Moz - SEOとインバウンドマーケティングの実践情報

コンテンツマーケ成功に必要だった6つの役割と成功の鍵「ピラーコンテンツ」とは(後編)

1か月で10万ワード分の質の高いコンテンツをつくるプロジェクトを進めたら、コンテンツマーケティングチームには、どんな役割(職種)が必要なのかや、勝利の鍵を握る「ピラーコンテンツ」が見えてきた

この記事は、前後編の2回に分けてお届けしている。後編となる次回今回も、前回に引き続いて筆者の経験から得られた貴重な知見を見ていこう。 → まず前編を読んでおく

1か月で10万ワード分の質の高いコンテンツをつくるプロジェクトを進めたら、コンテンツマーケティングチームには、どんな役割(職種)が必要なのかや、勝利の鍵を握る「ピラーコンテンツ」が見えてきた。

プロセスにアウトリーチを組み込む

現実的に考えよう。これを読んでいる99.9%の人にとって、コンテンツマーケティングとはSEOマーケティングのことだろう ―― それは大体の点において僕たちも同じだった。

僕たちは確かに、SEO的な価値がほとんどないソートリーダーシップや製品教育に関する記事も公開しているが、作成しているコンテンツの多くは、検索を支配するグーグルでうまくいくことを願って公開しているものだ。

しかし、ただコンテンツを公開するだけではまったく十分ではない。リンクが必要だ。しかもたくさん。

話を先に進める前に、コンテンツへのリンクを獲得するには正しい方法と間違った方法があることを理解してほしい。

コンテンツへのリンクを獲得する3つの指針

正しい方法とは、次のようなものだ:

  1. 優れたコンテンツを作成する。

  2. 執筆したテーマについてオーソリティのある、検索上位の信頼できるサイト一覧を検索する。

  3. 相手の組織にも価値をもたらす敬意ある方法で、相手のサイト上でリンクまたはゲスト投稿を依頼する。

それだけだ。逆に、間違った方法としては次のようなものがある:

  • ゴミのようなサイトやリンク詐欺のために時間を無駄にする
  • 人々の受信トレイに大量のリクエストメールを送りつける
  • 後ろ暗い行為をする
  • よろしくない行為をする人たちを相手にする

優れたコンテンツを作成し、パートナーにする高品質のサイトを探して、価値を提案しよう。

成功するコンテンツは数当てゲーム

僕たちが用意したような多くのコンテンツを作成する利点の1つは、何がうまくいって、何がうまくいかないのかを、実際に確認できることだ。そしてこれは、みんなが思うほど予想しやすいことではない。

大きな成功を収めた記事の1つに、「サマーキャンプを開始して運営する方法」(How to Start and Run a Summer Camp)がある。

実はこの記事は、計画段階ではJotFormの従業員の間で特に人気があったわけではない。その大きな理由は、僕たちが追跡していたターゲットキーワードの月間検索で、このトピックは検索数があまり多くなかったからだ。

しかしこの記事は、公開後わずか数か月で、月間検索数が最も多いランディングページの1つになっただけでなく、読者をJotFormユーザーに転換させるという点で最大の成果をあげた。

ポイントは、何がうまくいくのかは、多くの選択肢を試してみるまで実際にはよくわからないということだ。

適切な社内スタッフを雇用する必要が生じる

理想の世界であれば、JotFormの従業員は必要なあらゆるコンテンツを生み出せるだろう。しかし、会社の規模を考えると、それは現実的ではない。とはいえ、コンテンツをフル稼働させるには、どうしても社内に迎え入れる必要があった役割がいくつかある。

過去12か月の間に採用したコンテンツ担当者の一部

僕たちがコンテンツインフラを構築するために採用した職種には、次のようなものがある:

それぞれ、どんな役割でなぜ必要だったのかを解説していこう。

コンテンツ ライター

これは、僕たちが初めて採用した専任のコンテンツ担当者だ。これにより、コンテンツマーケティングの世界に初めて本格的に足を踏み入れることになった。

社内にコンテンツを執筆できる人がいるということは、柔軟性を手に入れたということだ。記事作成プロジェクトで締め切り直前のものや製品を深く掘り下げたものが浮上した場合、社内で対応できる人が必要になる。

エディター

JotFormでは、フルタイムのエディターがスタイルガイドをゼロから作成した。彼女はそれを使って、僕たちが作成するすべてのコンテンツを編集している。

彼女の仕事はエディターとプロジェクトマネージャーが半々だ。というのも、事実上、Asanaボードのフローを所有している人物だからだ。

コピーライター(2人)

長文のブログ記事を公開したいからといって、短文の記事作成プロジェクトがなくなったわけではない。まったく逆だ。

JotFormにおいてコピーライターは、目標実現に貢献するテンプレートの説明文をつくるという仕事をこなす一方で、次のような仕事もこなしている:

  • ランディングページのテキスト
  • メールマーケティングのメッセージ
  • 動画のスクリプト
  • ソーシャルメディアへの投稿

コンテンツ ストラテジスト

ストラテジストは、次のようなことをベースにトピックを選定したり調査したりする役割だ:

  • SEOの価値
  • オーディエンスにとっての関連性
  • ソーシャルメディアからのクリックを生み出してくれるもの

通常のコンテンツを作成するうえで特に難しい部分は、アイデアがひらめくことだ。

僕は最初、ライターというのはまず書く内容を思いつくものだと考えていたが、それはまったく的外れだった。ライターは、極めて専門的なスキルを持っているが、実際のところ彼らの強みであるスキルは、最初に挙げたような観点とは異なるものだった。

だから、ストラテジストが必要になったんだ。

コンテンツ オペレーション スペシャリスト

数か月間で数万ワード規模のコンテンツを公開したい場合、記事の公開を取り仕切る作業そのものがフルタイムの仕事になる。JotFormでは、記事のほとんどにデザインチームがデザインしたカスタムグラフィックを添える必要もある。

コンテンツオペレーションスペシャリストは、デザインアセット(素材)を取りまとめて、公開スケジュールを設定する前にWordPressですべてが順調に用意できている状態にする役割を担う。

SEOマネージャー

当社のSEOマネージャーはすでにJotFormの他のページで仕事をしているが、僕たちがサイトの拡張に着手すると、意識の大部分をコンテンツの目標に向け直した。

戦略についてはコンテンツストラテジストと協力し、公開する記事のパフォーマンスをモニタリングして報告している。

成果

10万ワードという課題をCEOが提起した時点で、JotFormのブログにはすでにコンテンツがあった。それまで何年もかけてこつこつと作成してきた記事によって、月間約12万人のオーガニックなサイト訪問者がいた。

10万ワードプロジェクトをスタートさせて1年後には、オーガニック検索ボリュームが月間約23万件になったが、それは偶然ではない。

ここ1年では、ピラーページの世界に足を踏み入れることにもなった。

よく知らないという人のために説明すると、「ピラーページ」とは、次のようなものだ。

ピラーページとは、(非常に)長文でオーソリティの高いページ。検索エンジンにリソースと見なされるように、あるトピックのあらゆる側面をカバーしている。

こうしたページを作成するのは途方もなく時間がかかるが、非常に多くの訪問者を呼び込んでくれる。

僕たちは月間3万人以上の訪問者を獲得している。すべて、ここ1年以内に公開したピラーページからの訪問者だ。

これまで、コンテンツマーケティングに重点を置いたことで、オーガニック検索トラフィックが増加し、月間のサイト訪問者は15万人前後増加するまでになった。

まとめ

コンテンツは簡単ではない。本来なら認識しておくべきことだが、僕にとってはそれが最大の驚きだった。

目に見える成果を出すには、極めて専門性の高いスキルを持つ多くの人の手を必要とする。大きな規模で行うには、たとえ月に10万ワードを執筆する必要はないとしても、資金と時間の両方で並外れたコミットメントが必要だ。

しかし、だからと言って、最も理にかなっている規模がどのようなものであれ、うまくいく方法が見つからないわけではない。

コンテンツエンジンを成長させるための秘密などない。魔法のレシピはないのだ。ただ、あるリソースを投じて実現するだけだ。

何よりも、今月のワード数の目標に向けて、この記事で2000ワードほど稼ぐことができた。

この記事が役に立ったらシェア!
メルマガの登録はこちら Web担当者に役立つ情報をサクッとゲット!

人気記事トップ10(過去7日間)

今日の用語

DX
Digital Transformationの略。企業におけるデジタル化・電子化 ...→用語集へ

インフォメーション

RSSフィード


Web担を応援して支えてくださっている企業さま [各サービス/製品の紹介はこちらから]