ブランドリスクの高い広告配信先は? アドフラウド率の高いデバイスは?【アドベリフィケーション推進協議会調べ】

アドベリフィケーション推進協議会は広告キャンペーンにおける各種数値を計測し、「調査レポートvol.3」として公開した。

電通など7社(*)が加盟するアドベリフィケーション推進協議会は、「アドベリフィケーション推進協議会 調査レポートvol.3」を公開した。特定のインターネット広告キャンペーンにおけるビューアビリティー、アドフラウド、ブランドセーフティーの状況を、「配信面」および「配信デバイス」ごとに調査したもの。計測はインテグラル・アド・サイエンス(IAS)が行なっている。

*発足時の5社に加え、新たにDAサーチ&リンクおよびMoat(モート)が加盟している。
*調査レポートvol.1 についてはこちら:https://webtan.impress.co.jp/n/2018/01/29/28144

広告配信面別:プライベート・マーケットプレイス(PMP)は3指標すべてで良好

今回の計測対象となった広告キャンペーンのビューアビリティー(広告の視認率)は、プライベート・マーケットプレイス(PMP)が最も高く、76%となった。それ以外の配信面のビューアビリティーは50%を下回った。

*SNS(1)、SNS(2)は個別のSNS媒体を指す。DSP(1)も同様

*画像中で略記されている広告配信先の名称と概要は以下のとおり。

  • PMP:プライベート・マーケットプレイス。参加できる広告主とメディアを限定した広告取引
  • ADNW:アドネットワーク。複数のメディアの広告枠を束ねて広告を配信するネットワーク
  • DSP:ディマンド・サイド・プラットフォーム。広告枠の需要側(=広告主)が、自社の条件に合った広告枠を購入するためのツール

アドフラウド(広告詐欺)と疑われるトラフィックは、DSP(1)において12.4%となり、他の広告配信先よりも高い値が計測された。アドネットワーク(ADNW)、PMP、SNS(1)、SNS(2)はほぼ横並びであった。

本キャンペーンの広告取引において検知されたブランド毀損リスク(*)がある配信面の含有率は、PMPが最も低く0.1%。それに次ぐADNWが2.2%、DSP(1)が2.3%という結果となった。

*IASがブランド毀損リスクの検出対象として認識するコンテンツには、ヘイトスピーチ、性的表現、違法ダウンロードサイト等が含まれる
*SNSは表示される広告が受信者個人の嗜好や行動によって規定されるため、調査の対象外としている

デバイス別:アドフラウド率はDSPのPC向け配信で高く、ブランドリスクはアドネットワークのスマホ向けが高い

デバイス(PC/スマートフォン)別にビューアビリティーを見たものがこちら。PC・スマートフォンともに、プライベート・マーケットプレイス(PMP)配信面が最もビューアビリティーが高く、70%を超えている。またほぼすべての配信面においてPCのほうがビューアビリティーが高く計測されている。スマートフォンの配信面のビューアビリティーはPMP以外では40%を下回った。

アドフラウドと疑われるトラフィックは、DSP(1)のPC面配信において16.6%と高い値が計測された。また全体的な傾向として、PC面向け配信面においてスマートフォン配信面よりも高いアドフラウド率が計測されている。

ブランド毀損リスクのある配信面の含有率は、アドネットワークのスマートフォン向けで4.5%という高めの数値が計測されている。

なお、当初の調査対象に含まれていた「DSP(2)」に関して、他媒体と比較して著しく低い数値が計測されたことから、「レポート本文での比較対象からは外し、参考資料として掲載」という扱いがとられている。その衝撃的な数値は「調査レポートvol.3」のp.14を参照のこと。

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