Cookieの有効期間を組み合わせて広告のタイミングを計る ―― リマーケティングによるリピーター促進効果
リマーケティングによるリピーター促進効果
多くのサイトにとって、新規顧客を増やすだけでなく、リピーターに継続的に利用してもらうことも大切である。リマーケティングは新規獲得のための手段だと思われがちだが、実はリピーターを獲得する目的に活用することも可能だ。
特に一定期間を置いて繰り返し購入する、例えば「米」「浄水フィルター」「インクトナー」「洗濯洗剤」「ウイルス対策ソフト」のような商材を扱っている場合、有効な手法がある。
CRM(顧客管理)に力を入れている企業なら、サイトで扱う商材を一度購入したユーザーが、次にまた同じ製品・サービスを購入する期間がどのくらいなのかを把握して、適切なタイミングにDMやメールマガジンなどの情報を発信していることだろう。それとほぼ同じことを、リマーケティングを活用して行うことができる。つまり、次に製品・サービスを購入するタイミングを見計らって、広告を表示させるのだ。
リマーケティングのCookieは、最大540日(約1年半)まで、リストごとに設定が可能である。期間だけを変えた同じ内容のリストを作成し、引き算で時間差を作れば狙ったタイミングで広告を表示できるようになる。「コンバージョンして○日過ぎたユーザーに何を見せればいいか」はおのずと分かるはずだ。定期購入やまとめ買いを促すことも可能だろう。
30日経過してから広告を表示する例
期間により配信の強弱や見せる内容を工夫する
ユーザーが商品・サービスを購入に至るまでの検討期間は、サイトによってまちまちだ。検討期間に応じて、配信の強弱や見せる内容の工夫をするのも手だろう。例えば、7日以内にコンバージョンに至る傾向が強い商品の場合には、以下のようなリストの組み合わせが考えられる。
設定Aは「訪問後7日以内の未コンバージョンユーザー」で、アクションを起こしてもらえる可能性が設定Bよりも高いという仮説が立つ。このユーザーに対してクリック単価(CPC)を高めに入札して配信を強めたり、「今購入で10%割引!」など、特別なオファーを用意したりするのも有効だろう。
それに対して設定Bは「訪問後7日以降の未コンバージョンユーザー」で、設定Aよりはクリック単価を低めに設定したり、新製品など別の切り口から興味を引くのもいいだろう。
このように、Cookie有効期間を組み合わせることにより、再訪問させたいユーザーのタイミングまで細かく調整することが可能になる。仮説を立てて、ぜひ使っていこう。
時間経過によって広告を変える例
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978-4844332695 - インプレス
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