安く!早く!を実現するサイト制作の発注マニュアル

作業内容とコストのバランスを見極める――プロが教える見積書7つの極意③

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プロが教える見積書7つの極意

見積もりを依頼するときや、見積書をチェックするときの注意点を示す「プロが教える見積書7つの極意」。

この記事では、極意その3として、作業内容と発生するコストのバランスを解説する。サイト制作で必要な「プロジェクト管理」「サイト設計・全体計画」「デザイン・開発」「コンテンツ移行」といった各作業を理解して、それぞれの段階でどのようなコストが発生するのかを理解しておけば、見積書をよりよく判断できるようになるはずだ。

極意その3
作業内容とコストのバランスを見極める

ウェブサイトを初めて外注するとき、もらった見積書を見ても、項目と作業内容が一致しないのではないだろうか。ここでは、まず見積書の内容がどういったものか把握するために、各項目について簡単に内容とポイントをまとめてみた。

プロジェクト管理

プロジェクト管理を抜きにウェブサイト制作は語れない。制作実績を見るときはどうしても出来上がったウェブサイトに目を奪われがちだが、実際のウェブサイトの出来栄え、品質は、プロジェクト管理を担当するディレクタの腕次第と言っても過言ではない。

ウェブディレクタはいくつかのプロジェクトを並行して担当するのが普通だ。プロジェクト管理に含まれる仕事としては、見積書やスケジュールの作成に始まり、発注側の担当者とのやり取り、実作業者への作業指示、進行管理、納品物が仕様書どおりに仕上がっているかの確認などがある。

プロジェクト管理費は制作会社やプロジェクト規模によっても異なるが、最低10万円からで、制作総額の10〜15%が目安となる。

プロジェクト管理を項目として掲げていない制作会社は言うまでもないが要注意だ。

サイト設計・全体計画

サイトの設計は「サイト基本設計書」や「サイト構成図」によって示される(図1)。RFPに則って見積もりを依頼したときには、簡易なものが見積書と同時に提出される場合もあるが、通常は正式見積書の後、実作業に入ってから作成される。制作会社の中には、サイト設計書を作らずに、アイデア料のような位置づけでサイト設計費用を計上するところもあるが、できるだけ納品物として書類の形でもらえる制作会社を選ぶことをお勧めしたい。

図1 サイト構成図のサンプル。サイト設計の全体イメージを提案する。
図1 サイト構成図のサンプル。サイト設計の全体イメージを提案する。

デザイン・開発

デザイン・開発の工程は「デザイン」と「コーディング」の2つから成る。

色やフォント、レイアウトを考えるのがいわゆる「デザイン」で、ウェブデザイナやアートディレクタ(AD)が担当する。

そのデザインがブラウザで正しく表示されるようにXHTMLやCSS、JavaScriptなどでプログラミングするのが「コーディング」だ。専門のプログラマが担当するかデザイナが自分でやるかは会社によって異なる。

デザインの費用だが、全部で100ページのサイトだからといって、単価×100ページ分の料金にはならない。普通はカテゴリごとにデザインテンプレートを作り、同じカテゴリのページはそのテンプレートを流用するので、単価×デザインテンプレートの数ということになる。一般ユーザー向け、報道関係者向け、投資家向け、取引先向けといったように、対象ユーザーごとにデザインを変えると、テンプレートの種類も多くなり費用は高くなる。

イラスト画像や写真素材、ロゴを使ったデザインにしてほしい場合、それらの制作料金は通常デザイン料金の中には含まれていないので確認が必要だ。

コンテンツ移行

主にリニューアルのウェブサイト制作を発注する場合、見落としがちなのが、既存サイトのコンテンツを移行する作業である。

見積書の項目として記載されていない場合は、他のどの項目にも含まれていないので、自社内で作業することを前提としてスケジュールを組む必要がある。

制作会社に発注すると、当然ながら総ページ数分の作業費用が発生するため、まるごと外注をすると膨大な費用がかかる場合もある。社内のリソースを確保できるなら、予算節減のためにもできるだけ自社内でやるようにしたいところである。とはいえ、素人作業によるミスで作業工数が増えては本末転倒なのでよく考えよう。

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