2021年度の新入社員、就職活動「大変だった」84.0%。氷河期を超えて過去最高に【産能大調べ】
産業能率大学(総合研究所)は、2021年度「新入社員の会社生活調査」の結果を発表した。1990年度から継続して実施しており今年で32回目。今回は、2021年に入社した新入社員144人に、就職活動、働く意欲や新社会人としての意識、将来の目標などについてアンケートを行っている。
前年よりは落ち着くも、テレワークや時差出勤を希望する新入社員が多め
まず今年度の新入社員に「就職活動の状況」について聞くと、「かなり大変だった」32.6%、「思ったより大変だった」51.4%で、計84.0%が「大変だった」と回答している。これは過去最高だった就職氷河期の1995年度(77%)を超える数値となっている。
その背景には、コロナ禍による「説明会などの中止や延期」55%、「他の学生の動向が不明」51%、「オンライン面接では社風が掴めない」47%といった事情があるようだ。一方で、「面接はオンラインより対面がいい」という意見は63%で半数を超えており、ままならない就職活動へのいらだちが感じられる。
「コロナ禍で、入社後にもっとも不安や不満を感じること」では、「感染リスクから通勤電車が怖い」38%が最多だが、それに次いで「OJTなどの教育が受けられず仕事を覚えるのに時間がかかる」16%、「採用人数が減ったことで、業務の負担が大きくなる」15.3%、「上司や先輩から飲みに誘ってもらえない」15.3%がほぼ横並びであがっている。
三密を回避しコロナ感染のリスクを下げるため、新入社員でもテレワークを希望する人が多く、全体では78.4%に達していた。「時間を有効に使えるから」「自分のペースで仕事できるから」といった理由をあげる新入社員も多かった。ただこの数値自体は前年(84.9%)からは減少している。
なお、「将来のキャリア」については、「(役職に就かない)エキスパート志向」が過去最高の54.2%となり、「管理職志向」36.6%を大きく上回った。また「最終的に目標とする役職・地位」については、「関心がない」が16年ぶりに51%と半数を超えた。
調査概要
- 【調査対象】同大学開催の新入社員セミナー(対面型)受講者
- 【調査方法】書面アンケートによる回答肢選択方式
- 【調査期間】2021年3月29日~4月9日
- 【有効回答数】144人(男性70人、女性74人)
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