日刊行された『ソーシャルメディア白書2012』が実施した10,715人へのオンライン調査では、TwitterとFacebookの認知率はそれぞれ96.4%と87.4%で、2ちゃんねるの85%を上回るという結果が出ました。TwitterやFacebookといった近年話題のソーシャルメディアは、一般消費者の間でも、2ちゃんねるを超えるほど知られる存在になったようです。

これから9回にわたって、『ソーシャルメディア白書2012』の調査を通じて明らかになった、日本のソーシャルメディアに関するさまざまな最新情報をご紹介していきます。第1回は「日本におけるソーシャルメディア利用の現状」をテーマに、ソーシャルメディアが日本においてどのように活用されているのかを「認知率」「利用率」「経験率」「利用意向」などといったデータから見ていきます。

2ちゃんねるを超えたTwitterとFacebookの認知率

まずソーシャルメディアの認知率について見ると(図1:サービス別の認知率)、Twitterの認知率が96.4%と最も高く、mixi、mobage、Blog、GREE、Facebookなども80%を超えており、ソーシャルメディアは広く認知されていることがわかります。ソーシャルメディアの中では、まだユーザー数が800万人程度と少ないFacebookが2ちゃんねるの認知率(85%)を上回っていたというのは注目すべき点ではないでしょうか。

図1 サービス別の認知率
図1 サービス別の認知率
『ソーシャルメディア白書2012』(翔泳社)(c)2012 Tribal Media House, Inc. & Cross Marketing Inc.

TwitterやFacebookの利用率は認知率と比較して低い

高い認知率とは対照的に「利用しているか」や「利用経験があるか」を問う「利用率・経験率」については、TwitterとFacebookの数値は大きく低下しました(図2:サービス別の利用率・経験率)。各ソーシャルメディアサービスに対する一般的な認知率は非常に高いものの、実際に利用するユーザーは依然として一部にとどまっていることが明らかになりました。

利用率・経験率が最も高かったのはYouTubeで、7割以上(73.1%)が利用経験をもち、ほぼ同等の比率(66.7%)が現在も利用しています。それに対して、認知率では最も高かったTwitterの経験率は32.2%、利用率は28.8%となり、全体の4分の1から3分の1程度にとどまりました。

主要コミュニケーションサービス(コミュニケーション性の高い6つのソーシャルメディア群:Blog、Twitter、mixi、Facebook、GREE、mobage)の中では最も利用割合の高いBlogでさえ、経験率は40%に届かず、利用率も32.7%にとどまる結果となりました。

図2 サービス別の利用率・経験率
図2 サービス別の利用率・経験率
『ソーシャルメディア白書2012』(翔泳社)(c)2012 Tribal Media House, Inc. & Cross Marketing Inc.

LinkedInやFoursquareなど、ビジネス・位置情報分野に注目

次に今後の利用意向について見ると、FacebookやLinkedInなど主にビジネスにおける利用が注目されるサービスや、位置情報サービスであるFoursquareやロケタッチなどにおいて「利用する頻度を増やしたい」という回答が20%を超えていることから、このような分野のソーシャルメディアについては今後もユーザー数が徐々に拡大していくと推察されます(図3:サービス別の利用経験・利用意向)。

図3 サービス別の利用経験・利用意向
図3 サービス別の利用経験・利用意向
『ソーシャルメディア白書2012』(翔泳社)(c)2012 Tribal Media House, Inc. & Cross Marketing Inc.

最もアクティブなのは男女ともに10代と20代のユーザー

ソーシャルメディア利用ユーザーの性・年代を比較してみると、最も積極的にソーシャルメディアを利用しているのは、やはり10代、20代のユーザーであり、男女ともに年代が高くなるにつれ、一部のサービスを除いて、各サービスの利用率は低くなる傾向がみられます(図4~5:性・年代別サービス利用率)。Facebookユーザーには30代、40代の男性が多いと言われていますが、調査結果の利用率において20代が最も高いことには注目しておくべきではないかと思います。

また、どの世代においてもコミュニケーション系のサービスは上位にランクインしていますが、年代によって利用されている主要サービスが変化しているという発見がありました。プラットフォーム別の利用率上位を見ると、10代はTwitterが、20代男女と30代女性はmixiが、30代~50代男性は2ちゃんねるが、50代男女と60代男女はBlogという結果になっています。

図4 性・年代別サービス利用率(男性)
図4 性・年代別サービス利用率(男性)
『ソーシャルメディア白書2012』(翔泳社)(c)2012 Tribal Media House, Inc. & Cross Marketing Inc.
図5 性・年代別サービス利用率(女性)
図5 性・年代別サービス利用率(女性)
『ソーシャルメディア白書2012』(翔泳社)(c)2012 Tribal Media House, Inc. & Cross Marketing Inc.
◇◇◇

ソーシャルメディア白書2012からのデータ紹介、第1回は「日本におけるソーシャルメディア利用の現状」について紹介しました。

すでに、一般消費者の間で認知度の高いソーシャルメディアですが、まだまだ利用を開始するまでのハードルは高い模様。一方で、今後使ってみたいというサービスとしてビジネス系や位置情報サービスが挙がっていたのは意外でした。

さらに、性・年代ごとに広く使われているサービスが異なるというのも意外な結果。まだ、Facebookは世界的な影響力を日本では発揮できていませんが、もしかするとFacebookがこれまでの他サービスが成し遂げていない性・年代を超えた統一プラットフォームになる可能性があるかもしれません。

以上、第1回では「日本におけるソーシャルメディア利用の現状」についてご紹介しました。次回は、「ユーザーのソーシャルメディアに対する意識」について紹介していきます。

調査概要
  • 調査目的:一般消費者のSNS利用状況の把握
  • 調査期間:2011年10月3日(月)~2011年10月10日(月)
  • 調査手法:インターネット調査(クロス・マーケティング アンケートモニター)
  • 調査対象:全国15~69歳までの男女
  • サンプル数:10,715サンプル
10代20代30代40代50代60代
男性38792410899381105905
女性37088610539281141989
回収サンプル数
『ソーシャルメディア白書2012』
ソーシャルメディア白書2012 ハイライト
著:株式会社トライバルメディアハウス、株式会社クロス・マーケティング
出版社:翔泳社
定価:9,800円+税

日本では本格的なソーシャルメディアに関連したデータ集が圧倒的に不足しており、提案の現場では海外調査データや簡易的なウェブ調査などが多数引用されている状況である。そこで本書は、消費者や企業のソーシャルメディアの日本での利用実態を多様なデータとともに明らかにする。今後、ソーシャルコマース、ソーシャルCRM、ソーシャルゲームなど、さらにソーシャルメディアは存在感を増していくなか、本当に使えるデータを網羅する!

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