遂にアイドル登場。2017年、日本でもっとも使われたハッシュタグの注目ポイント!

Twitter 日本でもっとも使われたハッシュタグ年間ベスト10(2015-2017 )

Twitter 日本で最も使われたハッシュタグ年間ベスト10(2015-2017 )

※データ参照元:記事末尾記載*123

<ポイント>

  • アイドルタグが一気にランクイン!
  • モンスト強し!今年ランクインしたソシャゲの傾向は?
  • 企業努力光る「#ローソン」「#居酒屋」の謎


ここ3年間のランキングの推移を見てみると、どの年もゲーム関連のタグが複数ランクインしており、その他の項目がジャンルごと大きく入れ替わっていることがわかります。今年のランキングには、アイドル関連のタグが一気に3つランクイン。また、2016年の特徴であった「アニメ関連」のタグや、「#エイプリルフール」など、一時的なイベントのものは今年ランクインしませんでした。代わりにランクインした「#ローソン」や「#居酒屋」含め、今年の傾向を読み解いていきましょう。

「#乃木坂46」と「#欅坂46」が登場。アイドルタグが一気にランクイン!

上位を占めるソーシャルゲーム関連のハッシュタグの間に、実はこの5年間で初めて、アイドル関連のハッシュタグが3つもランクインしました。
TwitterJapanが公表した、ミュージック関連の「もっとも使われたハッシュタグ」ランキングを見てみると、「#乃木坂46」の強さの秘密がうかがえます。

2017 もっとも使われたハッシュタグ:ミュージック

※データ参照元:記事末尾記載*4

昨年度のトレンドランキングでは3位を獲得した「#Mステ」を押しのけて、「#乃木坂46」「#欅坂46」がランクイン。さらに、ミュージック関連で個人の名前がランクインしているのも、乃木坂46の「#西野七瀬」さんと「#齋藤飛鳥」さんです。
この、乃木坂46→欅坂46→ジャニーズという並びの相関は、タワーレコードの邦楽シングル年間TOP10のチャートに見て取れました。

トレンド入りの鍵は、ファンを盛り上げる「新曲の発表」と「企業とのコラボレーション」

日本で人気のハッシュタグ ベスト10 (2015-2016)

※データ参照元:記事末尾記載*5

ファンの気分が最も盛り上がる、新曲の発表=シングルの発売(それに伴うWeb、TV、リアルイベントでの露出の拡大)が、Twitterのトレンドに強く反映されているのではないでしょうか。今年の年間ランキング9位の「#わーーーージャニオタさんと繋がるお時間がまいりましたいっぱい繋がりましょ」は、ジャニーズファン同士がつながるためのタグです。邦楽シングルランキングは、トレンドランキングと同じように、「乃木坂46」→「欅坂46」→「ジャニーズ」の順となっていました。

また、人気アイドルがトレンド化した一因としてさらに考えられるのが、いくつもの企業やブランドとのコラボレーションです。以下に挙げる乃木坂46の例はいずれも「#乃木坂46」のランクインに加担したと思われ、今後の示唆に富んでいます。

▲乃木坂46×講談社文庫:コラボした書籍のなかには前月比売上が13万パーセント(!?)のものも。売り切れが続出し、入荷の度に書店やファンが積極的に投稿を行っている。※参照元:記事末尾記載*6

▲乃木坂46×じゃらん:キャンペーンの不備がファンの暴走を生んでしまった。※参照元:記事末尾記載*7

コラボレーションで最も重要になるのは、ファンが大切にしている価値観が尊重されていることです。講談社文庫の成功は、ファンの共感やコレクション欲をうまく喚起しているといえるでしょう。一方、今年公開された映画「ワンダーウーマン」とのコラボレーションでは、乃木坂46が歌うイメージソングと映画の内容に対する疑問の声が両者のファンから湧き上がり、物議を醸しました。*8
また、指定の#を含む投稿へ自動返信するシステムが悪用されてしまったじゃらんの例から、キャンペーンの設計にも最新の注意を払う必要があることを、改めて認識できるでしょう。ツイート量を追い求めても、かえってブランドイメージを傷つけてしまっては意味がありません。

#モンスト強し!ソシャゲの枠を超え、映画、リアルイベントまで幅広く網羅。

昨年に引き続き、今年のもっとも使われたハッシュタグの1位が「#モンスト」=『モンスターストライク』でしたね。2015年も2位にランクインしており、3年連続でトップ10入りしたハッシュタグが「#モンスト」だけであることからも、その圧倒的強さが伺えます。
ゲームアプリとしてスタートしたモンスターストライクは、その設計思想として次のようなことが語られています。

「そもそも僕らは“ゲーム”と表現してはいるものの、ゲームを作っているという意識がないんです。例えば、『モンスターストライク』(モンスト)が満たしているニーズは、バーベキューのようにみんなが集まってワイワイ盛り上がることであり、われわれはそうした空間をプロデュースしているにすぎない。競合はカラオケボックスや居酒屋などもあり得ると考えている」
(引用
http://trendy.nikkeibp.co.jp/atcl/column/16/021400099/031700006/?P=2)

今ではアニメ、映画、そしてリアルイベントと、スマホの枠を超えて、ファンの体験を拡張し続けているモンスト。絶対王者たるゆえんがここにあります。

既存の人気作品を上手くゲーム化した2作品:「Fate/Grand Order」「ドラゴンボールZ ドッカンバトル」

モンストを除いて、入れ替わりが激しいソーシャルゲームの中で今年見事ランクインしたのが、以下の2作品のハッシュタグです。

「Fate/Grand Order」 #fgo #fatego ※参照元:記事末尾記載*9

「ドラゴンボールZ ドッカンバトル」 #ドラゴンボール #ドッカンバトル ※参照元:記事末尾記載*9

「Fate/Grand Order」の元ネタである、「Fate/stay night」は2004年に発売された国内外問わず根強い人気を誇るPCゲームです。「ドラゴンボール」は1980年代に生まれた言わずと知れた長寿コンテンツですね。
昨年度ランクインしていた「#ポケモンGO」もそうですが、ソーシャルゲーム戦国時代の今、トップに立つためには、成熟した作品と、時代を捉えたゲーム性の両立が不可欠であることを証明しているかのようですね。

※12月23日に発表された「Twitterトレンド大賞2017」において、もっとも話題となった<言葉(WORD)>ランキングで、「FGO」が1位となりました。企業発信のキャンペーンが絡まないユーザーの自然なツイート量がこれだけ多いということは、来年モンストを抜いて1位、という結果もありえるかもしれません。

企業努力光る#ローソン

<アイドル><ソシャゲ>の2ジャンルがTOP10のほとんどを占めるなか、唯一企業名でランクインしているのが第8位の「#ローソン」。「もっとも使われたハッシュタグ」ランキングで圧倒的な存在感を放っています。

※データ参照元:記事末尾記載*10

また、今年もさまざまな企業が使用した、「その場ですぐに結果がわかる」インスタントウィンキャンペーンも積極に活用しており、2017年もっともリツイートされた企業投稿にもランクインしました。

こうした地道な積み重ねと積極的なキャンペーンの展開が、ランクインのための大きな要素となっていることは間違いないでしょう。
一方で、「もっとも使われたアカウント」ランキング1位のサントリー(@suntory)は、投稿文中に使われるタグは基本的に商品の名前で、「#サントリー」といったタグは使用していません。
ローソンとサントリーの事例は、ユーザーに何を認知させたいのか、という点で見比べると、とても参考になります。

「#居酒屋」の謎を考える。高校生の間で需要アリ?各居酒屋の努力?

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※画像引用元:記事末尾記載*11

これまでトレンドを分析してみて、どうしても1つ、これだ!と言い切る理由を見つけられずにいるタグがあります。それが、10位の「#居酒屋」・・・。ここで、ランキング1位のモンストを生み出した1人である木村さんの言葉を、再び引用してみましょう。

「例えば、『モンスターストライク』(モンスト)が満たしているニーズは、バーベキューのようにみんなが集まってワイワイ盛り上がることであり、われわれはそうした空間をプロデュースしているにすぎない。競合はカラオケボックスや居酒屋などもあり得ると考えているくらいですから。」
(引用:http://trendy.nikkeibp.co.jp/atcl/column/16/021400099/031700006/?P=2)

今年は「#インスタ映え」が流行語大賞となるなどソーシャルが一層盛り上がった年ではありますが、その反面、SNSに疲れてしまった、というような声も少なくありませんでした。一方で、居酒屋など実際に面と向かってコミュニケーションする場は、常に需要がある、ということでしょうか。実際に、Googleの検索トレンドでも、居酒屋は緩やかに右肩上がりです。

また、今年は「女子高生に居酒屋が人気!」というニュースも話題に上りました。
Twitterを頻繁に利用する女子高生を掴んだことも、トレンド入りの一因でしょう。

もちろん、居酒屋各店舗の積極的な告知も見逃せません。飲み放題などのキャンペーンに関する「#居酒屋」のツイートは、日々行われています。SNS上での告知は、特に常連であればあるほど、見逃したくないもの。新規獲得というよりも、リピートに一役かっているのかもしれませんね。

まとめ

Twitterの年間トレンドランキングは、今の10代〜20代といった若い層が何にお金と時間を使っているかの象徴のようでした。そして、「#モンスト」「#乃木坂46」の事例からも分かる通り、非常に完成度の高い世界観の中で、リアル⇔Webを当たり前のように行き来し、活性化してゆくユーザーの熱量が、トレンドに強く反映されているように思います。
一方で、「#ローソン」や「#居酒屋」の事例からは、粛々と投稿を続けるといった、当たり前の事を圧倒的なボリューム感でやり続けたものが勝つという事を再認識させられました。
来年は、「#モンスト」が三連覇を果たすのか。アイドルがトップに立つのか。それとも、新しいジャンルが頭角を現すのか。これからも日々のトレンドを追いながら、粛々と頑張っていきましょう!

<おまけ>
今年行われたTwitterトレンド大賞について

2017年のハッシュタグランキングでは、年間を通じて熱量の高いもののみがランクインし、一時的なイベントなどのトレンドが例年以上に見えにくい内容でした。
しかしながら、2017年から始まったTwitter社によるトレンド大賞はさまざまな視点からトレンドを追うランキングが発表されています。特に、Twitterで最も話題になった「言葉」を取り上げる「WORD of the year 」は、2017年ならではの言葉が並んでいるので、こちらも要チェックですね。