自社サイトで成約、購入などコンバージョンしたユーザーの流入経路はどのように評価していますか?
Googleアナリティクスのレポート画面では、これまで(2022年1月頃まで)特に設定変更等をしなければ、流入経路別のコンバージョン数はラストクリックと呼ばれるモデルで集計がされていました。
ユーザーが最後に利用した流入経路にコンバージョンが割り当てられ、その数値が集計されているのです。
Googleアナリティクスでは、アトリビューション設定を使うことでコンバージョンに至るまでの様々な流入経路に割り当て、集計することが可能です。
その中でも新しいGAであるGoogle アナリティクス4プロパティ(以下、GA4)では、機械学習を用いて流入経路にコンバージョンを割り当て、モデルを作成することが可能になりました。
広告などの目的は認知から獲得まで様々ですが、これによって直接的な刈り取り施策以外も評価可能になりました。本記事ではそのデータドリブンアトリビューションモデルについて説明します。
1. アトリビューション・アトリビューションモデルとは
そもそもアトリビューションとは、コンバージョンへの貢献度のことです。
計測しているサイトへの訪問を軸に、どの経路で来訪したのか、チャネルグループや参照元、メディアなどをグルーピングし、その貢献度を調べるために利用します。
1-1. これまでのアトリビューションモデル
Googleアナリティクスでは7つのアトリビューションモデルがあり、それぞれのモデルに従って貢献度を割り振ることによって流入元の評価をします。
7つのモデルは以下にまとめてあります。
さらに、上記の7つのモデルに加え、カスタムモデルという、自身で貢献度の分配を自由に決める「カスタムモデル」もあります。
アトリビューションについての解説は以下の弊社コラムもご確認ください。
2. クロスチャネルデータドリブンアトリビューションとは
この7つのモデルに加えて登場したのが、クロスチャネルデータドリブンアトリビューションモデルとなります。
これにはGoogleの機械学習の技術が用いられています。
これまでのモデルは予め用意されていたモデルによって貢献度を評価していましたが、データドリブンモデルは、蓄積されたデータからモデルそのものを作成します。
これにより、どのチャネル、タッチポイントがコンバージョンに影響を与えたのか、より実態に近い内容で把握することが可能になりました。
2-1. データドリブンアトリビューションの仕組み
データドリブンモデルは、まず利用可能なすべての経路データを分析し、コンバージョンの可能性(発生確率)のカスタムモデルを作成し、次に得られた可能性データセットに高度なアルゴリズムを適用し、各マーケティング接点にコンバージョンの価値の一部を関連付けます。
2-2. データドリブンアトリビューションの利用要件
2022年1月26日(またはそれ以降)に、アトリビューション設定がデータドリブン アトリビューション モデルに自動アップグレードされ、「ラストクリック」から「クロスチャネルデータドリブン」に変更されました。
ただし、これは設定で変更が可能となります。
※機械学習の特性上、統計元のデータが少ないとその結果の確からしさも高まりません。
データがアカウント単位で 30 日以内に 600 回以上のコンバージョンを獲得する必要があるなど、一定の基準を下回るとデータドリブンアトリビューション自体が利用できなくなります。
詳細は以下のヘルプ「アトリビューションについて」の「データドリブン アトリビューションの要件」「データドリブン アトリビューションの利用条件」をご確認ください。
2-3. GA4でデータドリブンアトリビューションを利用する方法
では、これを利用する方法について見てみましょう。
まず、使用できるレポートは2種類あります。
①モデル比較レポート/コンバージョン経路レポート
広告 > アトリビューション の2つのレポートはモデルのひとつとしてデータドリブンモデルを選択して利用することが可能です。
▼モデル比較レポート
▼コンバージョン経路レポート
②標準レポート
標準レポートでチャネル等の流入経路の内訳に適用されるものです。
これは 管理 > アトリビューション の設定から自由に設定を変更することができます。
2-4. GA4での実際のデータの変化
標準レポート(ここでは探索レポート)での実際の変化を見てみましょう。
管理 > アトリビューション から「クロスチャネルデータドリブン」と「ファーストラストクリック」を設定し、値が変化するかをみました。
弊社のテストサイトではコンバージョン総数は変わりませんが、内訳が変わっていることがわかります。(データドリブンでは小数点第二位まで表示されます)
まとめ
ユーザー行動はますます多様化している中で、アトリビューションの仕組みとクロスチャネルデータドリブンアトリビューションモデルを理解することで、より実態に合わせたコンバージョンの集計をすることが可能になりました。
各流入獲得施策の評価を適切にするために、施策の目的に応じてどのように集計を行うかを検討し利用していきましょう。
データソリューションコンサルタント
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