Moz - SEOとインバウンドマーケティングの実践情報

SEOは何がどう変わったのか ―― 2021年のノウハウと今を比べてみたら

業界で以前に語られていた「SEOのべし・べからず」は、2025年のSEOではどう変わっているのだろうか? サイラス・シェパード氏と、2021年に語っていたことからの変化を論じてみた

SEOは変化し続けている。検索エンジンもユーザー行動も、変化し続けている。では、業界で以前に語られていた「SEOのべし・べからず」は、2025年のSEOではどう変わっているのだろうか?

過去のホワイトボード・フライデーを振り返るシリーズの第1回として、サイラス・シェパード氏を迎え、大好評を博した同氏の動画「21 Smart Google SEO Tips from 2021(グーグルSEOに関する2021年のスマートなヒント21選)」を改めて見てみる。私たちと一緒に過去を振り返ることで現在を理解し、未来を推測してみよう。

今回議論したトピックは次の3つだ:

  • ファビコンの最適化
  • リンクビルディング
  • 長文コンテンツの未来

変わったものは何だろうか? 変わっていないものは何だろうか?

ファビコンの最適化 ―― なぜ私たちは、ずっと軽視しているのか

ファビコンの最適化は依然として軽視されている。この動画が作成されてから4年になるが、状況は変わっていない。ファビコンを意識するということは、検索結果で君のサイトが表示されている領域をどう活用すべきかに関する好例だ。重要なのは、「これがクリック数に影響を与える」ことだ。

ここで思い出してほしいのだが、君のウェブサイトのファビコンは、君が完全にコントロールできるものであり、ユーザーが何をクリックするかを決める場面で、その印象に影響を与えられるものだ。だから絶対に忘れてはならない。

2021年の時点で、シェパード氏は次のようにアドバイスしていた:

これについて2020年にあまり話題にならなかったことに驚いている。グーグルではモバイルの検索結果でファビコンが表示されるし、コントラストの高さや表示の有無によってクリック率に影響を与える可能性がある。優れたファビコンを使うことで、数ポイントの差が生まれることもある。ごくわずかな差だが、うまくいけば、確かに違いを生み出せる

2025年、同氏は次のように指摘している:

ほとんどのウェブサイトで、ファビコンの最適化は相変わらずまったく不十分だ。

(中略)

これは100%自分でコントロールできるものだが、多くのウェブサイトは無視を決め込んでいる。おかしなものだ。すぐに認識できるファビコンを使っているサイトのほうが、時が経つにつれて徐々にパフォーマンスが向上している

リンクビルディング ―― 好き嫌いは別として

リンクは今でも重要だ。それは変わらない。手法は進化したが、検索エンジンがオーソリティの把握に使う重要なシグナルの1つとして、リンクは今なお価値をもっている。

過去のホワイトボード・フライデー動画で、シェパード氏は次のように打ち明けている:

冗談ではなく、だれもがリンクビルディングを嫌がっている。リンクビルディングはとても難しい。業界には、この作業が大好きで得意とする専門家や優れた人たちもいる。僕個人について言えば、リンクビルディングはあまり得意ではないが、それでも多くのリンクを構築することはできる。

では、どうやって? 同氏は単純に「そのコンテンツを見る人・使う人を、より引き立たせる」ようにすることを勧めている:

次のようなものを作れば、リンクの獲得につながる:

  • だれかの仕事に役立つもの
  • だれかが自慢したくなるもの
  • だれかに共有したくなるもの
  • だれかがプレゼンテーションに盛り込めるデータなどの情報

つまり、「他の人を良く見せる」という観点だ。他の人が盗みたいと思うような優れたコンテンツにしよう。そうすればリンクを獲得できる。それはこれまでと変わらない

作ったコンテンツに対してリンクしてもらうよう他の人に働きかける手法は「アウトリーチ」と呼ぶ。それに対して、人々がリンクしたくなるようなコンテンツを作成する場合、それは「パッシブリンクビルディング」と呼ばれる(英国ではデジタルPRとも呼ばれる)。

シェパード氏は、キャリアの中で積極的なアウトリーチのリンクビルディングを5回ほどやったことがあると言っている。同氏の言う通り、私たちは皆、他の人に盗みたいと思わせるほど優れたコンテンツを作成するべきだ。

リンクビルディングを手作業でやっていて、リンクの配置を特定する必要がある場合も、MozのLink Explorerに含まれるLink Intersectツールが最適な出発点になる。

なぜなら、アウトリーチするなら、「自分に最もリンクしてくれそうなページ」にアウトリーチする必要があるからだ。今でもDMで私にコンテンツを送ってくる人がいるが、確かにそれだけの価値があるなら人々に知ってもらいたいと思うだろうし、それには少し後押しが必要なこともある。

アウトリーチする場合でも、シェパード氏の言う基本に沿って作ったコンテンツならば、自然な流れになるし、うまくいきやすいだろう。

Link Explorerでサイトのリンク機会を見つけるには、Link Intersectのセクション内で以下の手順を参考にするといい:

  1. リンクの機会を見つけたい自分のサイトを入力する。ドロップダウンを使って、ドメイン名(root domain)、サブドメイン(sub domain)、または具体的なページ(exact page)のどの機会を見つけたいかを指定すればいい。

  2. リンク機会を見つけたい相手方サイトとして、ドメイン名と具体的なページのどちらかをドロップダウンメニューで選択する。

  3. 競合他社を入力する。ドロップダウンメニューを使って、ドメイン名、サブドメイン、または具体的なページで指定できる。

  4. 「Add another URL」(別のURLを追加)をクリックすると、競合他社を最大5社指定して比較できる。

  5. 「Find opportunities」(機会を検索)ボタンクリックする。

長文コンテンツの未来

長文コンテンツは、リンクを生成したり注目を集めたりするうえで依然として重要だ。生成AIでもビジビリティが高まることが見込まれるが、オーガニック検索のビジビリティだけを目的とした長文コンテンツは変わりつつある。「AIによる概要」のせいだ。

「AIによる概要」が検索結果に影響を与えているかどうかについて、Mozのトム・カッパーが別のホワイトボード・フライデー動画で取り上げている。

とにかく、

  • 情報を届けて
  • ユーザーの質問にすばやく回答し
  • 専門性を示し
  • 余計なことはせず簡潔に伝える

必要がある。

それによって指標の測定方法などあらゆるものが変化することにもなるが、これは思考の転換だ。具体性の高い内容にしよう。長々と説明してはいけない

今こそ、コンテンツの各種フォーマットを試してみて、コンテンツのスニペット(説明文)の重要性、およびそれがグーグルにどう表示されるかを検討するべきだ。

2021年当時のシェパード氏のアドバイスは、確信に満ちていて、長文コンテンツに投資することを積極的に支持していた。当時のアドバイスは次のようなものだった:

長文コンテンツに投資する必要がある。

ただし、コンテンツの長さが検索順位の決定要因だと言っているわけではない。決定要因ではない。短文コンテンツが上位に表示されることも十分にある。一般にグーグルの検索結果では比較的上位に表示される傾向もある。短文コンテンツを否定するつもりはない。短文コンテンツは大好きだ。

しかし、SEOランキングの潜在性について言えば、一般に長文コンテンツのほうが、費用対効果という点では高い。

しかし、状況は変化している。2021年当時のアドバイスは現在、まさに転換点を迎えている。

パッシブリンクビルディングには依然として有効な手法だが、超具体的な短文コンテンツも試してみよう(それから、上限500ワードという私のジョークは無視してほしい。単にふざけていただけだ)。

2025年、オーガニックトラフィックを求める新規ビジネスに機会はあるか

これらの変化にもかかわらず、シェパード氏と私は前向きな見通しを共有している。私よりも詩人肌のシェパード氏は、英ウェールズの詩人ディラン・トーマスの言葉を引用して、次のように訴えている:

あの快い夜のなかへおとなしく流されてはいけない

まだ機会は残されている! コンテンツを作成し、ページが上位に表示されるようにして、オーガニッククリックが得られる場所で、それを手にしよう。1日のクリック数は60億回にもなるのだから、その中には君の製品やサービスと同じようなものを探している未来の顧客がいるはずだ。

「諦める」ことだけは、絶対にしてほしくないと思っている。

(中略)

上位に表示されるようにして、トラフィックを獲得しよう。「SEOの時代は終わった」という考えにはあまり賛同できないし、それどころか断固として否定する。

君はクリックを集めているあの人たちのようになりたくないのか? これは巨大なビジネスだ。なくなることはない。だから、やめないでほしい!

以上、過去のホワイトボード・フライデーを振り返るシリーズの初回をお届けした。気に入った人は、MozのYouTubeチャンネルにアクセスして、次にインタビューしてほしい人をコメント欄で教えてほしい。では、また次回お会いしよう。

用語集
SEO / URL / アウトリーチ / オーガニック検索 / キャリア / クリック率 / スニペット / ドメイン名 / リンク / リンクビルディング / 検索エンジン
この記事が役に立ったらシェア!
メルマガの登録はこちら Web担当者に役立つ情報をサクッとゲット!

人気記事トップ10(過去7日間)

今日の用語

ストップワード
自然言語を処理するにあたって一般的であるなどの理由で処理対象外とする単語。 ...→用語集へ

インフォメーション

RSSフィード


Web担を応援して支えてくださっている企業さま [各サービス/製品の紹介はこちらから]