1つの点を通り、2 つの円と接する円は、一般には以下のように4 つの解がある。作図手順としては一つの手順で 2 つの解の円がセットで作図できるので、それを 2種類行うことになる。
・1つの点を通り、2 つの円と接する円の作図(110手順)
条件:与円C1, C2(円の中心点C1, C2は既知とする)、両円の外側にある点Aが与えられている(赤表示)
解の数:一般解は 4つ
1 セット目(二つの解)の作図手順:(55手順)
①円C1, C2の共通外接線を一つ引き、各円との接点をそれぞれT1, T2とする(11)
(「基本作図パターン集」ページの「2 円の共通外接線を引く」を参照のこと)
②円C1, C2の中心を結ぶ直線を描き、①で作図した接線との交点をOとする
③点O, Aを通る直線を引き、直線 l とする
④3点A, T1, T2を通る円C3を描く(PPPの作図ページを参照)(9)
⑤円C3と直線 l との交点をBとする(0)
⑥円C3と円C1との交点をDとする(0)
⑦T1とDを結ぶ直線を描き、直線 l と交わる点をMとする
⑧Mから円C1に二つの接線を引き、接点をそれぞれP1, P2とする(14)
(「基本作図パターン集」ページの「円外の点から円に接線を引く」を参照のこと)
⑨3点A, B, P1を通る円を描く、それが求める円の一つ目の円C4(9)
⑩3点A, B, P2を通る円を描く、それが求める円の二つ目の円C5(9)
これで、与両円に外接する円C4、与両円に内側に接する円C5 が描けた。
※つまりCCP問題をCPP問題に変換して解いているのだ
解説:1.3点A, B, P1を通る円C4が、点P1で円C1に接していることについて
円C1において、方べきの定理からMD・MT1=MP1^2
円C3において、方べきの定理からMA・MB=MD・MT1
これより、円C4において、MA・MB=MP1^2となるので、方べきの定理の逆で、MP1は円C4への接線であり、P1は円C4との接点であると言える
2.円C4が点Q1(下図①)で円C2に接することについて
①3点A, B, P1を通る求めた円C4と与円C2の交点が一つ点Q1で接しているものと仮定する
②2点P1, Q1を通る直線を引き、円C1との(P1以外の)交点をR1とする
③直線P1Q1と直線C1C2の延長との交点をO'とする
④点OとO'が同一点である、なぜなら
△C4P1Q1が二等辺三角形(緑色部分)なので、∠C1R1O'=∠C2Q1O
つまりC1R1とC2Q1は平行
よってO'C1:O'C2=C1R1:C2Q1=OC1:OC2
でOとO'は一致し、OA・OB=OP1・OQ1・・・式1
⑤円C4は円C2とQ1で接する、なせなら
円C4が円C2に接していないと仮定し、直線P1Oと円C4との交点をQ1'とすると、
OA・OB=OP1・OQ1'・・・式2
3.3 点A, B, P2を通る円C5が、点P2で円C1に接していること
上図で①のP1の部分をP2に、円C4を円C5に置き換えるだけで同じこと
4.円C5が点Q2(下図①)で円C2に接すること
①3点A, B, P2を通る求めた円C5と与円C2の交点が一つ点Q2で接しているものと仮定する
②2点P2, Q2を通る直線を引き、円C1との(P2以外の)交点をR2とする
③直線P2Q2と直線C1C2の延長との交点をO'とする
④点OとO'が同一点である、なぜなら
△C5P2Q2が二等辺三角形(緑色部分)なので、∠C1R2O'=∠C2Q2O
つまりC1R2とC2Q2は平行
よってO'C1:O'C2=C1R2:C2Q2=OC1:OC2
でOとO'は一致し、OA・OB=OP2・OQ2・・・式1
⑤円C5は円C2とQ2で接する、なせなら
円C4が円C2に接していないと仮定し、直線P2Oと円C5との交点をQ2'とすると、
OA・OB=OP2・OQ2'・・・式2
2 セット目(二つの解)の作図手順:(55手順)
方針:
1 セット目の手順では最初に与2 円の共通外接線を引いたが、こちらでは、それを共通内接線に変える。つまり下図①のような接線でなく、②のような接線にするだけで、あとの手順は全て同じでよいが、対応図は変ってくるので、手順と共にそちらも記載しておく。
作図手順
①円C1,C2の共通内接線を一つ引き、各円との接点をそれぞれT1, T2とする(11)
(「基本作図パターン集」ページの「2 円の共通内接線を引く」を参照のこと)
②円C1, C2の中心を結ぶ直線を描き、①で作図した接線との交点をOとする
③点O, Aを通る直線を引き、直線 l とする
④3点A, T1, T2を通る円C3を描く(PPPの作図ページを参照)(9)
⑤円C3と直線 l との交点をBとする(0)
⑥円C3と円C1との交点をDとする(0)
⑦T1とDを結ぶ直線を描き、直線 l と交わる点をMとする
⑧Mから円C1に二つの接線を引き、接点をそれぞれP1, P2とする(14)
⑨3点A, B, P1を通る円を描く、それが求める円の一つ目の円C4(9)
⑩3点A, B, P2を通る円を描く、それが求める円の二つ目の円C5(9)
これで、片方の与円に外接し、もう一方の与円に内接する、円C4と円C5 が描けた。