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(3)予算最適配分のシミュレーション
今回は予算最適配分シミュレーションについてです。
この予算最適配分シミュレーションは、特に経営にとって重要なポイントになります。
又、施策ごとの各担当にとっては、自分の仕事の予算に影響する事になるので、非常に気になるものになるでしょう。
このケースの場合は、テレビとネットの最適配分をシミュレーションしたものです。
既に「テレビは効果がないのでは?」と言う意見も出ている時の事でしたが、実際にはテレビは必要で、「テレビ0%:ネット100%」(折れ線グラフの一番右)にすると、途端に売上が激減するのがグラフから明らかです。
つまり「テレビかネットか」という事ではなく、「テレビとネットで、どう予算を配分するべきか」という観点が重要になります。
このシミュレーションにより、次回の予算配分を、従来の「昨年までの配分をベースに考える」といった慣習的なものから「施策の効果ベースに考える」という根拠あるものにシフトする事が出来ます。
ただし注意してほしいのは、“これは一つのキャンペーン結果でしかない”という事です。
業界によってノーム値があるというわけでもなく、あくまで各企業がこういった解析やシミュレーションを積み重ねる事で、その企業なりの“係数や解の精度“が上がっていくのだと思います。
あくまで解析結果は参考数値。絶対視はせず、当然マーケッターや経営者のこれまの経験による考察要素も含めて、総合的な判断をしていく事が重要と考えます。
更には分析以前に、「企業のマーケティングコミュニケーション活動が、世の中の動向とマッチしているか?」という視点も重要です。
最近のある調査によると、「生活者のメディア接触時間におけるデジタルのシェアが、初の過半数を超えた」ようですね。
貴社のマーケティングコミュニケーション活動は、生活者の変化にきちんとついていけていますか?
さて、次回は、基本編の最終章「データ分析における企業の目指すべき方向とは?」です。
どのレベルにどんなステップを進めばよいのか?といいたお話をしたいと思います。お楽しみに。
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連載記事一覧
データ分析は、マーケッター視点で
第1回 デジタル&データの潮流① - ビジネス変革:デジタル・イノベーターの台頭
第2回 デジタル&データの潮流②
- データの多様化:接点の実績が全てデータ化されていく
第5回 顧客分析のポイント③ - 商品ファンから企業ファンへ
第6回 コミュニケーション設計① - コミュニケーションの全体設計
第7回 コミュニケーション設計② - コミュニケーション分析
第8回 コミュニケーション設計③ - マーケッターとサイエンティストの連携
第9回 施策効果① - MMM(マーケティング・ミックス・モデル)
【筆者紹介】
山崎 浩人
広告会社でマス広告、コールセンターでCRMを手がけ、携帯事業者でキャリアレップCEO、電通・CCI出資のクロスメディア事業CEOを勤めた。
その後、外資広告社で企業のブランド戦略やグローバル戦略を支援。現在も戦略系コンサルを担う。
・2012年 日本広告主協会Web広告研究会「Web人 of the year」受賞
・講演例:「反グローバリズム時代の企業成長とブランド理念」
https://www.is-assoc.co.jp/seminar20160120/
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