純訪問者数分析クッキーに頼ったUUは実際の2倍を示す?
純訪問者数分析
クッキーに頼ったUUは実際の2倍を示す?
X-logの最大の特徴が、クッキーが削除されてもIPアドレスが変わっても、ユニークユーザー(ユニークブラウザ)を識別できる機能だ。
これは、地味ながら実はかなりすごいことである。
同社によると、何らかの形でクッキーを削除しているユーザーは、全体の約20%にものぼるとのこと。第三者の調査でも、英国のネットユーザーの約23.5%が、月に1回はクッキーをクリアしており、その影響でクッキーの情報を元にしたサイト利用者数のデータは実際の2.4倍になっているという。
- 英クッキー削除で、アクセス解析でのサイト利用者数は実際の2.4倍にもなっている
http://ibukuro.blogspot.com/2009/10/24.html
つまり、アクセス解析で一般的な、クッキーをベースにしたユニークユーザーの識別は、現状ではかなり不正確である可能性が高いのだ。X-logでは、各種の情報を利用してユニークユーザーを判断できるという。英語圏のアクセス解析ツールでは全体のおおまかな流れをチェックすることが中心で、訪問者ごとの経路確認ができないものも多いが(Google Analyticsもそうだ)、さすがに日本向けに作られているだけあって、日本で要望の多いユーザーごとの行動を確認する機能はしっかり備えられている。
残念ながら、その詳細については、日本で現在特許申請中であるため明かせないということだが、なかなか興味深い。
不正クリック判別
平均で17.4%に上る不正クリックを判別して防止
ここでいう不正クリックとは、クリック課金型の広告(Yahoo!リスティング広告や、Googleアドワーズ広告など)における、競合他社やアドセンス掲載サイトなどによる、広告費を発生させることを目的としたクリックのこと。
日本ではあまり語られない話題だが、不正クリックは地域によっては大きな問題となっている。不正クリック対策を専門とするクリックフォレンシック社によると、不正クリック率は17.4パーセントに上るという。同社は、特に2010年第1四半期には、非英語圏での不正クリックが大幅に増えているとレポートしている。
- 不正クリック指標(クリックフォレンシック社)
http://www.clickforensics.com/resources/click-fraud-index.html
X-logでは、前述のように、不正クリック者がクッキーを削除したりプロキシを変えたりしても、同一のブラウザであることを識別できる。そのため、同じ端末(ブラウザ)で何度も広告をクリックしているユーザーを見つけることができる。不正クリックが疑われるユーザーに対しては管理画面からフラグを立て、サイト上で警告を発したり、それ以降のサイトへのアクセスを禁止したりできる(そういった処理を自動的に行う設定も可能)。
もちろん、グーグルもヤフーも、不正クリックを自動的に判別して請求に含めないようにするシステムを備えている。
- 不正クリック対策(ヤフー)
http://listing.yahoo.co.jp/support/faq/ss/ctp/index.html - 不正クリック対策(グーグル)
http://adwords.google.com/support/aw/bin/topic.py?hl=jp&topic=15950
しかし、広告主としては正しく不正クリックが除外されているか自分でも把握しておきたいだろう。また、アービトラージサイト(MFA:Made for AdSenseと呼ばれるような、リスティング広告をクリックさせるためだけに作られたサイト)でのクリックも把握しておくにも、不正クリック判別機能が役にたつ。もちろん、X-logによってリスティング広告の不正クリックを防ぐことはできないが、発生した不正クリックを調べ、レポートを出力することで、払い戻し請求をできるようになるのだ。
2008年に韓国で、生花販売業者が競合店の広告を繰り返しクリックしたことから業務妨害として逮捕された事件があったが、この問題の解決に、X-logのエンジンを開発したログ社のツールが使われたということだ。
- ライバル店ネット広告を大量不正クリックした男を逮捕
http://www.afpbb.com/article/disaster-accidents-crime/crime/2526506/3410679
リアルタイム分析
いま閲覧しているページも管理画面でチェック
X-logはJavaScriptビーコン型ながら、リアルタイムに近い状態でアクセス状況が管理画面に表示される。実際に、「現在接続者リスト」の画面では、いまアクセスしている人の一覧が、流入経路や閲覧中のページとともに表示される。
Google Analyticsではまる1日以上経たないとデータが落ち着かないこともあるので、リアルタイムに解析できるのは、ECなどではありがたい機能だ。
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