ページ表示2秒でユーザーはイライラし始め、3分の1が「もういいや」となる
今日は、ページの表示速度に関する調査データを。2009年のデータですが、ユーザー調査による、ページの表示にどれくらいかかると「遅い」と感じられ、ユーザー行動にどんな影響が出るのかをまとめたものを紹介します。
コンテンツ配信ネットワークの最大手Akamai(アカマイ)からの依頼でフォレスター・コンサルティングが行った、ネットショップにおけるページ表示速度の調査データが公開されています。2009年8月のデータで、米国のネットショップ利用者1048名に対する調査によるものですが、非常に示唆的な結果が出ています。
調査データに関するAkamaiのリリース(英文)
→ http://www.akamai.com/html/about/press/releases/2009/press_091409.html
まず、ページの表示にどれぐらい時間がかかると「遅い」と感じるのか。
約半数のユーザーは、ページ表示の待ち時間が2秒を超えるとイライラし始めるようです。ページの読み込みが何秒くらいで終わることを期待するかという設問に対して、47%の消費者が「2秒」と答えています。2006年の調査では4秒という判断でしたから、3年でユーザーはかなりせっかちになっているということですね。
実際のデータでは、最も多かった回答は「3秒台」ですが、全体の半数に対してイライラを感じさせないという観点からみると、2秒台となるわけですね(2秒台以内の合計が47%)。
4秒超 | 17% |
3秒 | 36% |
2秒 | 30% |
1秒 | 12% |
1秒以下 | 5% |
また、ページの描画にかかる時間が3秒を超えると、40%の消費者がそれ以上待つのをあきらめてしまうとのこと(ただし、こちらも実際のデータでは、最も多かったのは「4秒超」の60%)。
では、ページの表示時間を特に気にするのはどんな層の人でしょうか。
調査によると、よくオンラインで購買活動を行う人ほど気にするようです。
そのネットショップへの愛着に影響する要素としてページの表示時間を挙げた人の割合は、オンラインで購買をする全体では52%ですが、年間1500ドル(約14万円)以上をオンラインで使う人では61%でした。つまり、よくネットで買い物をする人ほど、ページ表示の時間を気にするのですね。
次に、売上とページ表示速度の関係を。
ネットショップの表示が遅いからという理由で買うのをあきらめたことがある人は全体の1/3にも上りました。
ネットショップに対して不満を感じている人の23%は、不満の理由として、サイトが重いことや、ページ表示が完了するのに時間がかかることを挙げています。
ちなみに、ネットショップに不満を感じた人のうち、79%はそのサイトではもう買い物をしないと判断しており、46%の人はその会社に対しても悪い印象を抱き、44%の人が悪い経験を友人や家族に話すとのことでした。そして前述のように、この「不満」の原因の23%は、ページの重さなのです。
「過去に購入したことがあるネットショップで、買い物を続けようと判断したことに最も影響を与えた要因は何ですか」という質問に対しては、次のようなものが挙げられています。
- サイトが使いやすいか(88%)
- 個人情報が安全に守られているか(74%)
- 商品の詳細がわかる画像や動画などがあるか(67%)
- 商品検索機能がちゃんと動作するか(60%)
- チェックアウトのステップがスムーズか(57%)
- ページがすばやく表示されるか(52%)
もちろん、購買に影響のある要因のなかでページ表示速度が最大の要因だというわけではありませんが、それでもページ表示速度が6番目に重要視されているのは意識しておくべきでしょう。
こうしたデータから、フォレスター・リサーチでは、ネットショップではページ表示は2秒以内に完了するようにサイトを作るべきだとしています。ユーザーのページ表示時間に対する感覚はここ数年で厳しくなっており、遅いサイトはユーザーにフラストレーションを与え、機会損失となるばかりか、オンラインに留まらないブランドイメージ毀損のリスクがあるというのです。
2秒以内というのは、実際のところ、かなり高いハードルではあります。しかし、3年前と比べてユーザーのせっかち度が上がっていることを考えると、いま2秒以内をターゲットにして物事を進めておくことは理に適っているかもしれません。数年後には、「1.5秒以上かかるなんてあり得ない」という世界が来るかもしれませんから。
実際、グーグルが認める「速い」は、約1.5秒で表示が完了するページを指します。また、各種データを見ていても、中央値は約3秒程度だと思われます。あなたのサイトでは、ページは何秒で表示されますか? そして、その時間はユーザー体験に対して適切ですか?
※この記事は、以下の資料をもとにしています。詳細なデータに関しては、Akamaiの提供するオリジナルデータを参照してください。
→ http://www.akamai.com/2seconds
August 17, 2009
eCommerce Web Site Performance Today
An Updated Look At Consumer Reaction To A Poor Online Shopping Experience
A commissioned study conducted by Forrester Consulting on behalf of Akamai Technologies, Inc.
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