アダストリアが物流戦略を強化している。アダストリアとグループの物流子会社であるアダストリア・ロジスティクスは、茨城県常総市の「グッドマン常総」内にある物流センターに最先端のオートメーション設備を導入。物流効率が最大60%向上するという。また、8月1日に関西の新たな物流拠点である西宮北物流センターを稼働した。
「グッドマン常総」内でのオートメーションプロジェクトは、アダストリア、オークラ輸送機、プラスオートメーションなど取引先各社の協力で実現。働く人に優しい物流環境を構築し、物流効率を最大で60%向上するという。
機器はオークラ輸送機の協力の下、保管、ピッキング設備としてHIK ROBOT社製CTU(コンテナ移載ロボット)、LMR(潜入式搬送ロボット)を導入した。

CTU(コンテナ移載ロボット)用高層ラック

LMR(潜入式搬送ロボット)
そのほか、国内初の3区画同一エリアに仕分けロボットを120台導入。プラスオートメーションの協力の下、仕分け、配分設備としてLibiao社製t-Sort(ソーティングロボット)を導入。800店舗の仕分け作業を自動化する。

t-Sort(ソーティングロボット)
t-Sort架台の上下にコンベアを這わせ自動化し、段ボールの搬送作業を軽減する。オークラ輸送機の製函・封緘機、コンベアラインを導入した。

封緘機

コンベアライン
常総の物流センターは現在、アダストリアの9ブランド、計約800店舗分の出荷を担ってる。2025年末にはアダストリアの主力ブランドであるローリーズファームなど11のアパレルを扱うブランドの商品在庫を扱う予定。今回のオートメーション化で、入荷プロセスで時間当たりの処理数が40%、1日の最大作業点数のキャパシティが60%それぞれ向上。出荷プロセスでは生産性60%、キャパシティが40%それぞれ向上した。

入出荷作業のいずれも効率化につながっている
このいプロジェクトを進める背景には、少子高齢化による将来的な労働力不足への対応、アダストリアグループが進めるプラットフォーマーへの進化、ブランドリテール事業の成長に伴う物量の増加という課題があったという。
マルチブランドを展開するアダストリアグループの1500店舗への物流を担う物流センターをオートメーション化することで、持続的でコスト優位性のあるバリューチェーンを構築。8月からは兵庫県神戸市で新たな物流拠点の稼働も始めた。この新拠点により、配送リードタイムの短縮やBCP(事業継続計画)の強化などバリューチェーン全体の最適化を進める。
アダストリアグループは「中期経営計画2030」で、さらなる成長に向けた「プラットフォーマー」への進化を掲げている。ECモール「and ST」は他社ブランドの参画を進めており、ブランドリテール事業の成長、流通総額の拡大をめざしている。それに対応するため、物流戦略の基盤として物流拠点の再編、大型化、オートメーションを推進し、効率的で持続可能な物流ネットワークの構築を進めていく。
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オリジナル記事:アダストリアの搬送ロボットを組み合わせた保管・ピッキングシステム+仕分けシステムで物流効率6割向上するセンターとは
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