「SEOの意外な裏技」その7：SEOの効果が現れるには時間がかかることをわきまえておこう

前回の意外な裏技を投稿してから数週間ごぶさただったけど、今回はたくさんの人にぜひ読んでほしいテーマだ。

最近一緒にSEOの仕事をした同業者たちから、熱心すぎて性急な経営陣からの厳しい要求に参っているという話を聞いた。彼らのSEOキャンペーンは、堅実な戦術に従い、ベストプラクティスに忠実で、機知に富んだ創造的な要素もあった。でも、まあまあの成果を収めつつ1か月が過ぎたころ、幹部たちから「もっとROI（費用対効果）の高いプロジェクト」に切り替えるよう要求されたっていうんだ。

公平を期すために言っておくと、僕自身も企業幹部（たしか「最高なんとか」って肩書き）だから、短期間で目に見える結果を求める気持ちはよくわかる。でも、SEOに短期間で結果を求めても、うまく行かない。これまでうまく行った試しがないし、今後も変わらないんじゃないかな。

実際に、サイトを全面的に模様替えしてバイラルコンテンツを提供し、何らかのリンクビルディングキャンペーンを実施しても、すぐに成果が出ることなんてめったにない。どうしてかって？ 理由はたくさんある。

• 検索エンジンがサイトを再クロールするには時間がかかる。

  運がよければ、数日か数週間程度で済むかもしれないが、大きなサイトでも、小さなサイトでも、グーグルの「要クロール」リストのかなり上位にない限り、サイトの全ページの最新の状態が検索エンジンがもつ情報に反映されるには3～4か月もかかる。

• 検索エンジンは、リンクしている相手まですべてクロールしなければならない。

  すばらしいウィジェットやバイラルコンテンツ、新しいコンテンツライセンスシステムなどを公開したばかりなら、その効果が完全に現れるまで、かなり長い間待たされることになる。

• アルゴリズムは時間をかけて評価を行う。

  検索エンジンがすぐにこれらのリンクをクロールし始めても、アルゴリズムがリンクの重要度を正しく評価し終えるまで、数週間から数か月かかる可能性もある。なぜかって？ 小細工で稼いだリンクは一過性のものに過ぎないことが多いのに対し、質の高いリンクは時間という試練に耐えるということを、検索エンジンが何年も前に学んだからだ。このことは特に、新しいドメイン名（または新たに移動されたドメイン名）に当てはまる。

  だから心に留めておいてほしいんだ。リンクのおかげで検索順位にいい影響が出たと実感できるまで、時間をかけて信頼を築き上げていかなければならないかもしれないということをね。

  具体例を挙げようか。「SEO Expert Quiz」を覚えてるかな？ 公開して最初の週に、このページには何百もの新しいリンクが張られ、そのほとんどが「SEO Expert」というアンカーテキストを含んでいた。ところが驚くなかれ、このページが「SEO Expert」という検索クエリで検索結果の1ページ目に登場するまで、少なくともグーグルではほぼ6週間もかかったんだ（ヤフーではずっと早く1ページ目に表示されたが、別の例ではYahoo!の方が時間がかかることもあった）

• リンクを引きつけるには時間がかかる。

  最後になったが、最も重要なのはリンクそのものの増え方だ。リンクを引きつけるために、新しいコンテンツやデザイン、プロモーション戦略を取り入れたとしても、これらの新戦略がターゲットに到達するまでに時間がかかり、さらにそのリンク経由でアクセスしてもらえるようになるまでにも時間が必要だ（そうなってやっと検索エンジンが評価してくれるようになる）。長くて、つらい仕事だ。仕事の恩恵を十分に得ることなく、投げ出してしまうサイトオーナーやSEO業者が多いのも理解できる。

管理職に忍耐を求めるのは難しいかもしれない。経済的に難しい時期ならなおさらだ。でも、覚えていてほしい。お金を払ってキーワード広告を出したとしても、オーガニックな検索結果に登場することは大きな価値をもたらす可能性があるんだ（検索結果を利用してほかのページに飛んでいく人のうち、広告をクリックしているのは12～20％程度）。

そんなわけで、SEOと広告キャンペーンで満足のいく効果が現れるまで、少なくとも3～4か月は様子を見よう。そして、（お気に入りのキーワード検索フレーズで検索順位がどうなっているかだけでなく）トラフィックをもたらす検索キーワードすべてに目を配ろう。ロングテール検索や関連語句による検索エンジンからのトラフィックが増えて始めていれば、正しい道を進んでいるということだ。