SNSや自社でコミュニティを運営する――ネガティブな情報もマーケティングに活用
[特集] 好感度上昇で人が集まる! 評判管理の技術SMO実践テクニック
試行錯誤続くSNS内でのSMO
世界で最大規模のSNSが、MySpace(マイスペース)です。
米国ではこのMySpaceをWebマーケティングに活用する、MySpace Optimizationという試みも活発に行われています。
例えば、企業がMySpace内にコミュニティのようなものを作り、そのコミュニティに参加しているユーザーに対して、新商品や、独自の情報を提供するといった方法です。ユーザーとの接触を図り、企業とユーザーの絆を深めるのが主な狙いです。
日本でも、mixiにおいて、「公認コミュニティ」という形で、同様のマーケティングが行われています。しかし残念ながら、失敗例も目立つようです。
失敗事例に共通するのは、「コミュニティ」であるのに、コミュニケーションが企業からユーザーに対しての一方通行になっているケースです。マーケティングサイドが伝えたいことだけを一方的に伝え、ユーザーの質問には対応しないといった運営の仕方では、うまくいきません。いわゆる「炎上」につながってしまった事例もあります。ユーザーと双方向で対話をするという、ソーシャルメディアの基本を押さえた上で運営するのが、鉄則だと言えるかもしれません。
既存のSNSを利用するのではなく、企業がインフラを提供して、ユーザー同士のコミュニケーションを促すコミュニティサービスを運営することも、現在ではよく行われています。
ただしこうした企業によるコミュニティ・インフラの提供は、ユーザーをある程度囲い込むところまではうまくいったとしても、マネタイズを図った時点でユーザーが離れていくケースも見受けられます。
ネガティブな情報もマーケティングに活用する
ソーシャルメディアの普及により、インターネットの世界では、特定の企業や商品に関するコミュニティが、至るところで生まれています。コミュニティの形は、Wikiを用いた自然発生的なものや、企業がインフラを用意してユーザーを募るものなどさまざまです。
どんなコミュニティ形態にしても、ユーザーの発言を企業サイドでコントロールするのは、困難だと考えておくべきです。コミュニティに参加している全ユーザーに、ポジティブな意見を述べてもらうのは不可能なので、企業や商品に対する批判などネガティブな要素すらも、マーケティングに取り込んでいかなければなりません。企業が成長したり、良い商品を作っていくために、ネガティブな意見を持つユーザーにも参加してもらうというスタンスで運営を行うのが理想です。
実際に、ヒューレット・パッカードの製品リコメンデーションコンテンツや、ソニー損保のコミュニケーションサイトでは、ポジティブ情報だけでなくネガティブ情報も積極的に公開し、企業や商品の信頼度を高めることに成功しているようです。
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