SEOの効果を最大化するコンテンツ設計 3つのポイントと5つの目標
サイトのコンテンツフロー(どんなコンテンツをどの順にどう配置するべきか)を管理し、質を高めることは、SEOに役立つ。ページのデザインがもたらしてくれる機会最大限に活用するベストな方法は何だろうか。
今日のホワイトボード・フライデーでは、問いかけるべき(そして答えるべき)質問と達成すべき目標についてランドが説明する。
Mozファンのみんな、こんにちは。ホワイトボード・フライデーにようこそ。今回は、SEOに役立つページのコンテンツフローを設計する方法について話をしよう。
残念なことに、SEO戦略の分野ではなぜか、コンテンツフローの話が脇に追いやられてしまっている。
SEO業界にいる人たちの多くは、コンテンツなどさまざまなものに投資して、検索ユーザーの問題を解決し、その意図を探ろうとしている。ところが、
- ページのデザイン
- ページ内に存在するUIやコンテンツといった各要素のフロー
については、無視したり片隅に追いやったりしているのだ。この状況が残念だと言える理由は、実際にはこうした取り組みが非常に大きな違いをSEOにもたらすことだ。
質問 どのような要素をページのどこにどういう順番で配置する必要があるのか?
このページの問題は何だろうか?
これを考えるとき、それは、次のように考えるのと同じことだ。
このページに何を配置すればいいのか?
たとえば、「faster home Wi-Fi」(自宅のWi-Fiを速くする方法)というキーワードで検索順位の上昇を狙っているとしよう。
現時点では、Lifehackerなどさまざまなサイトが、このキーワードの検索結果で上位に入っており、膨大な数の検索トラフィックを獲得している。このキーワードで高い順位を得られれば、多くの収益がもたらされるだろう。
だが、パフォーマンスをできる限り高めるには、このページに何をどのような順序でどのような場所に表示するのがいいのだろうか。場合によっては、優れたコンテンツがお粗末なデザインやページフローのおかげで埋没してしまっていることがある。
だが、その答を見つけたいなら、別の質問について考えなければならない。少なくとも、次の3つの質問に答える必要があるのだ。
質問A このクエリで、検索ユーザーが達成したいと考えている目的は?
「faster home Wi-Fi」(自宅のWi-Fiを速くする方法)と入力したユーザーは、どのようなことをうまく行いたいと考えているだろうか。
質問B このクエリには意図が複数あるか、あるとすれば、その中で最もニーズの高い検索意図は?
検索意図のニーズにはどんなものがあり、それぞれ重要度はどうなっているだろうか。
それがわかれば、最もニーズの高い検索意図に応えるコンテンツを最初に配置し、2番目の意図に応えるコンテンツをその次に、3番目の意図に対応するものをさらにその次に配置するといったフローを設計できる。
質問C 検索順位を上げるビジネス上の目的は? 自分たちは何を達成しようとしているのだろうか?
自分たちの目的と検索ユーザーが達成しようとしている目的のバランスを常に考える必要がある。そうしなければ、ほとんどの場合、検索順位を上げる意味はまったくない。
自分たちの目標を達成できないのなら、達成可能な他の目標のために順位を上げる必要がある。
質問への答 把握して判断すべきユーザーの検索意図とビジネスの目的
話を前に進めるために、今回のキーワードで、前述の質問に対する適切な答を考えてみよう。
これはとても簡単だ。「faster home Wi-Fi」(自宅のWi-Fiを速くする方法)というキーワードで検索したユーザーが望んでいるのは、たいてい次のようなことだろう。
質問A このクエリで、検索ユーザーが達成したいと考えている目的は?
Aへの答 自宅のWi-Fiのダウンロード速度を速くする。
検索ユーザーが達成したいと考えている目的はこれだ。だが、この目的をかなえるにあたって、さらにユーザーが考えている意図がある。彼らは、次に示すような方法で目的を達成したいと考えているかもしれないのだ。
質問B このクエリには意図が複数あるか、あるとすれば、その中で最もニーズの高い検索意図は?
Bへの答1 現在利用しているISPと機器はそのままで。
この場合は、お金をかけずに速度を上げる方法を知りたいと考えている。
ルーターを今と違う場所に置けばいいのだろうか。ケーブルを替えればいいのだろうか。部屋を替えなければいけないだろうか。コンピュータの場所を移動する必要があるだろうか。自宅にある他の何かがWi-Fiに干渉していて、そのスイッチを切る必要があるだろうか。
こういった問題だ。
Bへの答2 新しいISPを利用する。
新しいISPを利用するという方法もある。検索ユーザーは、自分のいる地域で今より高速なネット環境を提供してくれるISPを探しているのかもしれない。利用できるISPを知りたがっているのだ。
この質問は、最初の質問と比べて意図が大きく異なる。
Bへの答3 ISPは変えずに新しい機器を利用する。
この場合は、ISPはそのままで、機器を新しいものにアップグレードしたがっていると思われる。購入可能で、今のISPの速度を改善できる機器を探しているのだ。
残念ながら、米国では多くの地域で、ネット接続サービスを提供しているISPが1社しかない。そのため、ISPを乗り換えることは難しいが、機器を買い替えることはできる。
質問C 検索順位を上げるビジネス上の目的は? 自分たちは何を達成しようとしているのだろうか?
Cへの答 製品への参照トラフィックからアフィリエイト収入を得ること。
SEOで僕たちが達成しようとしている目的を、製品への参照トラフィックからアフィリエイト収入を得ることだと仮定してみよう。
この場合、僕たちのビジネスは、検索ユーザーを新しいルーターやGoogleのメッシュネットワーク対応デバイスの製品ページに連れて行き、その製品を売り込んだり勧めたりすることによってアフィリエイト収入を得ることだ。
これでやっとコンテンツフローの設計を始められる
OK。質問に関する話はもう十分だ。これで、フローの設計の問題に対処する準備は整った(逆の言い方をすると、前述のようなことを考えずにコンテンツフローは設計できないということだ)。
フローを設計するにあたっては、多くのものが対象になりうる。ナビゲーション、見出し、リードコピー、見出し画像、本文、図表、参照リンク、フッター、サイドバー(該当する場合)など、ページ上に存在するさまざまな要素が対象になるのだ。
ページ上のこうした要素に関する話は今日のテーマではないが、各要素を検討することもできる。次のような具合にだ。
- さまざまな意図に対応していることを人々に伝えるような見出しが欲しい
- 強調スニペットに表示される可能性のあるリードコピーをここに入れたい
- 画像検索結果で上位に表示されたり強調スニペットに表示されたりするような見出し画像が欲しい
- 高い人気を獲得するために、本文の内容をあらゆる意図に対応できるものにしたい
- 検索ユーザーに最適な機器やISPが他にあることを調査結果として伝えるような図表やビジュアルコンテンツを加えたい
だが、僕が今回取り上げるのは、フローの重要性だ。問題はコンテンツ自体が埋没してしまっていることにある。
検索ユーザーの問題を解決するような優れたビジュアルやコンテンツが、アクセスしたり見つけたりするのが難しい場所に配置されている例を、僕はこれまで数多く見てきた。実に優れたコンテンツがあるにもかかわらず、ページデザインのせいで埋没してしまっているのだ。
コンテンツフロー設計で重要な5つの目標
ここで重要になる目標は次のとおりだ。フローの設計を考えるにあたっては、これらの目標に合わせた最適化が必要となる。
目標1 検索ユーザーがすばやくかつ楽しく問題を解決できるようにする方法は?
これはユーザー体験とUIの問題だ。多くの人にとって、見たいコンテンツとは、すぐにかつ楽しく問題を解決してくれるようなコンテンツだ。
今回の検索結果でトップにランクインしていたのは、自宅のWi-Fiを高速化する10の方法を紹介するLifehackerの記事だった。このような記事には、ISPの乗り換えや、自分の地域で利用できるISPを探すツールなどの話が載っているだろう。性能のいいルーター最適なルーター製品が紹介されているかもしれない。別のISPを利用したり自宅のネットワークを強化したりするための情報へのリンクが記載されているかもしれない。
このような記事は、検索ユーザーの目的に最初からすぐに対応しているのだ。
目標2 ニーズの高い順で複数の意図に対応する。
「ほとんどの人が、ISPはそのままで機器を替えたがっている」という現実を直視すれば、まず対応すべき問題はB3だろう。
B1に対応するのはその次で、ISPを乗り換えるというB2を最後にするのが、今のシナリオにとって最適であり、僕たちの役に立つ。
目標3 目標1と目標2を犠牲にすることなく、ビジネスの目標に合わせた最適化を行う
フローの設計にあたっては、検索ユーザーの意図を最優先で常に頭に入れておくことをお勧めする。検索ユーザーの意図をビジネスの目標に合致させられれば理想的だ。
ビジネスの目標を最優先にし、検索ユーザーへの対応を2番目にしたために、検索順位が10位になってしまうようなことは、よくある。
目標4 可能であれば、強調スニペットの獲得や画像検索結果での順位の上昇を目指す。
そのためには、リードコピーを先頭に持って来る必要がある。よくあるやり方は、最初の段落や最初の数行を番号付きまたは番号なしのリストにし、見出し画像やビジュアル要素を加えて、強調スニペットの獲得を目指すことだ。
検索結果ページに強調スニペットが表示されれば、非常に強力な威力を発揮する。
目標5 ユーザーがSERPに戻ってしまう可能性をできるだけ減らす。
たいていの場合、そのためには、検索ユーザーの問題解決を妨げたり、彼らを苛立たせたり、ページにとどまるのをやめようと思わせたりするようなUIやフローをなくすことが重要だ。
たとえば、ページの3分の2が表示されないうちに広告をポップアップ表示したりオーバーレイ表示したりすれば、間違いなくユーザーの活動を妨げ、彼らがSERPに戻ってしまう可能性を高めることになる。このような状態は「ポゴスティッキング」と呼ばれており、検索エンジンはポゴスティッキングが起こっているサイトの検索順位を大幅に下げる可能性がある。
要素やフローの設計のために、ユーザーの問題を解決すべきコンテンツが広告エリアやプロモーションエリアより下に配置されている場合も、ユーザーの活動を大きく制限する。
ページの設計をコントロールして最適化すれば、すでに存在している既存のコンテンツを利用して検索順位を上げることができる。コンテンツを作り直すことも、新しいリンクを加えることもなく、フローを改善するだけで済むのだ。
素晴らしい事例があればコメント欄で教えてほしい。またお会いできるのを楽しみにしている。ごきげんよう。
ソーシャルもやってます!