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PageRankの仕組みと、元々の公式にあったかもしれない「漏れ」という欠陥

Randからの前書き:僕の祖父、Si Fishkinは、いろんな業界イベントに出てレポートを書いたり、プレミアムQ&Aやコンサルティングに手を貸してくれたりしていたけど、SEOmozのブログに投稿するのは実は初めてなんだ。Siは、感謝祭の休暇を町で過ごしている間にブログ投稿の時間を割いてくれた。どうか暖かく迎えてくれ!

◇◇◇

先週Randが投稿したビデオと図は、誤解を招く内容だったかもしれない。PageRankをもっと明確にするために、Randに協力してもらってPageRankを簡潔に示す図を作成した。

まず、PageRankの簡単な概略から。

PageRank図解1
PageRankの公式では、ウェブ上にあるすべてのページにこれらの属性を与えている。

もっと知りたい人のために、オリジナルのPageRankの公式を解説した文書を示しておこう。私は、イアン・ロジャースによるPageRankの解説も気に入っているのでリンクしておく。

では次に、ウェブページがPageRankを得る仕組みを解説したい。

PageRankの流れ2
ページにはわずかながら「生来的な」PageRankが与えられる。
PageRankの流れ2
その後、ページは自分へのリンクからPageRankを獲得していく。

次に、ページがPageRankを渡す能力について。

PageRankの流れ3
ページが渡せるPageRankの量は、そのページにおけるPageRankを元に、ある計算で導き出した量だ。

PageRankをもっと深く知るために、簡単なものから複雑なものへ、いくつか例を見てみよう。

PageRankの流れ4
この例では、1つのリンクを持つページAがページBにPageRankを渡している。f(x)という表記は、受け渡せるPageRankの量が、ページAのPageRank(つまりX)を、ある計算で導き出した結果だということを示している。
PageRankの流れ4
ページAがページBとページCにリンクしている場合、ページAは1つのページにリンクしていた場合に受け渡せるPageRankの量の半分ずつを、それぞれに受け渡す。

元のPageRankの公式では、リンクの重みはページのリンク数で均等に分けられる。現在ではこれは正しい解釈ではないが、本来の意図を理解するのに便利だ。次はもっと複雑な例、PageRankがリンクし合っているページの間で行き来しているケースを見てみよう。

AがBとCにリンクしていて、さらにBからAへリンクが戻っている(相互リンクが成立している)場合、どうなるか?
相互リンク時のPageRankの流れ
ページBはページAにPageRankを渡し返すと予想できるが、こうなると全ページのPageRankが変わる!
相互リンク時のPageRankの流れ
実際、BからAへのリンクでAのPageRankが増え、それがさらにページBとCに渡される。PageRankの「ループ」が発生するたびに流れるPageRankの量も変わるので、何度も「繰り返し」計算をしなければならない。つまり、AのPageRankが増え、Bにそれが渡され、BがAに渡すPRも増える、という繰り返しが起こるわけだ。元の公式によれば、計算を繰り返す平均回数は20~40回になる。

最後に、PageRankが「漏れてしまう」ことがあるという例だ。この図は、Randが言いたかったことをより正確に表している。この漏れは「バケツに穴が空いていた」せいで起こったのではなく、サイトのページに流せるはずのPageRankがWikipediaに吸い込まれてしまった、ということだ。

ページBが他のページ、Wikipediaのドメイン上の「D」にリンクしたとしよう。PageRankの公式はリンクが外部でも内部でも変わらないが、これで元のドメインのページA、B、CのPageRankはどうなるだろうか。
PageRankの流れ6
Wikipediaへリンクを貼ると(そして戻りリンクを得ていない場合)A、B、CのPageRankを計算する方程式からは、前よりかなり低い数値が算出される。BからAへ戻る(さらに3ページのPageRankすべてを高める力になっている)リンクの重みのうちの半分がWikipediaに行ってしまうからだ。このようなPageRankの「漏れ」は外部リンクだけでなく、内部リンクでも起こりうる。

PageRankの「漏れ」という概念は、アルゴリズムの基本的欠陥としてかつて公に知られるようになったものだ。たとえるならパンドラの箱だ。Googleの上位にランクさせるためにページを作っていた人たちがPageRankの基礎的原理を調べたら、自分のサイトから他のサイトへリンクを貼ることは利点よりも実害の方が大きいと気づく。この考え方を多数のウェブサイトが採用したとしたら、「支持票としてのリンク」という考え方が損なわれ、結果的にGoogleのポテンシャルにダメージを与えるだろう。

Randと私はどちらも、GoogleがPageRankのアルゴリズムを何度も変え、洗練度を高めているはずだと考えている。だが、元のアルゴリズムに慣れて安住していたことへの責任は間違いなく、Googleの検索結果における最適化を行っていた人たちにあるだろう。私は、警告の意味も込めて、Randが数か月前にブログ用に作った画像をここに載せ、PageRankにはプラスの効果を生むリンクの意味だけでなく、他の意味もあることを示すことにしたわけだ。

新旧PageRank対決

私がPageRankについて調べているときに見つけて、有益だと思った資料を次に挙げよう。

今はRandとともに、PageRankの流れをnofollowで制御することに関する別のブログ記事を書いている。もうすぐ発表できると思う。

更新情報:寄せられたコメントを見ると、この記事に書いた情報とGoogleツールバーに表示されるPageRankとの関係を誤解している人が多いようなので、それに気を付けるように。私はツールバーのPageRankについて研究したわけではない。ここではPageRankの公式だけに絞って情報を出している。ツールバー上のPageRankは更新の周期がバラバラだし整合性に欠ける部分も多いので、この公式に結び付けるのは非常に困難(というか多分不可能)だ。

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