楽天は9月8日、楽天市場の出店者に対して料金体系の変更を告知したことが分かった。配送先データCSVが無料でダウンロードできるなど、一部機能を無料化。一方で、システム利用料の課金対象を税込に変更するほか、週1回まで無料だったメールマガジン配信を一律で有料化するなど手数料を引き上げることも決定した。全体では多くの店舗でシステム手数料金が値上げとなるケースが多く、出店者から反発の声が出てる可能性がある。
無料となるのは配送先データCSVダウンロード、送り状ダウンロード、出店者向けサーバースペース「楽天GOLD」、「受注WEB API」に関する4機能の料金。2015年1月1日に改定する。
配送先データCSVは従来、基本料金700円で1件あたり7円の追加料金が必要。同機能を現在9000店舗が利用しているが、これを無料化する。
従来プランの送り状ダウンロードは1件あたり5円が必要で、現状1400店舗が利用。これも完全無料化する。
サーバースペースの「楽天GOLD」は従来、100メガバイトまで無料で使用可能で、それを超えると100メガバイトごとに月額5000円が必要だった。最大1ギガバイトの契約では4万5000円の追加料金がかかっていた。これを無料化する。容量は最大1ギガバイト。
受注WEB APIは従来、初期導入費用が10万円で、1件当たり7円の処理手数料が必要だったが、この機能も無料化する。
システム利用に関する不公平感もなくす。従来は税抜き代金で登録しているショップには税抜き価格、税込み価格で登録しているショップには税込み価格に対するシステム利用料がかかっていた。これを税込価格に統一し、ショップ間による不公平感をなくす。楽天スーパーポイントの付与範囲も税込み価格に統一。アフィリエイトの成果報酬にも消費税が加算されることになる。この変更も2015年1月1日から適用する。
モバイル経由のシステム利用料率も変更する。従来は全出店プランで一定料率(3.0~5.0%)だったが、出店プランに応じた課金体系に変更。PC経由の料率に0.5%加算した数値が改定後のモバイルに関するシステム料率とする。料率が2.0%~4.0%のメガプランとスタンダードプランで契約している店舗には従来プランよりも手数料が安くなる一方、がんばれプラン(料率は3.5%~6.5%)やライトプラン(3.5%~5.0%)などで契約している店舗は実質値上げとなる。
メール配信プランも変更し、従来週1回まで無料配信できた枠を撤廃。有料版メルマガ配信サービス「R-mail Express」と同様の機能が、すべての店舗で無料にて利用できるようにする。無料化の一方で、メール配信1通あたり0.75円を加算する。2015年4月1日から実施。
安心安全で利便性の高い楽天市場を構築するといったシステム構築などの費用として、PC、スマホ経由を問わず、売り上げの0.1%が追加課金する。実施は2014年11月1日から。
楽天の河野奈保執行役員は「従来、CSVや楽天GOLDなどを使わなかった店舗にとっては、コストアップになる可能性がある。だが、こうした機能を自由に使えるようにすることで、より効率的にサイトを運営し、リッチなコンテンツを提供できるようになる。より楽天市場のシステムを使い倒せるようになったと考えてほしい」としている。
オリジナル記事はこちら:「楽天市場」の出店料金体系が大幅変更へ、メルマガ配信の完全有料化やシステム料率など(2014/09/08)
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