アドビ日本法人が20周年。今後は「デジタルメディア」「デジタルマーケ」の2本柱で

アドビ システムズ 株式会社は3月27日、アドビの日本法人として創立20周年を迎えた

アドビ システムズ 株式会社は3月27日、アドビの日本法人として創立20周年を迎え、その記念の記者説明会をザ・リッツ・カールトン東京で開催した。

日本法人の代表取締役社長 クレイ グ ティーゲル氏は、アドビが今後フォーカスしていく分野として、「デジタルメディア」と「デジタルマーケティング」の2本の柱を示した。

デジタルメディア分野では、ソーシャルの台頭やモバイル・タブレットなどのマルチデバイスの一般化といった変わりゆく状況に対応した製品群を提供していくだけでなく、サービスとしてのAdobe Creative Cloudによって、クリエイティブのプロセスとワークフローを再定義していくとした。

デジタルマーケティング分野では、デジタルマーケやデジタル広告の「制作」「管理」「展開」「効果測定」「最適化」まで、業界の標準を目指すとしている。

デジタルメディア分野の製品はクリエイター向けだが、デジタルマーケティング分野の製品が対象としているのは、次のような人たち。

・売上責任者(Chief Revenue Officer)
・マーケター(Marketer)
・分析専門家(Analytics Professional)

これまで「長年の勘や経験」をもとに行われていたマーケティングを、実際のデータに基づいてテストしながら顧客とのコミュニケーションを行っていくための製品群となる。

同社ではOmnitureをはじめ、Day SoftwareやEfficient Frontierといった業界でも強力な製品・サービスをもつ企業を買収してきているが、マーケティングを「顧客獲得」「顧客体験」「顧客転換」の3つのステップに分けた場合、買収した企業のサービスはそれぞれ次のような対応になるのだという。

  • 顧客獲得(Acquisition) ―― Efficient Frontier
  • 顧客体験(Experience) ―― Day Software
  • 顧客転換(Conversion) ―― Omniture

こうした各ステップを、効果測定と最適化を行いながらまわしていくための製品やサービスを提供していくのだという。

また、アドビが掲げているマーケティング戦略「4M」も示された。アドビのいう「4M」とは、次の4つの各キーワードの頭文字「M」を合わせたものだ。

  • Make ―― クリエイティブの作成
  • Manage ―― コンテンツの管理
  • Measurement ―― 効果測定
  • Monetize ―― コンバージョン最適化

説明会では、最後に同社が積極的に推進している「CQ」という製品のデモも行われた。「CQ」はDay Softwareの資産をもとにした製品で、わかりやすくいえば、「コンテンツ管理と最適化のためのプラットフォーム」で、「最適なタイミングで最適な情報を最適な形で見せる」ための仕組みだ。

CQは単なるCMS(コンテンツ管理システム)ではなく、データ分析と連携することで来訪者の属性や行動に合わせたパーソナライズができたり、もちろんデジタルメディア製品(Creative Suite)と連携してコンテンツを管理したりと、デジタルマーケティングの要となる製品だ。

古くからアドビが得意とするクリエイティブ系の製品群に、マーケティング施策を管理する製品群が加わり、さらにその要となるコンテンツ管理のプラットフォームが加わったアドビだが、そのデジタルマーケティング分野にかける勢いが感じられた説明会だった。

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