ChatGPTなどの生成AIでSEOのコンテンツ制作はどう進化するのか? 今までのワークフローを振り返る(前編)
この記事のテーマは、人工知能(AI)がコンテンツ制作に与える影響について。今回のホワイトボードフライデーを担当するロス・シモンズ氏は、次のように述べている:
AIのすばらしい世界は急速に変化している。ChatGPT 4はこのテクノロジーから得られる成果をさらに良いものにしようとしており、この分野は飛躍を続けている。
AIをマーケティングのワークフローに利用しようとしている人に僕ができる最善のアドバイスは、「時間をかけて計画を立て、進化を受け入れる姿勢が容認されるだけでなく称賛される文化を生み出すこと」だ。未来はそこにある。
この動画では、AIによってコンテンツ制作に関する次の3つが、どう進化していくかについて説明しよう:
- ワークフロー
- プロセス
- コンテンツの作成
AIツールを使って、優れたコンテンツを作成できる確率を高めよう
Mozフレンズのみんな、こんにちは。突然だが、君はロボットに仕事を奪われそうになっているだろうか?
これは現在、多くのマーケターやクリエイターが自問している問題だが、それにはもっともな理由がある。AIの進化が常に報じられて、話題になっているからだ。お気に入りのソーシャルメディアにログインするたびに、新しいAIだの新しいChatGPTだの、大量のニュースを目にしていることだろう。
僕が今日ここにいるのは、ロボットに仕事を奪われるとか、ロボットのせいで失業して路頭に迷うとか思わせて、世界中のマーケターを怖がらせるためではない。今回伝えたいのは、そのようなメッセージではない。
日々コンテンツを制作している組織に対して、AIがすでに大きな影響を与え始めていることに疑いはない。みんなの中には恐れを抱いている人がいるかもしれないし、その気持ちはわかる。実際に、AIをライターに取って代わる存在と見ている組織で働いている人がいるかもしれない。
そうさ、君などすぐにAIに置き換えてしまえる
このように上司から言われることを絶えず恐れている人たちのことを思うと、心が痛む。それは、AIツールが目的とするところではないからだ。
これらのツールは、マーベル映画でたとえるなら、いわばアイアンマンスーツのようなもの。あるいはワカンダ王国の世界で言えば、架空の金属ヴィブラニウムのようなものであり、僕たちを人として高めてくれるという事実を理解するべきだ。
AIは本来、改善するために使えるツールであるべきものだ。
平凡なライターなら、AIツールを使っても平凡なライターのままだろう。より多くの平凡なコンテンツをより早く作れるようになるだけだ。
君が優れたライターであり、優れたクリエイターなら、AIツールを使って優れたコンテンツを作成できる確率を高めて改善できる。それこそがAIツールの魔法なのだ。
では、さっそく見ていこう。
新しいテクノロジーを受け入れる必要がある理由
まず、アイアンマンに登場するハワード・スタークは名言を残した。ハワード・スタークは、主人公トニー・スタークの父親だ。現実の発言ではないし、実在する人物でもないが、彼はこう言った:
私の時代のテクノロジーでは限界があるが、おまえには何か特別なものを実現するチャンスがある。いずれ解決できるだろう
今の時代でも、僕たちが自由に使えるテクノロジーは進化を続けている。クリエイターとして、マーケターとして、テクノロジーを拒否するのではなく受け入れる決断を下さなければ、今あるテクノロジーの限界が僕たちの限界となるだけだ。今回僕が目指すのは、古い作成方法から新しい作成方法へと進化する必要がある理由を示すことであり、それは多くの点でAIのようなツールを活用することに根ざしている。
ここで少し時間を戻してみよう。
1992年、タイプライターのようなものでコンテンツを作っていた頃に戻ってみるのだ。その後コンピュータが登場し、ノートPCが登場した。ここで時間をたとえば2018年に早送りしてみると、今ではコンピュータを使ってコンテンツを作っている。
ほかにも、現代のプリンタがノートPCなどのテクノロジーによって発展を遂げたように、コンテンツをVHSで視聴していた僕たちがDVDやブルーレイ、そして現在のストリーミングサイトに移行したときに進化が起こったのと同じように、テクノロジーは進化を続けている。物事は移り変わり、状況は変化する。それが人生の一部であり、ビジネスの一部であり、テクノロジーの一部だからだ。
現在、僕たちはブログ記事を書いている。どのように書いているかと言えば、次のように呼ばれるプロセスを取り入れている:
- コンテンツ・クリエーション
- コンテンツ・ワークフロー
ワークフローは組織によって異なるし、ワークフローの種類はコンテンツの種類によって異なる。ここではライティングのワークフロー、つまり検索を意図したコンテンツの作成について紹介する。
ライティング1.0時代のワークフロー
まずは「ライティング1.0」、つまり今までのコンテンツづくりのフローを見ていく。
このプロセスは調査から始まる。グーグルで検索する行動の背後にある検索の意図を理解しようとするのだ。オーディエンスはなぜ、特定のキーワードを入力しようとするのか。それを理解する。
そのために、インタビューのようなことをする。顧客と話をして、顧客が抱えている問題やニーズについて知り、その情報を使って作るべきストーリーを考える。ソーシャルメディアを分析するのもいいだろう。FacebookやTwitterが登場したことで、次のように考えるようになった:
なるほど、オーディエンスはこういうことを話しているのか。では、これに関するコンテンツを作るべきかもしれない
つまり僕たちが今やっていることは、次のような流れだ:
- SERPを掘り下げ、
- Mozなどの優れたツールを使ってSERPを理解し、
- 特定のキーワードですでに表示されているコンテンツを把握し、
- その情報をもとに作成するべきストーリーを決める。
調査の次はブレインストーミングだ。君の組織でもやっていることかもしれない。クリエイティブ業界の草創期から、僕たちはブレインストーミングのようなことをするようになった。煮詰まったら、コーヒーやワインを飲みだすかもしれないが、とにかくブレインストーミングをして、次のようなことをひねり出す:
- 新しいアイデア
- 新しいストーリー
- 新しい見出し
- 新しいトピック
- 読者が喜びそうなストーリー
いいアイデアが思いついたら、今度は次の2つをまとめたブリーフ(概要)を書く:
- なぜこのアイデアが共感を呼ぶのか
- なぜこのアイデアが検索結果に表示されるようになるのか
そしたらいよいよ実施した調査に基づいてコンテンツを作成する。これには2~3日かかるだろうか。「業界」や「分野」「企業」によっては1週間かかるかもしれない。こういったブリーフの作成には時間がかかる。
次のステップはドラフト(草稿)だ。ブリーフをもとに、ライターやクリエイターに説明してドラフト(草稿)を作ってもらう。
ライターやクリエイターは仕事にかかって書き上げようとするが、スランプに陥って書けなくなることがある。そんなときはタバコ休憩など、何でもいいが、少し休んでみる。すると、突然ひらめいて、大きな成功を収めて誰もが拍手喝采すると思われる驚くようなアイデアを思いつく。
すばらしい草稿を書き上げ、コンテンツ管理システム(CMS)にアップロードして公開する。そしてSEOチームがSEOに関する作業に取り組み、その後、監査にかかる。
これが1.0のワークフローだ。このワークフローは、おそらく多くの人にとって非常に聞き慣れたものだろう。君の会社で今まさに利用しているプロセスや手順かもしれない。それで問題ない。
しかし、AIを受け入れれば、ワークフローも変化する。より大量のコンテンツをより速いペースで制作できるようになることに、より多くの企業、組織、クリエイター、そして君も気づくことになるだろう。
この記事は、前後編の2回に分けてお届けする。今回は、コンテンツ制作の従来のワークフローについて見てきた。後編となる次回は、AIを活用することでワークフローがどのように進化するかを説明する。
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