![](data:image/png;base64,iVBORw0KGgoAAAANSUhEUgAAABYAAAAXCAMAAAA4Nk+sAAAABGdBTUEAAK/INwWK6QAAABl0RVh0U29mdHdhcmUAQWRvYmUgSW1hZ2VSZWFkeXHJZTwAAAAwUExURbTe/2u9/2O19+f3/0qU1sbn/2Ol3qXW/5zW/63W/3O9/4zO/9bv/4TG/////////34tGU8AAAAQdFJOU////////////////////wDgI10ZAAABo0lEQVR42mLghwIeMIDxAAKIASrIzcTLzcvLyA4VBgggBoggLw8fGLByQSQAAggkzMrEysfMzcbGxsvKx8cOFgcIIKAwDxMzHy8LEzc3Ny8bGw8fA0gcIICAwow8fGxMnJycDEDEy8LKx87Jzw8QQAz8DBxgUQ6gAawcnLwszHyM/PwAAcTAz8jHysbOwc7BwMzMwM7BwcTGx8rODxBADDy8fGy83BzcHOwMQFEgBVTOxA8QQAw8nHwsvBxAPicfH5Dk5mbj5OPlAQggBh5WZhagT7h5gcJgmo2bj5sHIIAgwiAAEgYBsDBAADHwMPBBhNlhwpxAYYAAYuABuo8NxOWGCoNcyAMQQAz8XEAHcgEBBx8fiGJj4+Ph5QcIIAZ+dlagciAfpBooysLDx83KDxBAQM9z8TGzsTExgiEb0PNAxfwAAQQU5uTl4+NmAcoAw5CNmY+ZCRgZAAEECliQOA8oYIGO4OPhAgkBBBA4Gji5WPmggJ2JFSQCEEDQSGPn4mZlZWXgZeSE8AECiAEWqZzcQMdwwngAAQQX5keOeH6AAAMAlF8VLPn5lcgAAAAASUVORK5CYII=)
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Twitterマーケティング」 からご覧ください。
書評がぜんぜん書けてませんでしたが、いくつかアップします。
最近読んだのは、まずこちら。
●山崎富美、野崎耕司、斉藤徹、川井拓也 著「Twitter マーケティング 消費者との絆が深まるつぶやきのルール」Impress Japan
![Twitter_marketing Twitter_marketing](http://www.tribalmarketinglab.jp/communitainment/images/2009/11/26/twitter_marketing.jpg)
twitter本は賛否両論ですが、こういう流行りモノはとりあえず関連本を何冊か読んで、一気に情報をインプットした方が良いと思います。
こちらの本は、その名の通り、「twitterとは?」という概論だけではなく、企業がtwitterを活用してどのようなマーケティング活動ができるのか? んじゃ、具体的に何から始めればいいの? どんなことが期待できるの? どんなところに気をつけて運用すればいいの? みたいなところを事例と共に丁寧に解説してくれていると思います。
以下、琴線に触れたところを一部抜粋。
●サウスウエスト航空ではソーシャルメディアチームを編成し、チーフ・ツイッター・オフィサーがツイッターのコメントやフェースブックのグループをチェックしており、サイバースペース上で問題が起きたときにはすぐに「パーソナルな方法で」対処に当たるとコメントしている。(P32)
●(企業がツイッターマーケティングに取り組む上で注意すべき点は)企業のブランドを代表するものなので、ロボットではだめで、「人」が対応するということが重要だと思います。きちんと人が対応していなければ、ユーザーにはすぐに分かってしまいます。ツイッターの場合、コミュニケーションがパーソナルであるほど成功の確率は高まると思います。スターバックスが非常に良い例です。スターバックスのツイッターは、ある社員が会社のためになると思って上司の了解も得ずに始めたものなのですが、それが大成功したために会社からも認められるようになったそうです。(P58のtwitter米国本社Japan Country Managerインタビュー)
●(アサヒ・コムの)ツイッターを運用している編成ユニットはわたしも含めて40歳前後の人が多いんですね。その年代だと長年新聞社にいるため、情報を発信する際にあれはダメだろう、これはダメだろうと自己規制が働きます。そうするとほとんど発信できなくなってしまうので、そういうことを気にしない若手に担当させています。当然稟議を通すにも「ツイッターって何?」というところからやっていると時間がかかってしまうので、とりあえず "試験的に" スタート。ただし、公序良俗に反するツイート、誰かの経済的利益を損なうツイートなどはダメといった、最低限のルールだけは事前に決めてスタートしました。
(略)
現在のビジネスモデルだと、結局RSSと同じでフォロワーが1億人になろうが2億人になろうがアサヒ・コムのサイトにアクセスしていただけないと、われわれにとって何の利益もないんです。われわれはまだサイト媒体という「場のビジネス」をやっていますから、ツイート内のURLをクリックしてサイトへ戻ってきていただいたアクセスだけが、実績としてカウントされます。ただ、サイトへ戻ってきてもらうというのは、いまのネットの仕組みからするともう難しくなっている気がします。それはツイッターに限らず、APIが公開されるなど、サイトへアクセスしなくても情報が得られる仕組みが主流になってきているからです。わざわざアサヒ・コムに戻ってきてもらうというのは、戦略としてはいまの段階では正解なんだと思いますが、長い目で見るとちょっと苦しくなってくるのかもしれません。(P98、P102のアサヒ・コムご担当者様インタビュー)
●(ヤフー・ショッピングの)ツイッターは、売上よりも当ショッピングの印象を変えていくためのツールとして捉えています。ツイッターを始めて一番うれしかったことは「ヤフー・ショッピングの印象が変わりました!」とフォロワーの方に言われたことです。日々のやり取りをしていく中で親近感を持っていただく。売上よりもそういったプロセスの積み重ねでイメージを改善していく効果の方が大きいと思います。その先に、実際にご購入していただくという結果がくるのではないでしょうか。ツイッターをやるからにはこれだけ売り上げよう!といった考えを持つと失敗すると思います。(P111のヤフー・ショッピングご担当者様インタビュー)
●(NAVER:ネイバーでは)ツイッター担当者を、社内ではユーザーコミュニケーション担当と呼んでいます。PRやマーケティングは、どちらかというと攻める感じが強いと思うんです。逆にコールセンターだと受けなんですが、彼女の場合は受けだけではなくて、例えばツイッターで「ネイバー」とツイートしてくれた人にこちらから能動的に働きかけていくという、受けつつも攻めるみたいなところもあります。基本的にわたしたちは、ユーザーとのつながりを大事にしていこうという前提で始めたので、もう彼女にはそのユーザーコミュニケーション専任でやってもらおうと考えたわけです。
(略)
マーケティングツールとしてサービスへトラフィックを誘導するとか、そういうところについては、それほど重要視はしていません。ユーザーとつながって、そのきずなを深めていくためのツールとして考えていたので、どちらかというと彼女が1ユーザーの視点としてコミュニケーションして、その中でネイバーを応援してあげようとか、サービスとしてはまだまだだけど、応援してあげたいなと思ってくれればそれでいいかなと思いますね。
(略)
ツイッターは、ユーザーと近づきたいと思っているサービスや業種には向いていると思いますね。例えばイベントで、大きな企業の商品にアンケート用紙が付いていて、そこにご意見をお聞かせくださいと書かれていることがありますよね。そこでも5段階評価などの意見を聞けるといえば聞けるんでしょうけど、例えば同じ「いい」という評価でも「へえーっ」ていうのと「おおっ!」っていうのは違うじゃないですか? そういう微妙なユーザーの反応というのがツイッターではわかるので、ネット系サービスのようなユーザーの意見を反映してシステムを改善するといったことはやりやすいと思います。
(略)
ツイートに対して、反応が返ってくるというのが本当に楽しいですね。ただわたしはツイッターでつながりたいからやっているわけじゃなくて、できればいまフォローしてくれている1324人の人に会ってひとりひとりとお話したいくらいなんです。でも物理的にそれができないので、ツイッターやブログを通してコミュニケーションしているという感じです。やりとりできる嬉しさというのが一番のモチベーションになっているかなと思います。
(P115~P116、P118、P120~P121のネイバーご担当者インタビュー。刺さった・・・)
●(デル)ツイッターの怖いところは、始めるとやめられないということです。終わりがないんですね。イベントなどのアカウントの場合、そのイベントが終われば終了という場合もあると思いますが、継続的に事業をやっている会社であればやめるという選択肢がない。(P124のデルご担当者様インタビュー)
●(ポーケン)最初からこれだけはやめようと思っていたのは、ポーケンから単に何をリリースしましたとか、何を売りますよ、何をしますよというように、言いっぱなしになること。自分が個人で持っているアカウントで、そういう企業のアカウントを見てもあまり楽しくないと思うんです。情報だったら自分で見に行くから、いってくれれば楽だけど、すごく押しつけがましい感じに聞こえてしまうと思うんです。だったら言いたいことだけじゃなく、ユーザーが言いたいことを受けたり拾ったりして、それに対して返事をしたり、企業アカウントっぽくないこともツイートしたりした方が、途中で何かやりますよということもすんなり言えると思うんです。そうしたバランスを考えながらやっていますね。
(略)
ポーケンはハードを売っている会社ですから、それを買っていただくことが第一だとしても、ツイッターなどではそのあともずっと継続して使っていただくための情報を出すようにしています。「イベントがありますよ」とか、「ほかの人はこういう使い方をしていましたよ」というふうに。(P133~P134のポーケンご担当者様インタビュー)
●ツイッターのビジネス活用はフレンドリーマーケティングという新しいジャンル。フォロワーとの心理的距離感を縮めるためには役立つ情報だけではなく担当者のパーソナリティーを感じさせる個性が欠かせない。一歩先に使い始めた各担当者は異口同音に次のように話してくれた。「予定調和では面白くない。楽しみながらやらないと失敗する。やるなら早くやったほうがいい。」(P145)
とまあこんな感じです(どんな感じだ)。
引用がほとんど第3章のツイッターのビジネス活用レポート(事例紹介)パートばかりになってしまいましたが、このパートは各社ご担当者様が本当に良いこと言ってます。企業でtwitterアカウントを開設した方、する予定がある方、どうしよっかなーと考えあぐねている方は、ぜひ上長含め読んだ方が良いと思いますよ。
これ、twitter云々の話じゃなく、ソーシャルメディアマーケティングのAdvocacy型を展開する際は、全く同じことなのです。(まあそれを言ったらセスゴーディンが2000年に書いたパーミションマーケティングでも「ともだちマーケティング」って言葉はすでに出ていたわけで、ようやくぐるっと回って返ってきた感があったりします)
※ ソーシャルメディアマーケティングのAdvocasy型については、マイクロソフトのソーシャルメディアリードであるクマムラさんのブログ life is so... 「"バイブル" が生まれるまでのハナシ - 16」で詳しく解説されています。前後含めて読んでみてください。超参考になりますから。
ということで、本書は事例紹介以外にも、お役立ちクライアントやツール類など、短期間で仕上げた本にしては結構精度高いと思いますので、興味がある方は一読をオススメします。
書評つづくっ!