日本企業の「顧客体験価値ランキング」、第1位はコロナ禍でも変わらぬ強さの「ディズニー」【インターブランドジャパン調べ】
インターブランドジャパングループのC Space Japanは、日本における「顧客体験価値(CX)ランキング2020」を発表した。欧米で実施してきた調査を日本でも実施したもので、今年で2回目。
前年17位だった「ディズニー」が大きくジャンプアップして1位に
この調査では、「顧客の気持ちや求めることをよく理解している」ブランド/企業を思い浮かべてもらい、21項目で評価をしてもらい、そこから「CXスコア」を算出している。
その結果、2020年のランキング1位は、前年17位だった「ディズニー」が大きくジャンプアップした。前年26位の「ディズニーランド」も7位にランクインした。第2位は「くら寿司」が昨年の圏外よりランクイン。第3位は、前年13位の「オーケー」がランクインした。
上位20位のうち9ブランド(ディズニー、オーケー、JAL、任天堂、サントリー、ファンケル、ANA、じゃらん、味の素)は、前年に続くランクインとなっている。これら9ブランドは、昨年とのスコア差が±1.00以内で、コロナ禍を受けても高い顧客体験価値を維持したことがわかる。一方、昨年の圏外からライクインした5ブランド(くら寿司、ヨドバシカメラ、阪急百貨店、星野リゾート、マクドナルド)については、逆に、コロナ禍を受けての対応が体験価値を押し上げたと考えられる。
若年層はエンタメ、高齢者層は旅行など、評価した企業に年齢差
年齢別で見ると、若年層は「娯楽・ゲーム・エンターテインメント」業種が上位で、年齢とともに「食品」「日用品/雑貨販売店」などが増え、30~50代は「旅行・交通」などのブランドがランクインした。幅広く3年代区分でランクインしたのは、「ディズニーランド」「ユニクロ」「JAL」「ANA」の4ブランドだった。
ディズニーは10代~30代の支持が特に多く、40代では2位ながら、50代・60代ではトップ10にランクインしていない。評価理由では「ユーザーが楽しめるように追及をやめない」「カスタマーファースト」、さらには「(コロナ禍での)ごみ箱の工夫」など、実際に訪問したファンによる具体的な体験価値が、ランクを押し上げたと思われる。このあたりは、くら寿司、オーケー、さらにはランキング4位のヨドバシカメラ、5位のコメダ珈琲店も同様だ。
業種別では「食品・飲料メーカー」が手堅く1位ながら、コロナ対応で順位の変動も
業種別にCXスコアを見ると、前年同様「食品・飲料メーカー」が1位。以下、「日用品販売」「旅行・交通」が上位となった。一方で4位の「飲食店・ファストフード・カフェ・持ち帰り」は9位から大きくランクアップしており、コロナ対応をいち早く行ったブランドの躍進が、全体の評価を牽引した。
調査概要
- 【CXスコアの算出方法】一般消費者に「顧客の気持ちや求めることをよく理解している」ブランド/企業を思い浮かべてもらい、そのブランドについて「顧客が求める体験価値の5要素」を具体的な項目に分解した21項目を評価した。
同様に「顧客の気持ちや求めることをあまり理解していない」ブランド/企業を思い浮かべてもらい、そのブランドについても21項目を評価した。2020年は12人以上から想起されたブランドのみをランキングの対象とした。
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