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日本でいちばん大切にしたい会社」 からご覧ください。
先週、博報堂大学幸せのものさし編集部が出版した本、『幸せのものさし』をご紹介しましたが、その中で取り上げられていて気になった本を読んでみました。
● 『日本でいちばん大切にしたい会社』(坂本光司著・あさ出版)
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この本は、長い間、数千社へのヒアリングを通して、中小企業経営を研究してきた坂本光司教授が、今までに話を聞き、研究を重ね、心の底から共感し、これからの日本にずっとずっと存在していて欲しい、我々日本人が大切にすべき会社5社についてまとめられたものです(何と、もう50万部も売れているんだそうな)
坂本教授は、中小企業は、自らの経営が厳しくなると、往々にして下記5つの外部要因のせいにして、言い訳をしてしまうそうです。
- 景気や政策が悪い
- 業種・業態が悪い
- 規模が小さい
- ロケーションが悪い
- 大企業・大型店が悪い
価値ある企業は、問題を「外ではなく全て内にある」と捉えている、としています。また、坂本教授は、会社経営とは「5人に対する使命と責任」を果たすための活動と定義しています。坂本教授が言う5人とは、
- 社員とその家族を幸せにする
- 外注先・下請企業の社員を幸せにする
- 顧客を幸せにする
- 地域社会を幸せにし、活性化させる
- 自然に生まれる株主の幸せ
です。
坂本教授は、「顧客第一主義」を否定しています。顧客満足を向上させるためには、まずそこで働く社員が幸福でなければならないから、だそうです。
2番目に外注先・下請企業が来ています。坂本教授は、「外注先・下請企業は、自社(発注元)がやらない・できない・やりたくない仕事を引き受けてくれる本当にありがたい存在。業者や虫けらのような存在ではなく、大切な大切な “社外社員” なのだ」としています。
そして、3人目が顧客。「顧客が3番目に大切なんておかしい!」という声もあるそうですが、坂本教授は先ほどの理由からこの順番にこだわっているそうです。
4人目が地域社会。これは何も難しいことではなく、地域社会の方々から、「あの会社は私たちの町のシンボルだ」 「この会社はわが町の自慢だ」 「この会社にこそ、息子や娘を入社させたい」と思われるような会社になることだ、と言います。別にメセナやフィランソロピーがどうだ、立派な建物や寄付などの金銭的なことだけが地域社会への貢献や活性化ではない、と言います。
最後に、株主の幸せ。最近は、株主至上主義経営が否定されつつありますが、坂本教授は、「株主は大切な存在。しかし、これは目的にするものではなく、先に述べた4つが実現したときに結果として得られるもの」としています。また、株主や出資者への還元は物理的なもの(配当など)と心的なものの2種類があると言います。
心的なものとは、「好業績・高配当企業である以前に、その会社の社員、外注企業、顧客、地域住民など、かかわり合いのある全ての人々から尊敬される企業になって欲しい」という株主の願いだそうです。「この会社の株主であることを誇りに思う 」 — そんな境地に行けたら最高ですね。
第2部からは、いよいよ、具体的な5社についての考察が始まります。全ての企業に共通しているのは、(好業績なんですが)、業績ではなく “継続する会社” を目指して経営されていること。
なぜ継続なのか。
それは、社員、外注先企業、顧客、地域社会、株主を幸せに【し続けること】が会社の使命だと思っているからだそうです。
<紹介されている5社>
- 障害者の方がほめられ、役立ち、必要とされる場所をつくりたい — 日本理化学工業株式会社
- 「社員の幸せのための経営」 「戦わない経営」を貫き、48年間増収増益 — 伊那食品工業株式会社
- 「人を支える」会社には、日本中から社員が集まり、世界中からお客様が訪ねてくる — 中村ブレイス株式会社
- 地域に生き、人と人、心と心を結ぶ経営を貫いていく — 株式会社柳月
- 「あなたのお客でほんとうによかった」と言われる、光輝く果物店 — 杉山フルーツ
本の帯に「なぜこの会社の話を聞いて、人は涙を流すのか?」とありますが、僕も読んでいて本当に泣いちゃいました(東海道線の車中で)。
企業の存在意義、社会的責任、ミッション・ビジョンや経営理念、HRM(ヒューマン・リソース・マネジメント)などに興味がある方に、特にオススメです。
ぜひ。