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ローカルSEOはどうやって決まる? グーグル「検索品質評価ガイドライン」のポイントを要約(前編)

ローカルビジネスのレピュテーションについてグーグルの見解を紹介。ローカルSEOの検索順位決定要因を知っていこう。
この記事の内容はすべて筆者自身の見解であり(ありそうもないことだが、筆者が催眠状態にある場合を除く)、Mozの見解を反映しているとは限らない。

ローカルビジネスにとっては、レピュテーション(評判)がすべてだ。レピュテーションは「名声(良い評判)」または「悪名(悪い評判)」であり、誇りの源泉でもある(あるいは改善が必要であることを示す兆候かもしれない)。

管理次第では、ビジネスのレピュテーションは次のような役割を果たす:

  • 24時間働く営業チームとなる
  • 品質管理の手段となる
  • ビジネスインテリジェンスの方法論にもなる

なによりも多面的なローカル検索エンジンの検索順位決定要因としてレピュテーションは重要であり、グーグルがエンティティ(実体)をどう見るかという点で重要な要素でもある。

グーグルがローカルビジネスのレピュテーションをどのように把握しているのか理解を深めるために、私は172ページもあるPDFファイル「グーグルの検索品質評価ガイドライン」に目を通した。この記事では、重要な情報を要約して紹介するとともに、アルゴリズムのアップデートに詳しいマリー・ヘインズ博士の見解も参考にする。

これを読めば、君のローカルビジネスが街で1番であることを、グーグルと一般ユーザーに証明する新しい方法を試してみたくなるかもしれない。

品質評価者の目的

グーグルは、検索品質評価ガイドラインに基づいてウェブページを審査する「評価者」を1万人以上雇用している。

Quality Raters' Guidelines:頭文字を取って「QRG」

勘違いされることもあるのだが、これらの評価は検索順位には直接影響しない。むしろ、グーグルはこの大規模な人的ネットワークの目的を次のように簡単に説明している:

検索で、最も信頼できる情報源から関連する結果を返せるようにする

これはグーグルが進めているアルゴリズムの更新によって、評価者は次のことを確認することになっている:

  • 検索結果が改善されているか
  • それとも改悪されているか

品質評価者の仕事には、たとえば「lead-free garden hose」(鉛を使っていない庭用ホース)というクエリに対する結果をグーグルのアップデートの前に見ておき、それをアップデート後の検索結果と比較する作業があるかもしれない。評価者が答えてくれるのは、次のような疑問だ:

アップデートは、ガイドラインの原則に従ってより良い結果をもたらしただろうか?

グーグルは次のように説明している:

グーグルのシステムがどのくらいうまく「検索結果ですばらしいコンテンツを提供する」ことを実現しているか、それを測定する手助けをしてくれているのが品質評価者

私は評価者について、おいしいと判断するように訓練されたものを求めて検索という泥の中を探る、サギのような鳥の大きな群れと考えたい。では、なぜ私たちは、グーグルが用意するメニューの中身が気になるのだろうか。

それは、グーグルが検索品質をどのように見ているのか、ガイドラインとして事前に教えてくれるからだ。グーグルが優れたレピュテーションと考えるものに関する知見は、ローカルビジネスのオーナーとそのマーケターにとって特に関係が深い。

QRGやレピュテーションに関する、マリー・ヘインズ博士の見解

グーグルのアルゴリズムという沼地を探ることに関して言えば、著述や講演も行っているマリー・ヘインズ博士の仕事は業界内でも特に尊敬を集めており、私も同氏の専門知識を大いに参考にするようになった。

博士は、検索品質評価ガイドラインおよびそこに書かれている専門性・権威性・信頼性(E-A-T)やYMYL(Your Money or Your Life:資産や人生)ビジネスモデルについて幅広く執筆しており、私は特にレピュテーションに対するグーグルのビジョンについて博士が話してくれた考えを重視している:

グーグルの検索品質評価ガイドライン(QRG)は、

  • グーグルのアルゴリズムが何をするかを正確に表現したもの

ではなく、

  • グーグルがアルゴリズムで何を達成しようとしているかを説明したもの

として知られている。

QRGでは、レピュテーションの重要性について複数の箇所で言及している。グーグルは、信頼性の低いウェブサイトを検索結果に表示させたくない。QRGの中で私が最も興味深いと思ったのは、調査するビジネスの性質に応じて、評価者がさまざまな種類のレピュテーション情報を探すよう指示されているという点だ。

QRGの2.6節には、次のように書かれている:

ウェブサイトのレピュテーションは、実際のユーザー体験に加えて、そのウェブサイトのトピックを専門とする人々の意見に基づいている。

YMYLのトピックについて書いている場合、検索結果に表示させるには、その分野の専門家らによって裏付けられた情報が必要になると思う。多くのサイトにとって、E-A-Tを改善するには、次のことから始めるといい:

  1. まずレビューに返信する
  2. 否定的なレビューに対して是正措置を取る
  3. ユーザーがそうした否定的なレビューを書き込むことにつながったビジネス上の問題を修正する

QRGの2.6.1項には次のように書かれている:

YMYLの情報に関するトピックの場合、ウェブサイトまたはコンテンツ作成者のレピュテーションは、その分野の専門家らの見解によって判断する必要がある。専門家団体をはじめとする専門家筋からの推奨は、非常に好意的なレピュテーションを示す強力な証拠となる。

ただし、YMYL以外のトピックににおいても、レピュテーションは重要だ。ガイドラインでは、次のように書かれている(2.6.1項と5.2節):

たとえば、顧客の評価やレビューは、オンラインストアのレピュテーション調査には役立つかもしれないが、医療情報サイトにはあまり役に立たない

ユーモアやレシピなど一部のトピックでは、正式な専門知識があまり含まれていなくても問題ない。これらのトピックでは、人気やユーザーエンゲージメント、ユーザーレビューをレピュテーションの証拠と見なせる。

正式な専門知識があまり必要ないトピックの場合は、そのトピックやコンテンツタイプの人気が高く、広く愛されており、ユーザーを助けることに重点を置いているウェブサイトであれば、好ましいレピュテーションを得ていると見なせる。

つまり、評価者がレピュテーションを判断するにあたっては、次が必要になる:

  • 実際のユーザー
  • 正式な専門知識
  • そうでない専門知識
  • さまざまな独立した情報源

このことを教えてくれたヘインズ博士に感謝したい。

グーグルのガイドラインによると、レピュテーションの是非はどのように決まるのか?

まず、レピュテーションに関して言えば、グーグルが多くのローカルビジネスに設定しているハードルが非常に低いのは興味深い。

QRGの2.6.5項に書かれた次の説明に注意してほしい:

多くの小規模なローカルビジネスやコミュニティ組織は、「ウェブでの存在感」が低く、オンラインレビューではなく口コミに頼っている。こうした小規模なビジネスや組織の場合は、レピュテーションが低いからといって、ページ品質も低いと見なすべきではない。

私がこの引用箇所を興味深いと思うのは、次の3つの理由からだ:

  • Mozの読者には、私がすばらしい口コミや多くの好意的なレビューを獲得することへの投資に真剣なローカルビジネスを強く支持していることをわかってもらえるだろう。どんなに小規模でも、グーグルがどう考えようとも、すべてのローカルビジネスにとってこれは最低限必要なことだ。

  • グーグルはSMB(中小企業)にさほど大変な労力を求めない(WebページのSEOに比べて)。そのため、ローカル検索マーケティングの分野に足を踏み入れようとしている人は、参入しやすいと感じるかもしれない。街で一番になる必要はあるが、世界中を相手にしたグーグルのインデックスに挑むわけではないからだ。

  • 最後に、上述したガイドラインからの引用が有益なのは、グーグルが全体のページ品質に照らしてレピュテーションを概念化する方法を示しているからだ。簡単に言うと、評価者はウェブページを「高品質」と見なすか「低品質」と見なすかを判断できるレピュテーションの証拠を求めて、ウェブ中を探し回っているのだ。

グーグルのガイドラインには、レピュテーションの良し悪しを示す複数の例が挙げられており、そのうち2つだけ紹介する。

  • 悪いレピュテーション

    グーグルは、悪いレピュテーションの例としてジャングルジムを販売するビジネスを挙げている(QRGの2.6.4項の5例目)。理由は次のとおりだ:

    • 不当に高い料金を請求されたとする複数のレビューに加えて、
    • 詐欺を指摘するニュース記事もある
  • 良いレピュテーション

    グーグルは、ウィキペディアや信頼できる情報源からのニュース記事で米国内のトップ4に入る病院に挙げられている医療機関に触れている(QRGの2.6.4項の2例目)。

違いを見分けるのは簡単だ。ローカルビジネスのマーケティングにおける君の仕事は、担当するビジネスがどのカテゴリに該当するかを評価者から見て明白なものにすることだ。

ローカルビジネスのレピュテーションについてグーグルの見解を紹介するこの記事は、前後編の2回に分けてお届けする。後編となる次回は、評価者の目にとまるにはどういった場所で良いレピュテーションを築けばいいかを探る。

→後編を読む

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