ビッグデータの活用を実現するBusiness Intelligenceツール
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企業内外の大量の情報データ(ビッグデータ)を分析・可視化し、課題の把握と改善施策等の意思決定を容易にする情報系アプリケーションのBusiness Intelligenceツール(以下BIツール)。
このツールは導入することで「データ分析の専門家」に依頼せずともデータの分析が可能になるという前提ではありますが、高価なツールも多く操作も複雑なことから、企業が導入し、活用に至るには高い障壁がありました。
しかし、最近では価格も比較的安価なツールも登場し、操作性の向上も進んだこともあり、「経営課題の解決」という大きな目的に留まらず、「Webサイトの課題の解決」という分野でも活躍が目立つようになりました。
そもそもBIツールとは何か?
簡単にまとめると、大量の情報データ(ビッグデータ)を分析し、その結果を視覚的に分かりやすく表示してくれる情報処理ツールです。
企業には顧客管理システム、営業管理システム、会計システム、販売管理システムなど、様々な情報が存在します。
特にWebサイトを活用されている企業においてはアクセスログ情報、EC・会員サイトの顧客情報、購買情報、サイト回遊データ、最近ではソーシャルメディアのコメントなど、情報データは爆発的に増えていると言えます。
しかし多くの場合、これらの情報は独立して管理されているので、“一連”として情報を知ることができません。
具体的な例を紹介しますと、会計システムにはA社が未入金が多いとの情報がありますが、営業管理システム上にはこの情報がないので、A社が単純に発注数が多い優良顧客に思えてしまったりします。
しかしこれらの管理の異なる情報を分析し、活用するにはそれらのデータを統合して分析する必要があり、これを手作業で集計するには手間と時間がかかってしまいます。解析の前のデータ統合だけで2、3日かかってしまうといったケースも往々にあるようです。
また、例えば商品の購買データを分析する場合、曜日ごとに見てみたい、購入者の年齢や性別でみてみたいなど、同じデータでもさまざまな切り口で表示したいというニーズもあると思いますが、これをエクセルで実現しようとする場合、それぞれに表を作成する必要があり、これにも手間と時間がかかってしまいます。
こうした問題を解決できるのがBIツールです。
BIツールをWebマーケに活用する
BIツールをWebサイトの課題の解決のために活用する場合の多くは、“顧客分析”や“購買分析”のために利用されています。
そしてこれらの分析を行い、顧客を知ることは、新規顧客開拓と既存顧客の離反防止の2つの施策に活かすことができます。
まず、実際に購買したユーザーの性別や年齢などの属性や、時間や曜日、季節などのタイミング等を分析することで、もっとも確立の高い購買プロセスを把握することができるようになります。
例えば20代後半の男性は、月曜日のメルマガをよく閲覧している、金曜日の購入が多い、などの情報を知ることによって、月曜日のメルマガを20代男性向けにプランニングしたり、広告を金曜日に集中したりといった施策が立てやすくなります。
さらに、プロモーション等の施策と絡めた情報を分析することで、どの媒体から来たユーザーはどういう商品を買っていたのか等の細かい情報を把握することができるようになります。
こういった情報を有効に活用することで、媒体選定や媒体ごとのクリエイティブ設計、訴求する商品などの施策の精度を高めることが可能になります。
またこの逆に、休眠顧客になってしまったり、退会してしまったユーザーを分析し、どういったユーザーがどのタイミングでなぜ離反するのかといった傾向を掴むことで、離反防止施策が立てやすくなります。
上記はほんの一例にすぎませんが、BIツールを活用し、分析作業の生産性を向上させることでより早く確実な意思決定が可能になり、WebマーケティングのROI向上へとつなげることも可能になります。
BIツール導入にあたって
しかしBIツールもあくまで“ツール”でしかないので、導入しただけで効果が保障されるものではありません。活用し、しっかりとした成果を上げていくには導入プロセスにおいて留意点があります。
導入プロセスにおいて、最も重要なのは要件定義です。
BIツールを導入したが、使いものにならなかったという場合、要件定義がしっかりとなされていなかったということが多くあります。
これはBIツールに限ったことではありませんが、システムを導入する場合、何を解決するためなのかという目的を明確にし、この目的を実現することを常に念頭においてプロジェクトを進める必要があります。
BIツールの場合、データを分析して視覚的に表現することが目的ではありません。
その分析結果を利用して、正しく課題を把握し、改善施策等の意思決定を行うことが目的ですのでこの目的を実現するために、ブレずにプロジェクトを進めることが重要になります。
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