ECサイトからの返金や謝礼報酬などの送金サービス「CASH POST」をデジタルガレージが本格展開
デジタルガレージは、同社の決済事業部門であるイーコンテクストカンパニーがネット送金サービス「CASH POST(キャッシュポスト)」のシステムをバージョンアップし、本格的に事業展開を開始することを4月2日に発表した。
同社では「貸金決済に関する法律」に基づく「資金異動業者登録」を完了し、2011年6月末よりキャッシュポストのサービスを主に「ECサイトでの返金の支払い手段」として提供してきていた。
今回、「返金」だけでなく、事業者から個人などへの「送金」としてのサービス側面を強化し、拡大展開することとなった。同社では、「送金」サービスの用途として次のようなものを提案している。
- ユーザー参加型プロモーションの謝礼
- アフィリエイトサービスの報酬
- アンケート協力の謝礼
- 商品券やクーポンの代替
- など
従来の銀行振込や郵便(現金書留、郵便小為替、払出証書)での送金(返金)では、送金先の本人確認をしたうえで口座情報または住所を入手し、振込処理や発送処理が必要だったが、管理の手間や時間がかかるものだった。
キャッシュポストのサービスでは、事業者が送金情報をキャッシュポストに登録すると、キャッシュポストのシステムがメールや郵便などで受取人に受付番号を伝える仕組みで、あとは受取人がキャッシュポストのシステムに受付番号を入力し、受取口座を指定して振込入金を受けるという流れになっている。
初期費用は3万円。月額の基本費用はゼロ円で、送金1件あたり300円(3万円以上の送金では350円)の手数料と5円の処理料がかかる。
同社では、サービスの強みとして次の点を挙げている。
- 1件あたり300円からと、送金手数料が安価(払出し証書や郵便小為替では400円~)
- 最短で即日振込が可能
- 事業者側で振込先口座情報などの管理をしなくてよいセキュリティ性
送金登録では、キャッシュポストの管理画面から個別に登録するほか、CSVでの一括登録やAPIでのシステム連携が可能。
受取人の本人確認としては、キャッシュポストの発行する受付番号に加えて、事業者の指定する認証情報(電話番号、誕生日、ユーザーIDなど任意で指定)を組み合わせられ、受取人への連絡もキャッシュポストから送信するメールだけでなくハガキや封書、その他の事業者の指定する方法など、柔軟に対応できる。
事業者側からキャッシュポストへの入金のルールは、都度入金または事前預け入れ(デポジット)が用意されているほか、キャッシュポストが立て替えて送金しておいて事業者が後払いする立て替え型もオプションで用意されている。
同社ではこれまで、キャッシュポストのサービスを同社の決済サービスを利用している企業向けに提供してきたが、上記のようなバージョンアップを行った上で、今後はさまざまな企業にキャッシュポストのサービス単体で提供していくとしている。
同社によると、ECサイトなどでは売上の1%~3%が返金されているということだが、最近ではアパレル業で手数料なしで返品できるトレンドが強くなっているという。アパレルや旅行業での返金ニーズへの対応を強化するほか、その他の物販やデジタルコンテンツ販売、さらにシステム連携の機能により受注管理システムへの導入も進めていく。
また、企業のマーケティングプロモーションを支援する同社の「ディージー・アンド・アイベックスカンパニー」と連携することにより、個人などへの送金の仕組みを利用したさまざまなプロモーション提案も行っていく。
セキュリティ面に関しては、決済サービスを提供している同社ではクレジットカード情報や取引情報の保護のためのセキュリティ基準「PCIDSS」を取得している。この基準によってキャッシュポストのセキュリティも確保するほか、システム利用制限や異常取引の検知などのセキュリティ確保も行っていくとしている。
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