問い合わせ自動化のリアルな効果って?チャットボットを改善して効果的に運用する
チャットツールやウェブサイトでのチャットボット導入が盛んになっているなか、具体的に使えそうな情報って、正直あまり落ちていないのが現状。
チャットボットのリアルな効果と、分析結果からみる効果的なボット運用、気になりますよね。
今回は、チャットボット作成プラットフォーム「Repl-AI」で実際に作成し、Ledge.aiのウェブサイトに導入したチャットボットをもとに、
- 具体的にどのような効果があったのか
- チャットボット運用でどんな気づきがあったのか
という2点に的を絞って、記事を書いていきます。
「Repl-AI」でのチャットボット作成プロセスに関しては、こちらをご覧ください。
>> Ledge.aiの問い合わせフォームをチャットボットに置き換えてみた!
とにかく使われる!チャットボットには毎日コンスタントにユーザーが流入する
まず、AIチャットボットを導入してみた印象は、「チャットボットって毎日コンスタントにユーザーに使われるんだな。」ということ。
実際どれくらいのユーザーがボットと会話しているのか、Repl-AIからチャットボットの利用状況をグラフ形式でチェックしてみます。
こちらが日毎のグラフ。
時間毎のグラフがこちら。
グラフ結果から、サイトに訪れたユーザーがウィジェットボタンをクリックして、まずはボットと会話をスタートしてくれていることがわかります。
今回導入したチャットボットには、
- ①ユーザーの好みに合わせた記事をレコメンドするシナリオ
- ②ユーザーヒアリングを通して個人情報を取得するシナリオ
という2つを用意しています。
①のシナリオには、ユーザーの興味のある分野、カテゴリを知り、ニーズを把握するという意図、②のシナリオは、簡単なヒアリングを通して、従来の問い合わせフォームで入力する情報を、ユーザーとの会話から拾いあげていく目的があります。
①のシナリオへの遷移は圧倒的に多く、チャットボットを通じてユーザーが読みたい記事に遷移してくれていることが分かりました。
②は通常の問い合わせフォームの代替として設置したもの、①のシナリオと比較するとシナリオ遷移数も下がっています。
ただ、ここで比較したいのは、
- 通常の問い合わせフォームを設けたWebページのCVR
- ユーザーヒアリングを通して個人情報を取得するボットシナリオのCVR
という2つです。
2つのCVRを計測して比較してみると、9.2%も上昇しています。CVR上昇の要因として、
- ページ遷移の必要がない
- チャット形式UIによる入力負荷の軽減
などが考えられます。
チャットボットによる問い合わせ対応、FAQの代替などは耳にすることが多いですが、CVRの改善を数値として実感し、WebページのCVR改善という点においてチャットボットが有用であることは、新たな発見でした。
どのくらいのユーザーにボットが利用されているか、どのシナリオへ遷移したかを分析するには「ユーザーの発話内容」「シナリオの離脱ポイント」が利用できます。Repl-AIでは、これらをエクセルシート形式でダウンロード可能です。
上位ファネルへ遷移させる?チャットボットが潜在ユーザーとのコミュニケーションで実現すること
チャットボットを導入するからには、設計したシナリオ通りにユーザーが行動してくれて、情報を取得できるのが理想ですが、現実はそううまくいきません。
たとえば、興味のあるカテゴリを選択形式で入力してもらうシナリオ。
運営からすると、シンプルにボタンを押して会話をしてほしいところですが、ウィジェット下のメッセージボックスに質問を入力するケースが多々ありました。
上記のようなケースは、対策の必要があるものの、そこがチャットボットの“良さ”だったりもします。というのも、自由に入力してくれることで、直接ユーザーの声をキャッチアップできるんですね。
重要なのは、ここでキャッチアップしたのは、従来の問い合わせでは決して得ることのできない、潜在ユーザーの声、だということです。
まさに、チャットボットが「潜在ユーザーとのコミュニケーション」を実現してくれたといえます。
問い合わせ動機を持つ、すでに顕在化しているユーザーではなく、今までコミュニケーションができなかった潜在ユーザーとのコミュニケーション手段を持てるというのはかなり大きいです。
以前Ledge.aiでも取り上げている、自治体によるごみ分別チャットボットも、問い合わせに至らないユーザーの声を拾い上げている良い事例です。
>> 自治体にもチャットボット FAQの波!横浜市がNTTドコモのRepl-AIを使った実証実験をスタート
FAQページはあるものの、使い勝手が悪かったり、求めているページまでたどり着けなかったり、そもそもそのような従来のやり方が手間だったり。それもチャットボットにより、コミュニケーションが可能になったことで、潜在ユーザーのニーズを探る、隠れている課題を発見する、なんてことができそうですよね。
ユーザーのニーズを引き出し、あらゆるケースに柔軟に対応できるボットを。
チャットボットにより、潜在ユーザーとのコミュニケーションが可能になりましたが、求める行動と情報を得るためには、適切なシナリオを設計する必要があります。
今回の試みで、ユーザーとの会話を通して、
- 想定外の入力
- シナリオからの離脱
- 機械による対応の違和感
といった課題がでてきました。
最初から高い満足度、要件を完璧に達成する優秀なチャットボットの作成が難しいのも、押さえておきたいポイントです。
ボット運用で重要なのは、次から次へと出てくる課題を、どれだけスムーズにクリアしていけるかどうか。いつまでも同じ課題が残るボットは、もはや使われませんよね。
課題に対して迅速な解決が必要なときも、Repl-AIであれば多くのケースに柔軟に対応できます。
たとえば、ユーザーにメールアドレスの入力を求める際に、“想定外の入力”という課題があがってきます。
それに対しては部分一致判定で入力値をバリデーションして防ぐことが可能です。
シナリオから外れた場合には、自然言語処理技術を駆使した雑談ボットを連携するだけで、瞬時に想定外の入力に対応したボットにカスタマイズできます。
また、任意のタイミングで、ユーザーの入力値を記憶することもできます。例えば、ユーザーに名前を聞いて記憶、以降の会話では名前で呼びかける、といった方法で、満足度向上もはかれます。
例にあげた機能は、Repl-AIの一部の機能です。そのほかにも下記のような機能が無料で利用できます。
- 機械学習による検索揺れの吸収
- LINEやFacebook Messengerとの連携
- ボットのAPI公開
さまざまな課題に対して瞬時に対応できる機能があるRepl-AIは、まさにチャットボットプラットフォームといえます。
分析結果からチャットボットを成長させることで、より良いユーザー体験を
常に成長を続ける言語を扱う時点で、いってしまえばチャットボットに完成はない、といっても過言ではないでしょう。
チャットボットは、運用しながら成長させていくことで、より優秀なボットに近づけることができます。
- ユーザーの離脱ポイントは?
- 文章の意図は伝わっているか?
- 自由記述、ボタンなどの発話形式は適切に選択できているか?
といったことを、会話履歴や利用状況をチェックしながら地道に改善していく必要があります。
チャットボットの改善サイクルをいかに素早く、スムーズに進めていけるのか。それを見据えたうえでのプラットフォームの選択も、チャットボットを効果的に運用していく鍵となりそうです。
チャットボットの利用シーンは幅広く、趣向を凝らした面白い事例も出てきています。いま、チャットボットで何ができて何ができないのか?まずはこれを把握しましょう。そして、チャットボットには“運用”が必要です。運用のノウハウを自社に蓄積するためにも早めにとりかかりましょう。
Repl-AIでは、Repl-AIビジネスパートナーとともに、自社に合ったオリジナルのチャットボットを制作することが可能です。Ledge.aiもパートナー企業の一社です。
Repl-AIでのチャットボット開発は、初めての方でも非常にわかりやすいGUI操作のみで可能となっています。エンジニアリングスキルが不要のためスムーズにボットの開発が進みます。チャットボット活用の導入、最初のステップとしても最適なのではないでしょうか。
興味がある方は、ぜひRepl-AIを使ってみてはいかがでしょうか。
「AI:人工知能特化型メディア「Ledge.ai」」掲載のオリジナル版はこちら問い合わせ自動化のリアルな効果って?チャットボットを改善して効果的に運用する | Ledge.ai(レッジエーアイ)2018/04/25
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