国内DMPの一覧と比較 ~DMPの実際の画面と使い方~
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[転載元]国内DMPの一覧と比較 ~DMPの実際の画面と使い方~|DML
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※本ページの記事は[転載元]からの抜粋です
DMPプレーヤーのポジション比較
国内DMPの情報を株式会社PLAN-B様より、ご提供いただきましたので紹介します。この表はDMPを「インプット(データソース)」と「アウトプット(利用目的)」の2軸で分類したものです。
DMPの仕組みと特徴では、オープンDMP/プライベートDMPという分け方をしていましたが、オープンDMPのインプットはサードパーティデータが中心なので、右の象限になります。
プライベートDMPは、サードパーティデータもインプットできますが、特徴は自社が保有するデータのマーケティングデータの集約・セグメント化なので、左の象限に位置づけられます。
株式会社PLAN-Bは、「Juicer」という無料で利用できるDMPを提供してます(本ページで機能を解説しています)。
DMPの「導入社数」「価格」「特徴」「連携ツール」を比較
CRM・Webサイト系DMP
表を見る: アウトプットがCRM・Webサイト方向のDMP比較
広告系DMP
DMPの機能と使い方『Juicer』 ※提供会社:株式会社PLAN-B
総評
インプットは3rdPartyデータ中心、アウトプットがCRM系(サイト改善目的)という、珍しいポジション取りのDMPです。
無料のDMPでありながら、UIは他DMPや一般的なWebツールと比較しても秀逸。
初心者向けの機能がメインで、プロには物足りないと思う部分がありますが、「動線分析」というレポートが光っている。
「動線分析」は、直帰率、離脱率などのサイト内動線以外に、サイトにアクセスする以前の15分間の行動が分かる。
ダッシュボード
Juicerの各レポートが一覧で見れるダッシュボードです。
Juicerは無料で利用できるDMPです。Google Analyticsのアカウントと連携させることで利用でき、一般のアクセス解析ソフトにはない、サイト訪問者のオーディエンス情報を取り入れた複数のレポートが出力できます。
DMPと聞くと、広告配信やCRMといったイメージが強いですが、このDMPは“Webサイト改善に特化している”ところが特徴です。
ユーザー分析
サイト訪問者の人物像(ペルソナ)を表示するレポートです。以下のような情報が閲覧できます(あくまでイメージ)。
「性別」「年齢」「学歴」「年収」「職業」「血液型」「交際」「性格」「服」「バッグ」「靴・シューズ」「雑誌」「デジタルライフ」
「服」や「バッグ」などのボタンをクリックすると、Google画像検索が開くため、より人物像がイメージしやすくなります。
ニーズ分析
検索キーワードのレポート。「 サイトに訪問したユーザーが利用した検索キーワード」「指定ワードの検索順位の推移」「指定ワードと同時に検索されるワード」のレポートです。
「どのワードから、どのくらいのアクセスがあるか」といった定量的にデータを見る目的には向きませんが、コンテンツ企画やSEO対策、検索ワードの順位を時系列で見たい時に活用できます。
ドラッグ&ドロップで簡単にキーワードを統合できる機能は、表記ゆれによる検索数の分散を解決してくれるので、重宝します。
※2015年8月18日に実施されたYahoo!検索のセキュリティ強化により、サイトを訪れたユーザーの検索キーワードの取得が困難になりました。現在は最終の取得結果が表示されています。
動線分析
コンバージョンまでのパスを分析するレポート。ページの直帰率が表示されており、高い数値のページは「改善アドバイス」が表示されます。
また、視覚的に分かりやすく、スクロールする際の表示もポップで見ていて楽しいレポートです。
注目するところは、ランディングページの手前が、リファラーではなく、「サイト訪問直前に見ていたサイト」だということ。一般的なアクセス解析ソフトでは1つ前のページ(リファラー)しか追えません。
これにより、サイトに訪問するユーザー像のイメージがより具体的にイメージできる他、ディスプレイ広告を出稿しているのであれば、面をターゲティングしたり、ユーザーと親和性の高いコンテンツを考えたりなどの活用が考えられます。ただし、定量的なレポートではないので、広告配信ターゲットとしての利用判断は難しいところです。
現在のJuicerのレポートの中では、最も施策に繋がるイメージが持てるレポートです。
DMPの実際の画面『Pandora』 ※提供会社:株式会社オムニバス
総評
オンラインアトリビューション分析、オーディエンスデータ利用(分析/ターゲティング)、ペルソナ分析、アクセス解析、CRM(売上管理)などの、1stPartyデータと3rdPartyデータを組み合わせた多彩なレポートが特長です。「プライベートDMPの機能を全て搭載」というイメージ。どちらかと言うとプロ向け。
著者もいくつかレポートの要望を出していますが、クライアントの要望に合わせて開発し、パッケージとしてリリースを繰り返すことで、どんどん機能が強化される(育てていく)DMPだと思います。
オムニバスの担当者に確認したところ、今後は、「アプリデータ」「ソーシャルデータ」「オープンデータ(株価情報など)」とも、連携していくとのことでした。
オンラインアトリビューション分析
ID毎にタッチングポイント(広告接触)を100まで遡及して集計・分析を行うことが可能です。10種類のアトリビューション分析モデルでスコアリングできます。
中でも「MIWモデル」というアトリビューションモデルは、メディア×フリークエンシーごとのウェイト値を設定できる自動アトリビューションモデルです。
各接触メディアごとや、メディアを任意のグループでまとめた、メディアグループ単位でアトリビューションスコアを自動算出します。
排他メディアも設定でき、例えば、リワード広告に触れてコンバージョンした場合、そのユーザーが他のメディアに接触していたとしても、「そのコンバージョンは、“インセンティブが発生する”リワード広告によってのみ引き起こされた」として、他メディアのスコアを0にするようなカスタマイズもできます。これは、ブースト広告などによって、他メディアのコンバージョンが実際のスコアよりも引き上げられることを防ぐための機能です。
オーディエンスデータ利用(lookalike分析、ターゲティング)
約8億cookie(カテゴリ数:約250)のデモグラデータ、サイコグラフィックデータを搭載。「○○ページに訪問したユーザーはどんな属性のユーザーなのか?」を管理画面上からリアルタイムで確認することができます。接続している配信プラットフォームからターゲティング配信を行うことも可能です。
ペルソナ分析
lookalike分析を複数の軸に切り分けた多面分析がペルソナ分析です。管理画面上から分析結果の確認が可能です。
デフォルトタブでは、「生活」「趣味」「娯楽」などに設定されており、追加・カスタマイズすることも可能。見たい切り口で訪問ユーザーや広告接触ユーザーの傾向を見ることができます。
アクセス解析
「PV」「セッション」「UU」「リファラー」「滞在時間」「直帰率」「検索ワード」など、一般的なアクセス解析ソフトで参照できる指標をレポーティングします。
広告配信データや、気象データなどのオープンデータなどと合わせて見ると面白いと思います。ディスプレイ広告のインプレッションは、(ビュースルーサーチによって)サイトアクセス数に影響を与えることも多いので、合わせて見る場合もあります。
アクセス解析ソフトを使わずに、1つのツールで、見たいデータを1度に確認できるのは便利です。
CRM(売上管理)
CRM機能の一部として売上管理機能を搭載。クライアントの顧客DBとデータ連携を行い、当月売上における新規/既存顧客の比率や受注件数、売上数量などを参照できます。
平均単価や受注率などの計算指標も、カスタマイズによって追加できます。
本記事の内容含む、デジタルマーケティングラボの内容をまとめた本を書きました。
『アドテクノロジーの教科書』 概要・目次はこちら
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■デジタルマーケティングラボ(DML)■
http://dmlab.jp/
[運営者]広瀬信輔(株式会社マクロミル/株式会社イノ・コード 所属)
[著 書]『アドテクノロジーの教科書』
[元記事]国内DMPの一覧と比較 ~DMPの実際の画面と使い方~
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