自社のエンティティの認識状況を知る方法は?
ひとりで頑張るSEO担当者さんの悩みに答える本連載。今回の質問は「自社のエンティティの認識状況を知る方法は?」です。この回答は「Google トレンド、ナレッジパネル、画像検索で、ある程度のことがわかります」です。
エンティティって意識すべき?
今回の相談内容は、よく耳にする「エンティティ」について、自社の認識状況を意識すべきか、意識すべきだとして、検索エンジンにどのように認識されているかを確認する方法は何か、というものです。今回の質問はペンネーム「igs」さんが寄せてくださいました。いつもありがとうございます。
エンティティとは「人物、場所、組織、事物、概念など、他の事物と区別できる一意性をもった現実世界の物事」のことをいいます。たとえば「大谷翔平」なら、単なる「大谷翔平」という文字列ではなく、ロサンゼルス・ドジャース所属の野球選手で、岩手県出身の日本人、というような実在の人物がエンティティです。
現在のGoogleは物事を単なる文字列ではなく、多様な性質や属性をもったエンティティとして認識していますから、SEOを実施していくにあたっては、その対象となる会社や店舗、ウェブサイトなどがどのようなエンティティとして認識されているか、またどんなふうに認識されているかを意識することは重要です。
そもそもエンティティは認識されているか?
エンティティが認識されているかどうかを確認する主な方法は2種類あり、Google検索を使う方法と、 Google トレンドを使う方法です。Google検索を使う場合は、対象となるエンティティの名前で検索し、ナレッジパネルが表示されればエンティティは認識されています。
検索結果にナレッジパネルが表示されない場合にはGoogle トレンドを使いましょう。Google トレンドの検索ボックスにエンティティ名を入力し、検索候補に「トピック」や「企業」など、「検索キーワード」以外のものが出る場合、エンティティは認識されています。余談ですが、Googleはエンティティのことを「トピック」と言い換えることがよくあります。
図1はGoogle トレンドで「大谷翔平」と入力したときのスクリーンショットです。「検索キーワード」のほかに「野球選手」という候補が現れ、「野球選手の大谷翔平という人物」をGoogleが認識していることがわかります。
どのようなエンティティとして認識されているか?
エンティティがどのように認識されているかを調べる方法も2種類あり、ナレッジパネルの「他の人はこちらも検索」を見る方法と、画像検索を使う方法です。
調べたいエンティティにナレッジパネルが表示される場合、ナレッジパネルの下部に「他の人はこちらも検索」というセクションが表示されることがあります(図2)。そこには、コ・サイテーション(同時に言及されること)によって関係が深いと認識された他のエンティティが並んでいます。
「他の人はこちらも検索」の中にあるどれかのエンティティをクリックすると、さらに多くの関連エンティティが表示されます(図3)。エンティティは他のエンティティとの関係で認識されますので、自社の関連エンティティを知ることで、適切に認識されているかどうかを判断できます。
ナレッジパネルが出ない場合には、画像検索を使いましょう。画像検索すると検索結果の上部に、関連キーワードで絞り込むためのボタンが表示されます。この部分に表示されるのは関連エンティティです。ここに表示される関連エンティティは画像に関連するものだけなので不完全ですが、参考にはなります。
まとめ
エンティティは現在のSEOにとって重要な概念ですが、どのように認識されるかは外部サイトにおけるサイテーションに依存しますので、直接的なコントロールは困難です。いい形で認識されるためには、広報活動を含めた情報発信を積極的に実施することと、顧客や取引先との関係を良好に保つことが重要です。
また参考までに、筆者のサイト上にも、エンティティに関する詳しい説明と、サイテーションに関する詳しい説明がありますので、ご興味があれば参考になさってください。
P.S.
本コーナーでは、読者の質問にお答えしています。誰にも聞けずに困っていること、現場で感じるふとした疑問など、どしどし質問をお寄せください。
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