ソーシャルメディアキュレーションの手引き(前編)
この記事の内容はすべて筆者自身の見解であり(ありそうもないことだが、筆者が催眠状態にある場合を除く)、SEOmozの見解を反映しているとは限らない。
この記事は、「SEOに有効なコンテンツキュレーションの手引き」(2012年)を最新の状況にあわせてアップデートし、コンテンツキュレーションの一側面である「ソーシャルメディアキュレーション」についても掘り下げたものだ。
ソーシャルキュレーションは、実は最も使われているコンテンツキュレーションであり、単なるキュレーションにとどまらない対応を必要とされるSEO担当者やコンテンツマーケターには、多分最も有用だろう。
そうした理由から、このテーマでのウェブセミナーを2013年2月に行った。セミナーでは、ソーシャルコンテンツキュレーションをインバウンドマーケティング戦略に取り入れることが重要な理由、ソーシャルキュレーションの準備、計画、実行、分析のやり方、そして用いるツールについて話をした。
まずは、そのセミナーでのソーシャルキュレーションに関するQ&Aから情報をお届けしよう。
ソーシャルキュレーションQ&A
Q.1コンテンツのキュレーションを進めると(特に多くの顧客を手伝っている場合)、扱うソーシャルメディアアカウントが増えて管理が大変になってしまう。プロフィールの管理、言及の管理などを、あらゆるアカウントについて行えるよいツールはないか?
そうした用途に使えるすばらしいツールとして、ウェブセミナーではBufferを紹介した。しかし、Bufferはプレミアム版でも、SNSプロフィールは12個まで、アカウントにアクセスできるメンバーは2人までしか登録できない。ソーシャルキュレーションを実施している顧客の数が多いとなると、Bufferはベストな選択ではないかもしれない。
質問者のような場合、僕ならHootSuiteを使うだろう。HootSuiteのプレミアム版ならば、SNSプロフィールにアクセスできる管理者の人数に制限はなく、対応しているSNS(Google+を含む)やソーシャル寄りのウェブプラットフォーム(Scoop.it、Tumblr、YouTubeなど)もずっと多い。
Q.2さまざまなソーシャルメディアに対しコンテンツの共有作業を繰り返さずに済ませる(つまり、自分の組織のFacebookアカウントとTwitterアカウントに同じリンクを投稿する)ために用いている方法について話してもらえる?
理想を言えば、ソーシャルキュレーションで最高の効果を上げるには、共有先となるソーシャルメディアの特性に合わせたメッセージを作る方がうまくいく。たとえば、Twitter、Facebook、Google+にはそれぞれの特徴があり、ひとつの「標準的な」メッセージではそうした特徴をうまく活かせない可能性がある。また、同じユーザーでもSNSが異なればその振る舞いは大きく異なる。
BufferやHootSuiteのようなプラットフォームなら、ひとつのプラットフォーム内で、SNSを簡単に切り替えられる。きっと役に立つだろう。
Q.3こんなにもあるコンテンツをどうやって処理している? 私の場合、GoogleのRSSフィード、「あとで読む」系サービスのPocket、新聞風まとめ作成サービスのPaper.liやFlipboardを使い、SEO、PPC、ソーシャルメディアなどに関する記事を継続的に送り出しているが、とにかく大変だ。正気を保つために、またどういう話題に関してコンテンツを読む/作るべきか、どうやって判断しているの?
よい質問だ。実は僕の場合、確かにできるだけ多くのツールを試したり遊んだりするのが好きだが、実際に使っているものは多くない。正直なところ、使っているのは以下のツールだけだ。
新しい情報源を見つけるために
- Zite
- Twitter(フォローしている選り抜きの人物/サイトと、作成したリスト)
- Google+
- 最も信頼しているブログ(つまりSEOmozとYouMoz)の投稿とコメント
その時々に選んでいる全ソースのハブとして
- Google Reader
共有の処理に
- Buffer
ソーシャルキュレーション活動を分析するために
「正気を保つ」、また「コンテンツを読む/作るべき話題を判断する」ための方法という質問にも答えておかなきゃね。これには、きっと経験が役立っている。というのも、あるコンテンツがオーディエンスと共有すべき卓越したものであるかどうかを簡単に見分ける方法は、時が経つにつれ身につくからだ。
とはいえ、役立つかもしれないコツをいくつか披露しよう。
RSSフィードの投稿は、最初は読むのではなく「ざっと目を通す」。(タイトルだけではなく)最初の段落を見て、もっと読みたいと思ったら、それは興味深いよい投稿かもしれない。
共有するかどうかの判断では、投稿の結論の部分を重視しよう。最良の投稿はたいてい、最後の部分がすばらしい。その投稿のテーマと教訓がまとまっているだけでなく、文字通り「何だって!」と言ってしまうような終わり方になっている。
Q.4ブログ投稿はどの程度の頻度で紹介すべき?
ブログというのがSNSでの共有のことなら、頻度は共有先のSNS次第となる。最も一般的なルールは、コンテンツを紹介しすぎてオーディエンスを閉口させない、というものだ。この理由から、ソーシャルメディアの自動化は、ダン・ザレラ氏などの著名人が称賛しているとしても、僕はあまり賛成ではない。自動化は(スケジューリングとは違う)、人間による考え抜かれた真のソーシャルキュレーションから、人間らしさを奪い取ってしまう。共有するコンテンツの質に関しては、そこが決定的な差になるのだ。
とはいえ、オーディエンスが全世界に広がっている場合などは、オーディエンスの大部分に対して活動時間帯にリーチするため、同じコンテンツを2回以上共有することが必要になるのも確かだ。幸い、FacebookやGoogle+などでは、すでに共有されたコンテンツを見たオーディエンスには「再共有」したコンテンツが見えないようにすることができる(リストやサークルを活用しよう)。
Q.5コンテンツキュレーションが成功したかどうかは、どうやって判断する?
成否の判断では、コンテンツのキュレーションで達成したいと思っている2つの目標を考慮する。
ソーシャルプロフィールにおけるフォロアー/ファンの数の増加
キュレーションしたコンテンツの作者から得られる感謝、そしてフォローの数
この記事は、前中後編の3回に分けてお届けする。2回目となる次回は、「何のためにソーシャルコンテンツキュレーションを行うのか」「ソーシャルコンテンツキュレーション戦略の正しい実践方法」「キュレーションの対象とする情報を収集する上で信頼できるソースを見つけ出す方法」についてお伝えする。
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