ミラーマンの時間
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ヒューマンリソシア株式会社はコラム「ミラーマンの時間」を公開しました。
少年少女を対象とした小説として「ジュブナイル」”juvenile” というジャンルがありました。
そのジュブナイルとされていたのは文庫サイズでSF趣向の小説が多かったように思います。
ジュブナイルは70年代頃登場した言葉であり現在はあまり見かけませんが、
対象読者を限定しようする試みは現在のライトノベルの位置づけとも似ています。
当時は「ジュブナイル」という言葉も知らずに、小学校の図書館で最初に手にしたのが確か筒井康隆の
「ミラーマンの時間」だったと記憶しています。 何故、沢山ある図書館の蔵書の中でこれを手にしたのか
覚えていないのですが、書籍のタイトルが「ミラーマン」とあったので円谷プロダクションが制作した
特撮ヒーローと勘違いしたのだと思います。たぶんそうに違いありません。そんなうかつで軽はずみな選択で
あったのですが、読み始めるとお話の世界に一気に惹き込まれていきました。
主人公の顔の右半分には黒い痣(あざ)があったので劣等感に苛まれていました。
その右半身を「鏡」に押し当てていたらある時間になると右半身が鏡の中にめり込んでしまって
左半身だけが左右対称で(痣のない)顔になり変身してしまいました。
しかも(おまけで)空が飛べるようにもなりました。「ミラーマン」となってしまったのです。
この特殊能力も厄介(やっかい)でして、ただゆっくりと空を飛べるだけで怪力や念動力を得た訳ではないのです。
これが後で別の苦悩になります。更には、主人公が「ミラーマン」となっている時間に鏡の中にめり込んだはずの
右半身だけが左右対称に黒い痣のある「パンダマン」 がもう一人の自分として登場してきて悪さをするのでした。
出典:筒井康隆(著)「ミラーマンの時間」角川書店(1977)
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http://resocia.jp/column/3693/
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