Googleアナリティクスで「(not provided)」が増えて困っています
当クリニックの代表。
イケメンの研修医。
優しい天然ボケの研修医。
ここ「アクセス解析5分クリニック」には、Webサイトについてさまざまな悩みを抱えた患者が、毎日のようにやってくる。研修医の来栖と綾瀬はデコボココンビだが、院長の丸山先生がとにかく名医。たった5分ですべての悩みを解決する!というのだ……。(登場人物紹介を詳しく見る)
今回のお悩み
Googleアナリティクスで「(not provided)」が増えて困っています
Google検索の仕組みが大きく変化
Googleアナリティクスのキーワードレポートだけど、最近「(not provided)」が急に増えたと思わない?
あれ、知らないの? 9月下旬に、Google検索の仕組みが大きく変わったんだよ。
- 参考:広告クリック以外のすべての検索が、(not provided)に(アユダンテ)
なんと! Google先生ェ……。これは困ったね。あきらはどうしてる?
どうしようもないよね。キーワードレポートを見ても、「(not provided)」が増えたし、もう別のレポートなどを見ているかなぁ。
2人とも困っているようだね。今日は、この「(not provided)」対策を考えてみようか。
そもそも「(not provided)」って何?
ところで、この「(not provided)」というのはどういう意味だろう?
「ユーザーの検索キーワードが読み取れなかった」という意味ですよね?
「(not provided)」。つまり検索エンジンから、検索キーワードの情報が「提供されなかった」ということだよ。
なぜ最近急に増えたのだろう?
それは、先ほどの参考記事にもありますが、Googleが検索結果ページを全ユーザーでhttps化したせいですよ。
じゃあ、なぜそれで、キーワードが「(not provided)」になるの?
Googleが検索結果ページをhttps化したことで、僕達のサイトに飛んでくる情報(リファラ)が変わったんだね。具体的には、参照元としてGoogleからの訪問というのはわかるようにしてくれたんだけど、キーワード情報は含まれなくなったんだ。ユーザーのプライバシー保護の観点のようだよ。そういうわけで、もう僕たちには、キーワード情報はわからないんだ。
ということは、Google検索以外だったら大丈夫なのかな?
あ!? そういえば、どうなんだろうね?
そうだね。今回の変更は今のところGoogleだけなので、他のYahoo!検索などでは確認できる。またGoogle検索でも、ウェブマスターツールやGoogle AdWords経由では、検索クエリを確認できるよ。
- Googleウェブマスターツール(全部ではないが、一部の90日以内のデータを確認できる)
- Google AdWordsの管理画面(詳細クエリ)
- Googleアナリティクスで、Yahoo!など他の検索エンジンとAdWordsのキーワード
何が困るのか?
さて、前提を理解したところで、「(not provided)が増えると、何が困るのか?」から整理してみようか。2人は、キーワードレポートを何に使っている?
やっぱりSEOですよね。有効・無効なキーワードを見つけて、対策を考えるという部分です。
似ているけど、リスティング広告(PPC)で出稿するための有効キーワード探しもやっています
GoogleとYahoo!の違いに気づいたり、ユーザーの潜在ニーズや気持ちを推測したりするにも有効ですよね。
それで思い出したけど、僕は、ユーザーのグループ分けに、つまりセグメント分けにも使っていますね。似たようなニーズをもっているユーザーをまとめて、そのサイト内の動きを確認するというか。
だいたい出揃ったようだね。整理してみるとこんな感じかな。
- SEOやリスティング広告のためのお宝キーワード発見
- SEOやリスティング広告のためのNGキーワード発見
- GoogleとYahoo!の細かいユーザー層の違いに気づく
- 潜在ニーズ探し・気持ちに気づく
- 似たニーズのグループをまとめて、導線の確認
「(not provided)」が増えると、これらが対応できないから、困ってしまうという訳だね。
対策
じゃぁ、どうすればいいのか。対策をそれぞれについて考えてみたよ。
SEOやリスティング広告のためのお宝キーワード発見
- Googleウェブマスターツールを使う(すべては表示されないので、想像力でふくらませる)
- Google AdWordsに部分一致で出稿し、アナリティクスでお宝キーワードを発見する(広告主だけ)
- Google AdWordsのキーワードツールを使用する(広告主だけ)
- Googleアナリティクスで確認できる、他の検索エンジンの結果から発見する
SEOやリスティング広告のためのNGキーワード発見
- 1つ目の「SEOやリスティング広告のためのお宝キーワード発見」の対策と基本的に同じ。
GoogleとYahoo!の細かいユーザー層の違いに気づく
- Google AdWordsに部分一致で出稿し、Yahoo!との違いに気づく(広告主だけ)
- 似たキーワードで集客してそうなランディングページでセグメントし、違いを確認していく
潜在ニーズ探し・気持ちに気づく
- 1つ目の「SEOやリスティング広告のためのお宝キーワード発見」の対策と基本的に同じ。
似たニーズのグループをまとめて、導線の確認
- 似たキーワードで集客していそうなランディングページで、セグメントを作成し、違いを確認していく
なんか、難しそうですね。
いや、そんな難しくはないよ。基本的に、確認できるところで確認しましょうということだからね。ウェブマスターツールを使うか、Googleアナリティクスで現在確認できるキーワードデータを使うしかないからね。
でも、他の手法も出てきていますよね?
付け加えたのは基本的に2つだ。「Google AdWordsを有効活用できる」というものと、「同じカテゴリに属するランディングページでセグメントする」というものだ。
なぜランディングページでセグメントするのですか?
これは、カテゴリごとに情報が分けられているECサイトなどで特に有効なんだけど、たとえば、グラスを扱うページが「glass」というディレクトリにあるとする。そうすると、「glass」ディレクトリ以下のアクセスは、「グラス」関連のキーワード検索の結果が集まっているんだ。なので、その「glass」をファイル名に含むランディングページを確認していくと、「glass」のニーズを持った人の導線をほぼ確認できることとなる。
なるほど~。
まとめ
「(not provided)」が増えてしまったのは、正直に言えば、かなり痛手だ。でも、もともとGoogle検索もGoogleアナリティクスも全部無料で提供されている仕組みだから、仕方ない。とはいえ、困るのも事実だから、その対策としては、できることをするしかない。
対策としては、初心者であれば、ウェブマスターツールを見るか、Googleアナリティクスで現在確認できるキーワードを見るのがいいのではないかと思う。それだけでも気づきは得られる。
また、Google AdWordsのツールには、初心者にも使いやすいキーワードツールがあるので、チャレンジしたい人はツールを使う目的でも、Google AdWordsのアカウントを開設してみるのはよいと思う。もしアドバンスセグメントを使っている人であれば、ぜひランディングページ毎のセグメントを試してみてほしい。
お悩みGoogleアナリティクスで「(not provided)」が増えて困っています
アドバイスこの仕様変更は仕方がないので、できることからやっていきましょう。
ウェブマスターツールを確認すると、期間は決まっていますし、全部ではありませんが、Googleの検索クエリは確認できますよ。以下3ステップでやっていきましょう。
- 【2分】 ウェブマスターツールにログインします
ウェブマスターツールに登録していない人は登録しましょう。
- 参考:ウェブマスターツールの登録と導入方法(SEOのホワイトハットジャパン)
ログイン後、確認したいサイトをクリックします。
- 【1分】 検索クエリをクリックして表示します
- 【2分】 キーワードと表示数などを確認します
ここで実際に検索されているキーワードと表示数などを確認し、ギャップがないかチェックしましょう。
※キャラクターイラスト(来栖、綾瀬):「コミPo!」にて制作
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