RIAシステム 構築ガイド Essential
RIAコンソーシアムが発行する、RIAの普及促進や開発に関するガイドライン『RIAシステム 構築ガイド』の2007年版である『RIAシステム 構築ガイド Essential 2007』をWeb担向けに特別にオンラインで公開するコーナー。
Accessibility
アクセシビリティとは、高齢者や障害者も含めた、誰もが情報を取得(発信)できる高い柔軟性を持つことの指標です。但し、統一的な数値化には至っておらず、現実的にはJIS規定に沿っているかどうかを指す場合が多いように思います。
一般的に、RIA技術は視覚的な表現の多様性に長けている部分が大きく、誰にでも情報を提供することには不向きであると言われています。実際、Flashなどは、アクセシビリティ上は不適切であると断定されることも多くありました。
しかし、現在は、映像には字幕をつけたり(音声に関する配慮)や、代替文字を活用したり(視覚に対する配慮)するなど、一定の対処法が見え始めています。音声ブラウザとの協調なども必要なので、歩みは他の機能に比べれば遅いかもしれませんが、ない訳ではないというのが現状です。ですので、RIA技術を使っているから、「アクセシビリティがない」という断定的な評価は最近は主流ではなくなってきています。
また、JIS準拠という観点で言えば、JISはコンテンツのあり方だけを規定している訳ではなく、開発プロセスにも言及しています。出来上がったものだけを見て評価するのではなく、開発作業上の姿勢にも触れていることを忘れないでおくことが求められています。
誰に情報を提供しているのかを忘れずに、そしてその対象ユーザー像から漏れた利用者への説明責任の持ち方は、サイトの全体設計時の要の部分といえます。
SEO:Search Engine Optimization
SEO(検索エンジン最適化)は、Webページへのアクセスが、サイトのトップなどの開発者が想定した経路にそってやってくるのではなく、検索エンジンを用いた結果からの流入が無視できないものになってきた頃から注目されてきたものです。
特定の単語を検索した場合に、検索結果の上位に自社サイトを表示させることができれば、サイトへの誘導が格段に進むことから、様々なテクニックが駆使されています。そして、RIA技術は検索エンジンの解析技術がまだ充分ではなく(RIA側に記述していないという問題もありますが)、ただRIAシステムにしただけでは、検索エンジンにかかりにくいというのが現状です。
しかし、検索エンジンもその性能を上げていますし、検索エンジンに引っかかるような情報の記述方法もかなり整備されてきています。ですので、RIAだからSEO施策が打てないという状況ではありません。
また、SEOは本来は、利用者の求めが発端だったはずですが、「検索結果の上位に載せる」ことが目的化している部分も見受けられます。SEOのためのSEOを施し、その結果訪問してくれたユーザーがサイト内で不快な体験をしては、本末転倒であることは随分前から指摘されています。
SEO施策を打つことは、ビジネス上大切でしょうが、サイト構築上は中身の充実とユーザビリティの向上を目指すことも大切だと言わざるを得ません。
この記事は、RIAコンソーシアムが発行した『RIAシステム 構築ガイド Essential 2007』の内容を、Web担向けに特別にオンラインで公開しているものです。※掲載されている内容は2007年5月発行時点のデータに基づいています。
RIAコンソーシアムの活動記録とも言える本ガイドは、RIAの普及促進、開発に関するガイドライン、課題解決などについて、マネージメント、ユーザーインタフェース、テクノロジーの3つの視点からみた、それぞれのテーマについてまとめています。
冊子のご購入や「無料お試し版」ダウンロード、過去の構築ガイドに関してはこちらをご覧下さい。
ソーシャルもやってます!