NexawebのRIA技術紹介
RIAシステム 構築ガイド Essential 2
RIAコンソーシアムが発行したRIAの普及促進や開発に関するガイドライン『RIAシステム 構築ガイド』の2008年版である『RIAシステム 構築ガイド Essential 2』をWeb担向けに特別にオンラインで公開するコーナー。
Java/XMLべースのRIA誕生
Nexawebは、2000年、米国マサチューセッツ州バーリトンで産声を上げました。
現NexawebTechnologiesInc.CTOのCoachWei氏によって開発されたNexawebは、現在、商用ベースで唯一のJava/XMLベースのRIAプラットフォームとして、グローバルで利用されています。
基幹系システム構築の環境としていまやメジャーとなったJavaEE上で、Nexawebは、リッチUI、3Dチャート、サーバプッシュによるリアルタイム通信がもたらすリッチエクスペリエンスを、ミッションクリティカルな基幹系システムに実現します。
このNexawebの特長は、既存の基幹系システムのマイグレーションにも生かされ数々の実績を誇り、商用ITモダナイゼーションソリューション(既存レガシーシステムを戦略的なITシステムへ移行するなど)分野におけるリーディング・プロバイダーとして、既存インフラ環境上で、先進的なEnterpriseWeb2.0アプリケーションの開発・運用プラットフォームを提供しています。Nexawebの顧客企業はNexawebを利用することにより、RIA(リッチ・インターネット・アプリケーション)と既存レガシーシステムやSOA、外部データを効率的にWeb連携させ、ビジネス拡大や収益向上に繋がる先進的なITサービスシステムの構築に成功しています。
また、2005年7月にNexawebTechnologiesInc.の日本法人として設立された日本ネクサウェブ株式会社は、「Nexaweb」のライセンス販売、コンサルティング、マイグレーション支援、技術サポート、教育や関連パッケージの企画・コンサルテーションなどに携わっています。Nexawebが提供するソリューションは、世界各国の金融、通信、製造、流通、公共、そして、ISV市場の大手企業を中心に既に7000社以上、国内では、法人設立後約3年で大手企業を中心に100社を超える企業にすでに導入されています。
エンタープライズとNexaweb
Nexawebは、信頼性・可用性・パフォーマンスが要求される基幹システム構築に適したプラットフォームです。リッチなユーザーエクスペリエンスを実現するためのRIAテクノロジーに加えて、Javaベースのサーバサイド・フレームワークを備えることで、信頼性の高いリアルタイム・双方向通信、他のエンタープライズシステムとの統合、高パフォーマンスを実現します。このように、エンタープライズ環境において強みを発揮するのがNexawebの大きな特徴であり、我々がNexawebを『エンタープライズ・リッチクライアントWebプラットフォーム』と呼ぶ理由です。
Nexawebのプラットフォームは、リッチでかつ高速なUI描画を実現する「Nexawebクライアント」。JavaEEとその資産に親和性高いアプリケーションフレームワークとリアルタイム&非同期通信フレームワークで構成される「Nexawebサーバ」。これら2つの構成要素を持ちます。開発環境には、Eclipseベースの統合開発環境「NexawebStudio」が提供されます。
プラットフォームと開発フレームワークが、すべてJava/XMLの標準ベースの上に設計・構築されているため、既存のソフトウェア開発の手法や資産、人材スキルを生かすことができます。標準技術ベースが設計・構築・デプロイ・運用というシステムのライフサイクルにおいて、IT投資のROI向上に大きく貢献するのが、Nexawebの大きなメリットの1つです。
エンタープライズを支えるアドバンテージ
「リッチクライアント(Rich)」の豊かな表現力と操作性の良さ、関連資源のサーバサイドでの集中管理(Thin)を同時に実現する『Thin&Rich』を両立する統合開発・運用環境は、エンタープライズ環境においてさまざまなアドバンテージを持ちます。
高パフォーマンス
画面描画を担う「Nexawebクライアント」は、レンダリングと通信を担う非常に軽量なエンジンです。XMLで表現された画面を逐次解釈して画面の描画を行いますが、XMLはバイナリ圧縮されているため、サーバとクライアント間の通信は低帯域で実現されます。さらに、サーバとクライアント間でDOM同期を用いた差分通信を行うため、低帯域と相まって非常に高速な描画が実現できます。
リッチUI
RIAならではの豊かな表現力と操作性を備えたアプリケーションは、Nexawebにあらかじめ用意されている豊富なUIコンポーネント部品でスピーディーに開発できます。たとえば、グリッドやテーブルといった基本的なUIから、大量データの高速入力補助、キー指定、入力部品のドラッグ&ドロップ、リッチなグラフにいたるまで、豊富な部品が用意されており、統合開発環境「NexawebStudio」上でビジュアルに開発できます。
メッセージ通信管理
リアルタイム通信を行うトレーディングやネットワーク監視などのアプリケーションでは、サーバプッシュによる通信と、数千行のデータ、チャート、グラフおよびそのほかの複雑な情報を含むリアルタイムな画面更新を必要とします。これを実現するのが、リアルタイムなデータのプッシュ配信やイベントドリブンに非同期にデータ送信を実現する「NexawebIMB(InternetMessagingBus)」です。高速化のための機構として、差分更新やネットワーク帯域幅を最大化するインテリジェント・ルーティングを備え、エンタープライズ規模のアプリケーションが求めるパフォーマンスを発揮します。
また、NexawebIMBはSSL通信の複雑な処理を吸収するため、開発者はSSLを意識することなく開発を行うことができます。
エンタープライズ統合
基幹WebシステムにおけるUIに優れたフロントエンド、リアルタイム通信、高可用生・高パフォーマンスの需要は今後高まっていきます。そこで重要になってくるポイントが、既存資産との連携・統合のしやすさです。
Nexawebは、サーバサイドでの開発に「NexawebEDS(EnterpriseDataServices)」というJavaEE対応のリソースセット(サーブレット、リスナ)が提供されているため、Java開発の経験をそのまま開発に生かすことができ、エンタープライズシステムとの統合も容易です。さらにSOAを用いることで、複数の既存資産のデータソースからデータをマッシュアップし、クライアントの必要に応じて配信するサービスを提供することも可能です。
モダナイゼーション
モダナイゼーション(近代化)は、いままで変更を保留してきたレガシーアプリケーションを、戦略的なITシステムへと推進します。ネクサウェブは、基幹系システムのWeb化という大きなトレンドに「NexawebAdvance」を提供し、モダナイゼーションのニーズに応えています。単純なツールを用いた自動生成移行と異なり、特定の仕様に限定されることがないため、多種多様な既存の技術やシステム連携にも柔軟に対応するとともに、進化を続ける業務プロセスを加味しながら、システム移行の成果の精度と品質を高めることができます。
NexawebAdvanceは、エンタープライズ・リッチクライアントWebプラットフォーム「Nexaweb」と既存システムとデータ連携に柔軟に対応する包括的なRIA開発フレームワーク「ReferenceFramework」、レガシーアプリケーションの最適な変換プロセス「TransformationProcess」、そしてネクサウェブやパートナーによるコンサルティングサービスが加わり、レガシーシステムの最適なモダナイゼーションをサポートします。
- 淡路 良平/AWAJI Ryohei
- 日本ネクサウェブ株式会社
この記事は、RIAコンソーシアムが発行した『RIAシステム 構築ガイド Essential 2』の内容を、Web担向けに特別にオンラインで公開しているものです。※掲載されている内容は2008年12月発行時点のデータに基づいています。
RIAコンソーシアムの活動記録とも言える本ガイドは、RIAの普及促進、開発に関するガイドライン、課題解決などについて、マネージメント、ユーザーインタフェース、テクノロジーの3つの視点からみた、それぞれのテーマについてまとめています。
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