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Xは83%減、Facebookも60%減。こんなに変わったメディアのトラフィック源、では検索は……【SEO情報まとめ】

メディアサイトへのトライフィックはどこから? 検索? ソーシャル? 565サイトにおける2019年からの推移を調査したデータを紹介する

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メディアサイトへのトライフィックはどこから? 検索? ソーシャル? 565サイトにおける2019年からの推移を調査したデータを紹介する。

XはTwitter全盛期から83%減、Facebookも依然多いとはいえ全盛期の60%減と、ソーシャルメディアからのトラフィックは激減している。では検索からのトラフィックはというと……。

続く記事では、グーグル公式の「AIでも検索エンジンからサイトに送り出すトラフィックは安定している」発表を紹介する。あわせて確認してほしい。

今回は、良記事が大集合だ!

ピックアップの2記事に加えて、「GEO(生成エンジン最適化)は、信用できなかったり、詐欺だったり」という話題はぜひ確認しておきたい。渡辺隆広氏による「私が使っているSEOツール」も、SEO担当者には超魅力的な内容だ。

2ページにも「ECサイトのカテゴリページに置くべきコンテンツ」「生成AIクローラのレンダリング能力不足」などなど、魅力的な記事がたっぷり!

あなたのAI+マーケ+SEOのチカラを地道にアップさせていくために、ぜひすべての情報に目を通してほしい。

  • Xは83%減、Facebookも60%減、メディアサイトのトラフィック源が過去6年でどう変わったか【調査データ】
  • 「AI検索でトラフィックは減ってない」とグーグルが公式に表明するも……
  • 「GEO? いまは優先度サゲ。信用できないから」大手メディアはGEOに懐疑的
  • GEO業者がやっているのはただのスパム作成や詐欺行為!?
  • 日本のSEO先駆者が業務で活用するSEOツール
  • 上位表示されるECサイトのカテゴリページのコンテンツ量に関する分析
  • ChatGPTなど主要AIクローラーはJSをレンダリングできない → AIでの露出に悪影響の可能性
  • ハッキング被害で検索トラフィックが半減! どうすればいい?
  • 悪質MEO業者によるトラブルが多発! だまされないための対策×3
  • 2025年8月のオフィスアワー: ハッシュタグをつけた検索機能、robots.txt でエンコード文字を使用、AI機能のためにマークアップするべきかなど
  • Googleのゲイリーが明かすAI検索、Google-Extendedクローラー、404ページの真相
  • 検索結果をトピックごとにAIが分類するWeb GuideをGoogleが試験公開

今週のピックアップ

Xは83%減、Facebookも60%減、メディアサイトのトラフィック源が過去6年でどう変わったか【調査データ】
「AI検索導入後もグーグル検索のトラフィックは安定」は本当だった!? (Press Gazette) 海外情報

メディアサイトへのトラフィックはどこから来ているのか。2019年1月から2025年7月の6年半でのトラフィックソースの変化を調べたデータを紹介する。565社のパブリッシャーを対象として、トラフィック元をChartbeat(チャートビート)が調査したものだ。

調査の結果、グーグルが大部分を占める検索トラフィックは安定していることが判明した。また外部リンクからの流入も大幅に増加したそうだ。一方で、ダイレクトおよびソーシャルメディア経由の流入は減少している。

数字を含めた主要ポイントを紹介していく。

トラフィックタイプの変化

  • ダイレクトトラフィックの減少 ―― 分析対象となったニュースサイトへのダイレクトトラフィックは、2019年1月には全トラフィックの16.09%を占めていたが、2025年7月には11.46%に減少した。

  • 検索流入の安定 ―― 検索からの流入は、2019年1月の全トラフィックの15.52%から、2025年7月には19.03%に増加した。グーグルはその優位性を維持しており、検索トラフィック全体の96.2%を占めている。

    ※筆者注: Discoverも含む
  • トラフィックソースの変化 ―― 内部トラフィック(サイト内回遊)は、2019年1月の43.18%から39.26%に減少した。対照的に、外部トラフィック(他のサイトのリンクからの流入)は2倍以上に増加し、7.93%から17.26%に急増した。

  • ソーシャルメディア全体の減少 ―― 流入元としてのソーシャルメディアは減少し、トラフィック全体の17.28%から2025年7月には12.99%まで低下した。

ソーシャルメディアからの流入の変化

  • フェイスブックとツイッターの急落 ―― フェイスブックからの流入は2019年1月以降50%減少し、9億8480万から4億7460万に落ち込んだ。X(旧ツイッター)からのトラフィックも同期間に75%減少し、1億2870万から3180万にまで激減した。

  • RedditとInstagramの成長 ―― Reddit(レディット)からの流入は2019年初頭から220%増加し、600万から1910万に上昇した。ニュースブランドへのインスタグラムからのトラフィックも15%増加し、1490万となった。

ニュースアグリゲーターの実績

Googleニュースからの流入は2025年7月時点で1億700万と、2023年7月と比較して28%減少した。Flipboard、NewsBreak、SmartNewsといった他のアグリゲーターも、2019年および2020年以降、大幅な減少が見られる。

◇◇◇

この次に紹介する記事で、AI検索導入後も検索からのクリックは安定しているとグーグルが公表していることを紹介している。Chartbeatの調査データはグーグルの主張を裏付けている(少なくとも、調査対象になったニュースサイトに限れば)。

対照的に、フェイスブックやXなどの流入は明らかな下落を示している。プラットフォーム内にユーザーを留めるために、外部サイトへのリンクが含まれている投稿の表示機会を減らしたアルゴリズム変更による影響だと推測できる。

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  • SEOがんばってる人用(ふつうの人は気にしなくていい)

「AI検索でトラフィックは減ってない」とグーグルが公式に表明するも……
検索全体から見ればそうなのかもしれないが…… (Google Japan Blog) 国内情報

Google検索における「AIがトラフィックとクリックの質に与える影響」について、グーグルが公式ブログで説明した。

グーグルの報告によると、次の状態だという:

  • 検索エンジンからウェブサイトへの全体的なトラフィックに悪影響を与えていない

  • クリックの質が向上している

主なポイントをまとめると次のようなものだ(上記の補足を含む):

  • オーガニック検索からウェブサイトへのクリック総数は、前年比で安定して推移している。

  • クリックの質は向上しており、質の高いクリック(ユーザーが訪問先のサイトからすぐに離脱しないクリック)によるトラフィックは1年前よりもわずかに上回っている。

    その理由は、「AIの導入によってユーザーによる複雑な検索クエリの数が増え、AIが生成した概要を閲覧した後にユーザーがコンテンツとより深く関わるようになった」こと。

  • AIによる概要(AI Overview)の導入以降、ユーザーは、より長い文章で複雑な内容や、新しい種類の質問をこれまで以上に多く検索するようになっている。

  • AIによる概要では、検索結果ページに表示されるリンクの数が以前よりも増えており、ウェブサイトがトラフィックを受け取る機会を増やしている。

  • ユーザーの動向は変化しており、フォーラム、動画、個人の投稿といった一次情報に触れられるサイトや、詳細なレビューや独自の洞察を含むコンテンツへのクリックが増加している。

トラフィックが大幅に減少したとするサードパーティの調査がいくつも公表されている。しかし、グーグルはこれらのデータについて「不完全な手法や、AI機能導入前のトラフィック変動の分析に基づいている」と反論さえしている。

グーグルの主張は、要は次のような内容だ:

自分たちの戦略は、ウェブとAIを共存させること。

AIを用いて「目立つリンク」「引用元の明示」「本文中の出典表記」によって、ウェブコンテンツを際立たせている。

グーグルの視点で検索全体を俯瞰して見れば、たしかにAI検索の導入後もクリック数に目立つ変化はないのかもしれない。しかしながら、個々のサイトに視点を移せば、AIによる概要によって少なからず影響を受けているサイトが存在するのではないだろうか?

  • ナビゲーショナルクエリを除くとどうなのか
  • ブランド系のクエリを除くとどうなのか
  • グーグルのプロパティ(Googleマップなど)へのクリックを除くとどうなのか
  • Redditなどのフォーラムを除くとどうなのか

などなど、気になり始めるとキリがない。

また、本当に影響がないのかどうかを調べようにも、AIによる概要(加えて、米・英・印ではAI Mode)からのトラフィックを切り分けて計測することは現状できない。

「AI検索による影響はない、第三者の調査は間違っている、検索エンジンはサイトに以前と同じようにトラフィックを送っている」と大本営発表をされても、客観的に裏取りできなければ不信感・不満が消えることはない。

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  • すべてのWeb担当者 必見!

グーグル検索SEO情報①

「GEO? いまは優先度サゲ。信用できないから」大手メディアはGEOに懐疑的
証明されたデータや戦略がないから (Digiday) 海外情報

“生成エンジン最適化(GEO)”をどう扱うべきか悩んでいる人も多いかもしれない。しかし、メディア企業は“GEO”的なものを信用していないようだ。

5社のパブリッシャーがDigiday(ディジデイ)に語ったところによると、過剰とも言える盛り上がりとは裏腹に、パブリッシャーは生成エンジン最適化(GEO)を優先しておらず、懐疑的に見ている。

その理由は、主に次のようなもの:

  • 証明された最適化戦略や信頼できるトラフィックデータに乏しい。

  • AIモデルが絶え間なく変化するため、GEOに投資してもトラフィックの誘導や収益化への有意義な道筋になると確信できない。

あるCEOは次のように指摘した:

GEOの成果を約束するいかなる人物にも懐疑的だ。彼らの説明は、何の事実にも基づいていない。「AIの出力を確実に最適化できる」と証明した者は、誰もいない。

GEOへの投資を躊躇する理由には、絶え間ないAIモデルの変更が大きい。ほかにも、次のような要因を挙げている:

  • コンテンツが表示される理由の不透明性
  • 信頼できるデータやツールの欠如
  • GEOが有意義なリーチをもたらすという証拠がない

また、「エージェント検索」からのトラフィックは、従来のグーグル検索に比べて依然として「微々たるもの」と見なされており、多くのパブリッシャーにとって優先順位は低い。

SEO業界では、GEOが実行可能で検証可能な戦略であるかどうかは言うまでもなく、その名称さえ定まっていない(筆者補足: 「LLMO」「AEO」「AIO」など入り乱れている)。

しかし実際のところを見ると、SEOとGEOには多くの共通点がある。E-E-A-T(経験、専門性、権威性、信頼性)のような従来のSEOのベストプラクティスは、AIツールでのランキングにおいても依然として基本だという点だ。

あるSEO責任者は、グーグルで上位に表示されるコンテンツはAIの回答エンジンでも上位に表示される傾向があるため、GEOは主に「SEOの焼き直し」であると考えている。

SEO分野の専門家は、次のように認めている:

AIエクスペリエンスにおいて、

  • コンテンツが表示されるかどうか
  • コンテンツがどのように表示されるか

を制御できる者はほとんどいない。“GEO”の専門家を装う者は、誰であれ“嘘”をついている

もっとも、懐疑的な見方がある一方で、一部のパブリッシャーはGEOの戦術を試している。「AIが検索を支配する未来」への必要な準備と見なしているのだ。

◇◇◇

Digidayのインタビューに応じた5社のパブリッシャーは意外に冷静だったというのが、筆者の印象だ。パブリッシャーたちが指摘しているように、生成AI検索は従来のSEOの延長であり、特別な手法が確立されているわけでもない。正しく理解している。

やれ「GEO」だ「LLMO」だと騒ぎ立てるSEO業者(GEO業者と言うべきか?)が“雨後の筍”のように出現している。すべてがすべてインチキとだいうつもりは毛頭ないが、怪しいところも多い。簡単に口車に乗らないように、くれぐれも気をつけてほしい。

GEOやLLMO、およびそれらに類似するものを前面に押し出しているサービスは、本当に疑ってほしい。契約するのであれば、その前にセカンドオピニオンの利用も検討してほしい。

こうした発言をしているのは、筆者がSEOプラットフォームを提供している企業に所属しているからではない。顧客を半ば騙すようなビジネスを多く見てきた経験から、そして、健全なインターネットを希求する思いからだ。

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  • すべてのWeb担当者 必見!

GEO業者がやっているのはただのスパム作成や詐欺行為!?
グーグル社員が懸念を表す (John Mueller on Bluesky) 海外情報

先に紹介したDigidayの「パブリッシャーはGEOに懐疑的」の記事の一節を、バリー・アダムス氏が引用してBluesky(ブルースカイ)に投稿した。

※筆者補足: バリー・アダムス(Barry Adams)氏は特にニュースSEOを得意としている米国の著名なSEOコンサルタント

GEOをめぐる盛り上がりには、急いで対応しなければならないかのような空気がある。しかし、多くのメディア運営者はそれが誇張にすぎないことを理解している。

これに、グーグルのジョン・ミューラー氏が反応した。

すぐに動かないと機会を逃すと思わせる雰囲気が強ければ強いほど、新しい略語が強調されればされるほど、それがスパムや詐欺行為である可能性は高い

The higher the urgency, and the stronger the push of new acronyms, the more likely they're just making spam and scamming.

「GEOコンサルティング」や「LLMOコンサルティング」といったふうに大々的に宣伝している業者のなかには、ミューラー氏が言うような怪しげなところがあるのも確かだ。ミューラー氏はそうした懸念を表したのであろう。

「GEO」「LLMO」「AEO」などAI検索最適化の略語に対して、海外のSEO専門家が否定的な見解を示すのを、ここのところよく目にする。これは、

  • そういった施策そのものを否定している

のではなく、

  • 目新しさや緊急性に便乗して、成果を期待できない(あるいは成果が出たかのように見せかける)サービスを販売する悪徳業者がはびこることを嫌っている

のだ。結果的に、SEO業界全体に対するイメージダウンにつながってしまう(実際に筆者の耳にも、日本でそうした動きをしている企業の話が伝わってきている……社名をここで挙げられないのが残念だが)。

米国のトップSEOコンサルタントのリリー・レイ氏も、GEOやAEOなどのAI検索に関する施策について次のように不快感を表している。

現在のAEO/GEO/AI検索に関するアドバイスの大きな問題の1つを説明すると、こういうことです:

多くの人が強引な主張(もちろん証拠はない)を繰り返し、その主張を鵜呑みにした人たちが、さらに多くの人に広めている。

その結果、生成AI自体がそうした主張をAI検索の指針として取り込んでしまっている。

「いいかげんなAI検索最適化を喧伝する人がいて、それをLLMが学習してしまい、それを信じ込んでしまう人がいる」という悪循環が発生しているのだ。こういう点でも、無責任なGEO業者の存在は迷惑きわまりない。

★★★★☆
  • すべてのWeb担当者 必見!

日本のSEO先駆者が業務で活用するSEOツール
ただしAIコンテンツ作成ツールはスパムツール (SEMリサーチ) 国内情報

SEO業界歴30年、日本のSEOの先駆者でもある渡辺隆広氏が、自身が業務で利用しているSEOツールを紹介した。

「順位取得ツール」「SEO支援ツール」「キーワード調査ツール」を中心に、渡辺氏が実務で実際に活用しているSEOツールを数多く共有してくれている。

たとえば次のようなツールだ:

  • Advanced Web Ranking (AWR)
  • Semrush
  • Keyword Tool
  • DS.INSIGHT
  • StoryHub

これらのツールを利用する理由も説明している。ツール選定の参考にしてほしい。

なお、AIによるコンテンツ作成ツール(1つの例外を除く)については次のように注意を促している(強調は筆者による)。

いま世間に出回っている「AIで大量に記事を作れます」「AIで記事作成を自動化・効率化します」といった、文章作成そのものを自動化・効率化する類のサービスの大半が単に低品質なコンテンツを吐き出すためのスパム支援ツールです。そもそもの話、ChatGPTやGeminiに尋ねれば同じ情報が出てくるようなものを自社サイトに掲載すること自体に意味がないことに気がつくべきです。

辛辣に聞こえなくもないが、筆者としては「よくぞ言ってくれました!」と拍手を贈りたい。

★★★☆☆
  • SEOがんばってる人用(ふつうの人は気にしなくていい)
用語集
CEO / CMS / CSS / Discover / E-E-A-T / EC / Facebook / Googlebot / HTML / Instagram / JavaScript / SEM / SEO / URL / X / インデックス / オーガニック検索 / キャッシュ / クエリ / クローラー / クロール / コンバージョン / ソーシャルメディア / タグ / ダウンロード / ビッグワード / ボット / リンク / リーチ / 外部リンク / 検索エンジン / 訪問 / 透明性

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