いつの間に「暗黙のルール」が誕生? 12種類の「職場オバケ」の傾向とは【NEWONE調べ】

変化に対する抵抗がある課題が複数組み合わさると“不文律(暗黙のルール)”が生まれる。

NEWONEは、「組織における不文律(暗黙のルール)」に関する調査結果を発表した。同社の課題解決サポートツール『職場のオバケ探し』を利用している10代~50代会社員523人が回答している。

『職場のオバケ探し』は、組織やチームに潜んでいる“目には見えない課題”“課題を抱えた人物”を「職場のオバケ」に見立て、チームメンバーで探索し、退治方法(=課題の解決策)などについて対話を重ねるためのツール。12種類の組織の課題が設定されている。

組織の課題(職場のオバケ)12種類:こうした課題があるとどうなるか
  1. ルール優先オバケ:モチベーションが下がりやすい
  2. 職場内二極化オバケ:チームの一体感がなくなる
  3. 言い出しっぺ負けオバケ:アイデアを提言しにくくなる
  4. 曖昧キャリアオバケ:なりたい自分が意識できない
  5. 褒め不足オバケ:自己肯定感が下がる
  6. 仲良しサークルオバケ:現状維持になりやすい
  7. 個人プレイヤーオバケ:部署に対する貢献意欲が下がる
  8. 部分最適化オバケ:同じような業務が増える
  9. 良かれと思ったオバケ:疲弊感と諦め感が高くなる
  10. ストレッチ過多オバケ:高い目標や方針に上位層への不満が出る
  11. マンネリ満足オバケ:改善や改革などの新しい取り組みが起こりにくい
  12. 上意下達オバケ:メンバーが受け身になり、やりがいが感じづらくなる

複数課題の負の相乗効果が“不文律(暗黙のルール)”を生み出す

まず12種の課題について「出現率」を見ると、もっとも多かったのは「個人プレイヤー」79.2%で、「曖昧キャリア」72.8%がそれに続いた。一方もっとも少ないのは「職場内二極化」53.2%だった。リモートワークの普及、業務の属人化、他者に頼りにくい状況など拡大しており、部署への支援の低下などモチベーション低下が課題となっていることが推察される。

また「課題同士の相関性」を見ると、「マンネリ満足×上意下達」の相関が0.45と他に比べて特に高かった。マンネリ満足と上意下達が共存すると、上位層の考えに無批判で従うケースが増えると考えられる。そのほかでは「良かれと思った×ストレッチ過多」だと、組織方針や顧客要望を過剰に受け入れ、チームが疲弊していく構図が生まれるだろう。

基本的に、変化に対する抵抗がある課題が複数組み合わさって負の効果が発生し、改善・改革が起こりにくくなり“不文律(暗黙のルール)”が生まれると考えられる。

「年代別の課題の出現率」を見ると、少ない年代は「20~24歳」、多い年代は「45~49歳・50歳以上」だった。20~24歳の若年層は、上司以外の関係者との接点が比較的少なく、また視野や経験も不十分のため、課題確認が少ないと思われる。ただしこの世代は「良かれと思った」の出現率が高く、自分の許容範囲を見誤り非現実的な量や内容の要件を受け入れてしまう可能性が考えられる。

さらに「職種別の課題の出現率」を見ると、サービス職・営業職・事務職では「個人プレイヤー」が多く、専門・技術職では「曖昧キャリア」が多かった。専門・技術職はキャリアの選択肢を広げることが難しく、「専門性をさらに高める」以外の道を考えにくいことが要因の1つとして考えられる。

調査概要

  • 【調査対象】10代~50代の会社員
  • 【調査方法】『職場のオバケ探し』の診断結果を属性別に集計・比較
  • 【調査時期】2024年9月~12月
  • 【有効回答数】523人
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