属性ターゲティングをとことん突き詰めて成果に変える――運用力で勝負する代理店のインタレストマッチ活用術
※2013年1月29日より、興味関心連動型広告「インタレストマッチ」は「Yahoo!ディスプレイアドネットワーク(YDN)」という総称に変わりました。 インタレストマッチは広告掲載方式のひとつとして存続します。
「新しいお客さまに、
的確に、広く、安くリーチできること
それがインタレストマッチのいいところです」
こう語るのは、大阪で広告代理店を展開する株式会社プロモのメディア部マネージャーの錦織俊史氏だ。
同社は、1999年からネット広告を扱っている関西圏では老舗の代理店だ。クライアントは中小企業が中心で、幅広い業種や商品の案件を扱っている。その中には、Yahoo!プロモーション広告を使った提案も数多く含まれるが、特にこの半年でインタレストマッチの実績が飛躍的に伸びている。その理由とインタレストマッチの魅力について、錦織氏は次のように説明する。
「ネット広告は費用対効果が見えるので、当然お客さまもそこを重視します。どこでも同じでしょうが、特に関西圏はCPA(顧客獲得単価)に対してシビアな傾向があります。東京だとブランディングの広告も多いかと思いますが、関西ではまず『いくらかけたら、どれだけとれるの?』と聞かれます。
運用を任される側としては、いかに獲得数を伸ばせるか、最適なKPIを設定して費用対効果を最大化できるかが、勝負になります。まずリスティング広告がご提案の基本になります。ただし、社名、商品名、サービス名でコンバージョンが取れない中小企業のお客さまだと、CPAが高くなりがちです。
費用対効果をどう引き上げるか。さらに潜在顧客層にどうアプローチし、獲得件数を増やしていくか。これらの課題を解決できる広告がインタレストマッチです。
2012年6月のバージョンアップと機能拡充で、インタレストマッチの広告と掲載ページ(コンテンツ)のマッチング精度が大幅に向上しました。さらにターゲティングも細かくできるので、PDCAを突き詰めていけば高い費用対効果が期待できます。
つまり、きちんと運用さえできれば、新しいお客さまに、的確に、広く、安く、リーチできて、着実に成果を上げられる広告というわけです。弊社の強みは広告の運用ですし、いち早く取り組んで提案を行ったことが実を結びました。
また、Yahoo! JAPANの担当者からバージョンアップの情報や市場データなど提供してもらったり、営業担当を交えた社内勉強会にも協力してもらえたりしたことも、拡販体制を整えるための助けになりました
」(錦織氏)
結婚紹介所の集客を細かな属性ターゲティングで最適化
プロモでYahoo!プロモーション広告の運用を担当しているのが、メディア部SEMチームの重成美恵氏だ。担当する結婚相談所の案件では、インタレストマッチのターゲティング機能を活用している。
結婚相談所では、会員登録がコンバージョンとなり、そこに至るまで「広告」→「Webでの仮登録」→「本登録」という段階を踏む。
「インタレストマッチの運用では、ターゲティング機能を有効活用しています。性別や年齢に加え、急速に利用者が広がっているスマートフォンも、PCとユーザーの意識が異なるため、キャンペーンを分けて運用しています。
それぞれのキャンペーンを分けて運用することで、適切な入札が可能になり、さらにそれぞれのターゲットに向けて異なる広告を配信できます。同じ20代後半で結婚を考えていても、女性と男性では結婚に対する考え方は異なります。同様に、女性でも20代と30代では違いがあります。
そこで、インタレストマッチのターゲティング機能を使って、性別や年齢の違いに合わせて広告文も分けて設定します。そして、ターゲットと広告文の組み合わせごとにストーリーを組み立ててアプローチすることで、効果の改善や獲得の増加が可能になります。
たとえば、『出会い』というキーワードは、若い方にとっては、恋愛という意識で興味を引くものの、なかなか結婚には結び付きません。クリック率やWebでの仮登録は高いが、その後の本登録率は下がることになります。一方、年配の方にとっては、結婚を意識したものになります。同様に、『見合い』『婚活』といったキーワードも、年齢や性別の組み合わせで結婚に対する温度感に差があります。
当然、CPAも異なってきますので、ターゲットごとに目標CPAを設定したうえで最適化するという運用をしています
」(重成氏)
広告テキストでユーザーの曖昧なニーズを顕在化
重成氏と同じくメディア部SEMチームでリスティング広告の運用を担当するのが、大倉圭輔氏だ。広告文の考案からターゲティング設定、成果の分析までを手掛けている。
「インタレストマッチの場合、スポンサードサーチとは違って、ユーザーは明確なニーズを持って広告に接触しているわけではありません。
スポンサードサーチでは、他社との違いを明確に表現して、強みや実績をアピールすることが重要です。一方のインタレストマッチでは、潜在的なニーズに響く広告文の作成が求められます。
また、それに答えるランディングページも重要になります。検索のようにニーズがあるわけではないので、ランディングページが広告文とマッチしている必要があります。
ユーザーの潜在ニーズを引き出すような広告コピーを作り、そのニーズをランディングページで顕在化させ、新規顧客を獲得するといったプランニングが必要になります
」(大倉氏)
「回転寿司でラーメン?」の意外性をインタレストマッチで認知
プロモが手掛けた案件の1つに、回転寿司チェーンの「くら寿司」(株式会社くらコーポレーション)が2012年11月に発売したラーメンがある。新製品であるにもかかわらず、告知はリスティング広告のみだったこのキャンペーンについて、営業企画部の岩河勇太氏は次のように振り返る。
「くら寿司様は、いつもはテレビCMや新聞チラシといったマス媒体に広告を打つような企業です。ところが、ラーメンのキャンペーンでは予算が限られていたうえ時間もなかったため、ターゲットへのリーチ単価を抑えつつ、なるべく広い層にアピールできるネット広告を使うことになりました。
実は、くら寿司様にとって初めてのネット広告でもあったのですが、弊社が得意とする案件ということで、お手伝いさせていただきました。商品自体も『回転寿司のラーメン』という意外性のあるものですし、プロモーションでも新しい試みをされたということですね。
広告の目的は店舗への集客ですが、ラーメンというセグメントでターゲティングできる媒体で、多くの方に商品を知ってもらおうとインタレストマッチを使いました。ネット広告から店舗への誘導なので効果を測定しづらいですが、ねらいどおりのページ誘導数とコストで、認知という目的は達成できたと考えています。
スポンサードサーチも併用しましたが、CPC(クリック単価)は圧倒的にインタレストマッチのほうが低く抑えられました。実際のラーメンの売れ行きも、完売店が多数出るなど好評でした
」(岩河氏)
自社だけでなくクライアントと媒体も潤うことで成長
今後の展望について、錦織氏は次のように語ってくれた。
「弊社のモットーは『みんなが潤う』ですので、弊社もクライアントも媒体も、すべての皆さんがうまくいくように努めるということです。既存のお客さまとの信頼関係を第一に、新たな開拓もしていきます。
大手の代理店と比べると人数は少ないかもしれませんが、社員それぞれがプロフェッショナルとしてのスキルを磨いて、お客さまと向き合っています。社員の中には、Yahoo!プロモーション広告プロフェッショナル認定試験で満点を獲得した者もいるなど、意識の高い精鋭がそろっています。
弊社としては、きちんと成果をお返しすることでお客さまのビジネスが成長して、それでまた弊社も成長できるという循環を築いていきたいです
」(錦織氏)
- 本社所在地 ● 〒530-0047 大阪市北区西天満2丁目6-8 堂島ビル4F
- 事業内容 ● 企業のプロモーション活動の総合的な企画立案・制作の実施、インターネット広告をはじめ各種メディアの取扱いなど。
- URL ● http://www.promo-ad.co.jp/
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