韓国発のファッションECサイト「nugu」を運営するmediquitousは6月2日、韓国の現代(ヒュンダイ)百貨店から約30億円の戦略的投資を受けたと発表した。
今回の出資は、現代百貨店が2023年から推進する韓国コンテンツの日本展開事業「THE HYUNDAI GLOBAL」の戦略的拡大の一環。2024年5月に「渋谷PARCO」で実施したポップアップストア「THE HYUNDAI GLOBAL with nugu」では、「nugu」が現地の運営・マーケティングを統括。12ブランドが出店し、売上3億円以上を記録したという。
この成功を受け、現代百貨店は「nugu」内に韓国ファッション専門店「THE HYUNDAI GLOBAL」を開設する予定。2025年下半期以降は日本主要都市におけるオフライン販売網の拡大、大型フラッグシップストア展開も計画しているという。
mediquitousは今回の投資を皮切りに、「nugu」の日本国内での事業展開をさらに加速させる。東京・大阪など主要都市の百貨店で複数回にわたってポップアップストアを成功させてきた実績を生かし、今後は常設店舗を展開する。組織体制の強化と人材採用も積極的に進めていく。日本市場における韓国ブランドへの関心が急上昇していることを背景に、事業拡大を進める。
また、日本ブランドの韓国進出も積極的に支援する方針。オンライン・オフライン両面で日本と韓国間のクロスボーダー流通ハブとしての役割を強化する。日本ブランドの「nugu」への出店、さらには「THE HYUNDAI SEOUL(ザ・ヒュンダイソウル)」でのポップアップストア展開も見据えた事業を構築。2026年には本事業の本格的な拡大に向け、専門組織の設置や事業体制の強化を予定しているという。
「nugu」とは?
mediquitousは2020年にZ世代をターゲットにしたファッションECサイト「nugu」を日本でスタート。累計会員数は150万人超、2024年のGMV(流通総額)は70億円を達成した。東京・新宿と大阪に実店舗も運営している。
「nugu」の特長はインフルエンサーが選んだアイテムの販売。「nugu」内にインフルエンサーがショップを出店し、自身がセレクトした商品を自身がPR、購入された商品は「nugu」が顧客に発送し、インフルエンサーは報酬を受け取るビジネスモデルを採用している。mediquitousは売上高1000億円を目標に掲げており、2025年1月には日本のファッションEC「SHOPLIST」を買収、規模拡大を加速させている。
「現代百貨店」とは?
mediquitousに出資した現代(ヒュンダイ)百貨店グループは、1971年設立の韓国の総合流通・ライフスタイル企業。韓国内に24店舗の百貨店を運営するほか、ファッション、食品、デジタル、建設など多岐にわたる事業を展開している。2023年末時点の売上規模は約26兆ウォン。
今回の投資は、現代百貨店グループにとって過去最大規模のCVC(コーポレート・ベンチャー・キャピタル)による投資になるという。
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オリジナル記事:2024年のGMV(流通総額)70億円、累計会員数150万人超、「SHOPLIST」買収のファッションEC「nugu」が現代百貨店から30億円を調達
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