2019年の「ソーシャル広告費」は4,899億円、ネット広告媒体費全体の29.5%に【電通グループ4社調べ】

「ビデオ広告」がめざましい成長、予約型広告では前年比229.4%と急拡大。

D2C、サイバー・コミュニケーションズ(CCI)、電通、電通デジタルの電通グループ4社は、「2019年 日本の広告費 インターネット広告媒体費 詳細分析」を発表した。電通が3月に発表した「2019年 日本の広告費」のなかから、「インターネット広告媒体費」に焦点を当てて分析・予測を行っている。

「2019年 日本の広告費」によると、日本の2019年の総広告費は6兆9,381億円。そのうち「インターネット広告費」は、前年比119.7%の2兆1,048億円(全体の30.3%)に達し、テレビメディア広告費の1兆8,612億円(全体の26.8%)を初めて抜き去った。「インターネット広告費」から「インターネット広告制作費」と「物販系ECプラットフォーム広告費」を除外した「インターネット広告媒体費」は、前年比114.8%の1兆6,630億円だった。

参考記事:
日本の広告費、インターネット広告費がついにテレビメディア広告費を超える【電通調べ】

インターネット広告媒体費、ビデオ広告がめざましい成長

インターネット広告媒体費を広告種別で見ると、構成比が高いのは「検索連動型広告」40.2%(6,683億円)と「ディスプレイ広告」33.3%(5,544億円)で、この2つで7割超を占める。構成比は19.1%と2割に達しなかったが、「ビデオ(動画)広告」も3,184億円(前年比157.1%)と大きく伸長しており、さらなる成長が期待される。

インターネット広告媒体費の広告種別構成比

取引手法別に見ると、「運用型広告」79.8%(1兆3,267億円)、「予約型広告」13.9%(2,314億円)、「成果報酬型広告」6.3%(1,049億円)。前年との比較では、運用型広告・予約型広告ともに約15%の増加だ。

インターネット広告媒体費の取引手法別構成比

取引手法別×広告種別では、「運用型の検索連動型広告」40.2%(6,683億円)、「運用型のディスプレイ広告」24.2%(4,030億円)、「運用型のビデオ(動画)広告」15.2%(2,520億円)が多勢を占める。成長率では、純広告やタイアップ広告として展開される「予約型のビデオ(動画)広告」が前年比229.4%と急拡大している。

インターネット広告媒体費の取引手法別×広告種別構成比

ソーシャル広告費は4,899億円、インターネット広告媒体費全体の29.5%に

「ソーシャルメディア」(SNS/ブログ/動画共有サイト/電子掲示板など)のサービス上で展開される「ソーシャル広告」は、インターネット広告媒体費においては全体の29.5%を占める。前年比では126.0%の4,899億円で、これも成長著しいジャンルだ。なお、ソーシャルメディアの種類別に「SNS系」「動画共有系」「その他」で分類すると、「SNS系」46.5%(2,280億円)、「動画共有系」23.2%(1,139億円)、「その他」30.2%(1,480億円)だった。

ソーシャル広告構成比推移
ソーシャル広告種類別構成比

2020年のインターネット広告媒体費は、前年比111.0%になると予測

2020年のインターネット広告媒体費は、成長率がやや鈍化するものの、前年比111.0%の1兆8,459億円になると予測。そのうちビデオ(動画)広告については、前年比113.0%の3,597億円に達する見通しだ。

インターネット広告媒体費総額の推移(予測)
ビデオ(動画)広告市場の推移(予測)

調査概要

  • 【調査方法】インターネット広告媒体社等を対象としたアンケート調査(郵送調査/web調査)、追加ヒアリング調査、各種データ収集・分析
  • 【調査主体】D2C、サイバー・コミュニケーションズ(CCI)、電通、電通デジタル
  • 【調査期間】2019年12月~2020年2月
  • 【広告種別の定義】
    • ディスプレイ広告:サイトやアプリ上の広告枠に表示する画像、テキストなどの形式の広告およびタイアップ広告。
    • 検索連動型広告:検索サイトに入力した特定のワードに応じて、検索結果ページに掲載する広告。
    • ビデオ(動画)広告:動画ファイル形式(映像・音声)の広告。
    • 成果報酬型広告:インターネット広告を閲覧したユーザーが、あらかじめ設定されたアクションを行った場合に、メディアや閲覧ユーザーに報酬が支払われる広告。
    • その他のインターネット広告:上記以外のフォーマットのインターネット広告。メール広告、オーディオ(音声)広告など。
  • 【取引手法の定義】
    • 運用型広告:検索連動型広告、およびデジタル・プラットフォーム(ツール)やアドネットワークを通じて入札方式で取引されるもの。
    • 予約型広告:純広告やタイアップ広告として、代理店・メディアレップ経由もしくは直接広告主に販売されるもの、およびデジタル・プラットフォーム(ツール)やアドネットワークを通じて非入札方式(固定価格)で取引されるもの。
    • 成果報酬型広告:インターネット広告を閲覧したユーザーが、あらかじめ設定されたアクションを行った場合に、メディアや閲覧ユーザーに報酬が支払われる広告。
  • 【ソーシャル広告の定義】
    • ユーザーが投稿した情報をコンテンツとし、ユーザー間で共有・交流するサービスを提供するメディア(プラットフォーム)のサービス上で展開される広告。
    • ソーシャルメディア例:SNS/ブログサービス/ミニ(マイクロ)ブログ/動画共有サイト/ソーシャルブックマーク/電子掲示板など。
この記事が役に立ったらシェア!
メルマガの登録はこちら Web担当者に役立つ情報をサクッとゲット!

人気記事トップ10(過去7日間)

今日の用語

ERP
Enterprise Resource Planningの略。「ERP」(企業資 ...→用語集へ

インフォメーション

RSSフィード


Web担を応援して支えてくださっている企業さま [各サービス/製品の紹介はこちらから]