証券会社のNPS、1位はSBI証券。ネット証券は「セキュリティ」「UX」のさらなる向上が課題に【NTTコム オンライン調べ】

NTTコム オンラインは対面証券およびネット証券の利用者を対象に、NPSのベンチマーク調査を実施した。

NTTコム オンライン・マーケティング・ソリューション(以下「NTTコム オンライン」)は、対面証券およびネット証券の利用者を対象に、顧客ロイヤルティを図る指標であるNPS(ネット・プロモーター・スコア)のベンチマーク調査を実施した。有効回答数は対面証券部門2,492件、ネット証券部門2,940件。

NPS(Net Promoter Score)は顧客ロイヤルティを測る経営指標。
https://webtan.impress.co.jp/l/6990

対象となる証券会社11社(対面証券6社、ネット証券5社)のNPSのトップ、平均、ボトム(最下位)はそれぞれ以下のとおり。

対面証券5社のトップは野村証券(-50.7ポイント)で、最下位の企業との差は10.6ポイント。対面証券5社の平均は−56.3ポイントで、昨年比+3.7ポイントとなった。対面証券部門では全般的に、ヒアリング力や相談のしやすさなど担当者関連の項目で満足度に向上が見られ、5社すべてでNPSが前年比プラスの結果となった。

また、ネット証券6社のトップはSBI証券(-23.8ポイント)で、最下位の企業との差は20.0ポイント。トップとボトムの開きは対面と比較して大きいが、ネット証券の最下位企業であっても対面証券のトップより高いスコアを獲得している。なお、ネット証券6社のNPS平均は−34.5ポイントで、前年比−0.1ポイントとなった。

対面証券部門:「手数料」「成果」が引き続き課題に

18の要因別に満足度と重要度を分析したところ、対面証券部門において「重要度が高いにもかかわらず満足度がのびなかった」(=重要度と満足度のギャップがもっとも大きかった)項目は、「サービスの対価に見合った合理的な手数料」で、次いで「資産運用に対する期待通りの成果」となった。このギャップ項目の上位は前年と同じだが、全般的に満足度が上昇したため、ギャップ自体は減少した。

1位の野村証券は、18の要因のうち16が対面証券部門トップとなるという高評価を得た。

ネット証券部門:既に満足度の高いUX部分に、さらなる改善を期待

ネット証券部門においては、「セキュリティの信頼性」が重要度と満足度のギャップが最も大きい項目となり、次いで「サービスの対価に見合った合理的な手数料」、「PCやスマホでの使い勝手の良さ」が挙がった。ただし、満足度の平均では「セキュリティの信頼性」は1位、「PCやスマホでの使い勝手の良さ」は2位となっており、セキュリティやユーザーエクスペリエンス(UX)の部分で、既に高い満足度を得ているにも関わらず、ネット証券全体としてさらなる向上を期待されているという結果となった。

SBI証券は、ギャップ項目の「セキュリティの信頼性」や「合理的な手数料」でトップの評価を得ており、ネット証券部門の、そして証券会社11社全体の1位となった。

Webサイトとアプリ、両方利用する人のNPSは高い

証券会社の利用者向けWebサイトおよびアプリの利用有無について調査したところ、全体の67.0%がWebサイト、アプリのいずれかまたは両方を利用しているという結果となった。利用状況別にNPSを分析したところ、Webサイトとアプリ双方を利用しているユーザーのNPSが−14.0ポイントと最も高く、いずれも利用していない場合が−63.2ポイントで最も低い結果となった。

Webサイト/アプリ利用状況別のNPS

対面証券部門、ネット証券部門のいずれにおいても、Webサイトおよびアプリを利用しているユーザーは、その他のユーザーよりも、「他金融機関との連携のよさ」、「金融資産の購入や運用のしやすさ」といったUXの部分で満足度が非常に高い結果となった。

また、20代~60代以上の年代別に分析したところ、アプリの利用率は年代が上がるにつれ低くなるものの、いずれの年代においても、ウェブサイトおよびアプリの利用者が最もNPSが高い傾向が見られた。

決め手となった情報源、対面証券は「口コミ」「営業担当」「窓口」、ネット証券は「ホームページ」「比較サイト」

対象の証券会社を利用する際に決め手となった情報源を聞いた結果がこちら。

対面証券では、1位が「家族・親戚・友人・知人からのお薦め(=口コミ)」(29.3%)、2位は「証券会社の営業担当」(16.7%)、3位は「証券会社の窓口」(14.0%)となった。

一方、ネット証券では、1位「証券会社のホームページ」(35.3%)、2位「比較サイトでの評価」(25.9%)、3位「家族・親戚・友人・知人からのお薦め(=口コミ)」(17.3%)となり、対面証券とは上位の顔ぶれが異なる結果となった。


証券会社での「顧客本位の業務運営に関する原則」の定着が進む

2017年3月に金融庁がとりまとめ、定着に向けた取り組みを進めている金融事業者向けの「顧客本位の業務運営に関する原則」に関連して、「フィデューシャリー・デューティ」(*)の認知度を聞いた結果は下図のとおり。対面証券は27.4%、ネット証券22.0%で、いずれも昨年から上昇している。

他者の信認に応えるべく一定の任務を遂行する者が負うべき幅広い様々な役割・責任の総称

また「顧客本位の業務運営に関する原則」の原則2~6(上掲リンク先の別紙2参照)に近しい要因の満足度を、対面証券部門、ネット証券部門のそれぞれで分析したところ、いずれも2017年と比較して満足度の向上が見られたとのこと。

調査概要

対面証券部門
  • 【調査対象企業】SMBC日興証券、大和証券、野村證券、みずほ証券、三菱UFJモルガン・スタンレー証券
  • 【調査対象】インターネットリサーチモニターのうち上記証券会社に口座を保有し、過去1年以内に利用した人
  • 【調査方法】インターネット調査(ネットリサーチ)、非公開型
  • 【調査時期】2018年8月21日~8月30日
  • 【回答者数】2,492名
  • 【回答者属性】
    • 男性:64.6%、女性:35.4%
    • 20代以下:7.0%、30代:10.6%、40代:14.6%、50代:17.6%、60代以上:50.2%
ネット証券部門
  • 【調査対象企業】GMOクリック証券、SBI証券、カブドットコム証券、松井証券、マネックス証券、楽天証券
  • 【調査対象】インターネット調査モニターのうち、上記証券会社に口座を保有し、過去1年以内に利用した人
  • 【調査方法】インターネット調査(ネットリサーチ)、非公開型
  • 【調査時期】2018年8月21日~8月30日
  • 【回答者数】2,940名
  • 【回答者属性】
    • 男性:73.9%、女性:26.1%
    • 20代以下:8.7%、30代:18.9%、40代:24.5%、50代:16.6%、60代以上:31.3%
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