ノーコードでWebサイト作成! Canvaでホームページの作り方解説
簡単に画像のデザインができるグラフィックデザインプラットフォーム「Canva」が、Webサイトも作れるツール「Canva Webサイト(Canva Websites)」を2022年9月に開始した。一体「Canva Webサイト」ではどんなサイトを作れるのだろうか?
向いているサイトやまだできないことなど、気になる実態をCanvaのJapan Country Manager 植山周志氏へのメール取材と、WebデザイナーでありCanva Japan認定講師の山本和泉氏にインタビューした。
「Canva Webサイト」ってどんなサービスで、何ができるの?
質問 ①「Canva Webサイト」ってどんなツール?
「Canva Webサイト」ってどんなツールなんでしょうか?
「Canva Webサイト」は、無料で使えるWebサイトビルダーです。オリジナルのシングルページWebサイトを直観的かつ簡単に作れます。
「Canva」は、ブラウザ上で豊富なテンプレート・写真・イラスト素材を使ってバナーやチラシ、プレゼンスライドを作ったり、デザインしたりすることができるツールです。
そのCanvaで、1ページのWebサイトを作れるのが「Canva Webサイト」なんです。
質問 ②「Canva Webサイト」の強みは?
1ページのサイトが作れるツールなんですね。「Canva Webサイト」の強みはなんでしょうか?
サービスの強みは豊富な素材をはじめ、いくつかあるので紹介します。
カスタマイズ可能なテンプレートとCanvaライブラリ
数千種類のカスタム可能な無料テンプレートと、数百万点もの写真、グラフィック、要素、フォントなどが揃ったCanvaのライブラリが使用可能レスポンシブデザイン
作成したWebサイトはモバイル、タブレットに対応。プレビューの確認が可能無料ドメインと独自ドメイン
作成したWebサイトに無料でドメインが付属。また、Canvaで独自ドメインを購入して設定もでき、Canva Proにアップグレードすると、すでに自身で取得した独自ドメインとつなぐことも可能ローンチ前にフィードバックが得られる
デザインに対して直接コメントをつけてフィードバック可能リアルタイムでの共同作業
Canvaアカウントがあれば、URLを共有した人とあらゆるプラットフォームで共同作業が可能
一番の強みは、写真やイラストなど素材数の圧倒的な多さで、他のノーコードでサイトを作れるサービスと比較しても一線を画していると思います。
山本さん: ウェブサイト作りで内容に合った写真やイラスト素材を探すのって本当に大変なんですが、「Canva Webサイト」は欲しい素材が見つけやすいので、文字ばかりのサイトになりづらいんです。
あと、CanvaPro(有料アカウント)だと、自身で取得した独自ドメインの連携ができるのも強みの一つだと思います。他のノーコードのサービスは1サイトごとに有料設定が必要なところが多いですが、CavaProアカウントだったら、独自ドメインを使うための追加料金を支払う必要がありません(2023年4月17日時点)。
質問 ③どんなサイトが作れて、どう使うのに向いてる?
どんなサイトを作って使うのに向いているのでしょうか?
アイデアや製品の告知、オンラインプロモーション、イベントの宣伝、チーム内の社内報のようなサイトが向いていると思います。
植山さん: 特に、ビジネスを始めたばかりの起業家にとって、複雑で高価なWebサイトホスティングはハードルが高いので「Canva Webサイト」を活用してほしいです。また、自身の作品や仕事を発信したいコンテンツクリエーターや、フリーランスの人にとっても有用なツールだと考えています。ポートフォリオやリンクインバイオを紹介するシングルページのWebサイトを作り、潜在顧客や既存顧客に自身の仕事をアピールできます。
LP(ランディングページ)よりも、キャンペーンで1週間だけ公開するページや、飲食店のメニュー表を二次元コードで読んでスマホで読めるようなサイトを作るのに向いていると思います。
山本さん: テンプレートや素材が豊富でレイアウトも自由にできるので、上で述べたように飲食店のメニューや店内カタログなど、紙ものをブラウザ上で見せるような作り方にはすごく便利だと思います。二次元コードもCanva Webサイトで生成できるので便利ですよ。
質問 ④「Canva Webサイト」のデメリット、まだできないことは?
デメリットや、「これはまだできない」ということはありますか?
現時点では、Canva Webサイトはシングルページ用のホームページビルダーなので、複数ページは作れません。
植山さん: でも、これはCanvaにとってWebサイト構築のための最初の試みにすぎません。ユーザーの声に常に耳を傾け、Webサイトを含むCanvaのユーザー体験を向上させるために取り組んでいきます。
実は、「Canva Webサイト」はまだ以下のことができません。
- Google アナリティクスなど外部サービスを使ってのアクセス解析
- ページ内にh1など見出しタグの挿入
- レスポンシブ表示の修正
山本さん: 特にアクセシビリティやSEOの観点で言えば、見出しタグが入れられない点はデメリットですね。でも、最近代替テキストが入れられるようになったので、見出しタグも近々入れられるようになるといいなぁって期待しています。これからどんどん改良されていくと思いますが、現時点ではGoogleと仲良くなるには少し時間がかかると思います。
あとは、テキストの情報量が多いと文字の改行位置や配置が意図しない表示になってしまうことがあるので、細かいレイアウトは注意が必要です。でも、せっかく「Canva Webサイト」を使うなら細かい作業をするのはもったいないと思います。素材が沢山あるので、写真やイラストを多めにしてテキスト量を減らしたシンプルなレイアウトを心がけると上手く作れますよ。
植山さん: Googleと連携してのアクセス解析はまだできませんが、Canva Proをご利用の場合、「Webインサイトツール」というツールでアクセス数やエンゲージメント数などを見ることができます。このツールをトラフィックやトレンドの追跡に役立ててほしいと思っています。
質問 ⑤今後の「Canva Webサイト」への期待は?
Canvaさんは今後の展望を、山本さんは今後期待することを教えてください。
現段階では具体的なお知らせはまだありませんが、「Canva Webサイト」にさらに斬新な機能を追加するために常に可能性を探っています。何か新しい情報をお知らせできるようになるのを楽しみにしていてください。
つい最近、自由描画ができるようになったり、代替テキストが入れられるようになったりと、改善が進んでいるサービスです。上述しましたが、Googleと連携してのアクセス解析や見出しタグの追加、複数ページが作れるようになるとさらにビジネスに使えるようになるなと思っています。なんといってもCanvaでデザインを作る感覚でWebページを簡単に作れるというのは楽しいので、試してみてほしいです!
―― インタビューへのご協力、ありがとうございました。
現状はシングルページのWebサイト作成が可能な「Canva Webサイト」だが、これから複数ページの作成やGoogleなど外部との連携など、できることが増えていくかもしれない。
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