[特集] 好感度上昇で人が集まる! 評判管理の技術SMO実践テクニック
消費者とコミュニケーションをとる
第3章の冒頭で、「SMOとは、ソーシャルメディアや他者のサイトでコンテンツを利用されやすくするために技術的なアプローチを整備すること」と説明をしましたが、最近では他者のサイトではなく、企業のWebサイト自体をユーザーが参加できるコミュニケーションの場として活用している企業も見受けられるようになってきました。
たとえば、プリンタやPCをオンラインで販売する米ヒューレッド・パッカード社は、商品ごとのユーザーレビューを公開しています。CompUSAやOverstock.comも同様にユーザーレビューを公開していますが、驚くべきことにこれらのサイトの多くはユーザーレビューを公開することでコンバージョンを20〜50パーセント程度も改善することに成功しているのです。
マイボイスコムが2007年7月に発表したクチコミサイトに関する調査結果を見てみると、商品購入時の情報源としてクチコミサイトが最もよく利用されていることがわかります。ユーザーの立場になって考えてみればわかりますが、何か商品を購入する場合、企業側が発信する宣伝文句よりも、第三者が発信する正直な感想の方が参考になり、クチコミは購入の意思決定をする動機付けにもなりやすいのです。
米国での事例
こうしたクチコミの力を上手に活用したのが、ヒューレット・パッカード、CompUSAやOverstock.comのような企業といえます。日本で言えば、商品を購入する前に、ひとまず価格.comを見に行くことはよくありますが、ユーザーが価格.comのサイトに遷移してしまうくらいなら、自社のサイトにユーザーレビューを載せてしまおうという発想です。
ここで企業のマーケティング・広報担当者であれば誰もが想像するのが、「悪い評判を書かれたらどうしよう」ということでしょう。
ヒューレット・パッカード、CompUSAやOverstock.comのような企業はどのようにしているかというと、ポジティブ・ネガティブにかかわらず、投稿されたユーザーレビューを加工せずにそのまま公開しているのです。それでもコンバージョンが劇的にアップしていることを考えると、ユーザーが商品の良い点、悪い点の双方を購入前にきちんと認識できるので、結局のところ商品購入に結び付きやすくなっていると考えられます。
また、ネガティブなユーザーレビューは掲載しない、あるいは削除し、クチコミをコントロールしてしまう企業も中にはありますが、これを「やらせ」と捉えられた場合、悪評が広まり、かえって信頼を失うこととなってしまうことは言うまでもありません。
この記事は、書籍『SMO実践テクニック』の内容をWeb担向けに特別にオンラインで公開しているものです。内容に興味を持った場合、ぜひ書籍を購入して全体を読んでみてください。
SMO実践テクニック
好感度上昇で人が集まる! 評判管理の技術
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