生成AIが子どもに与える影響 「宿題」より「好き」を深めたいが上位【こども研究所調べ】

小中学生の過半数が「生成AIによって勉強の仕方が変わると思う」と回答。

博報堂教育財団の調査研究機関であるこども研究所は、「子どもと生成AI」に関する調査を実施した。全国の小学校4年生〜中学校3年生1,200人を対象に、生成AIの認知や利用状況を聞いている。

生成AIで「宿題が楽になる」よりも「興味分野に詳しくなる」が上位

生成AIの認知率/利用率/利用意向

まず、生成AIの認知率を聞くと、小中学生全体では79.3%にのぼった。使用経験率としては、「よく使っている・たまに使っている・使ったことはあるが、今は使っていない」の合計が39.3%となり、小学生よりも中学生の方が認知率・使用経験率ともに高い傾向だった。今後の利用意向としては、「使うと思う」が62.0%となった。

生成AIの使用は自分にどのような影響があると思うか

生成AIの使用は自分にどんな影響があると思うかを聞くと、「すきなことや興味のあることにくわしくなりそう」「新しいことを体験できそう」「デジタルやコンピューターにくわしくなりそう」が上位3つに。一方で、「自分で考えなくなりそう」といった意見も存在し、期待と不安が入り混じっていることがわかった。

「生成AIによって勉強の仕方が変わると思う」が半数以上

生成AIについての考え

生成AIに対するイメージとしては、「楽しい」が80.1%、「味方」が73.2%で圧倒的に多かった。一方で、「優しい⇔こわい」「安心⇔心配」「信用できる⇔信用できない」では「どちらともいえない」の割合が高く、安全性や信頼性についてはネガティブな印象もあるようだった。

生成AIがあることで勉強の仕方は変わると思うか

生成AIがあることで勉強の仕方は変わると思うかという質問では、55.7%が「かわると思う」と回答。理由としては、「すぐ/早く答えが出る」「時短できる」などの利便性や、「辞書/塾/学校がいらなくなる」など学習環境の変化が挙げられた。

一方で、「かわらないと思う」と答えた人では、「AIが正しいのかを判断するためには自分が勉強しないとわからない」「生成AIで入試は突破できない」といった声も。また「わからない」の中には、「生成AIの使用が見つかったら先生に怒られる」といった意見も見られた。

生成AIの使い方、「雑談・相談」は男子よりも女子が多め

生成AIの使用目的
生成AIの使用目的 男女別

生成AIの使用目的を聞くと、「わからないことを調べる」が70.8%でトップに。従来の検索エンジンのような使い方が主流になりつつあることがうかがえた。小学生と中学生を比べると、中学生では「文章を作ってもらう」「文章のアイデアを出す」といった文章作成に関する利用がやや多かった。

また、男子と女子の利用目的を比較すると、女子では「会話や雑談をする」「悩みごとや将来の相談をする」といったトーク目的、「絵やイラストを描く」などの創作目的での使用が男子よりも高い傾向が見られた。

生成AI利用上の注意点の認知

最後に、生成AI利用上の注意点として知っている項目を聞いたところ、「名前や住所を入力しないようにする(35.8%)」「人を傷つける内容を入力しない(35.4%)」が上位に。ただし、どの項目も半数に届いておらず、生成AIを利用する際の注意点はまだ十分に浸透していないことがうかがえた。

調査概要

  • 【調査期間】2025年8月8日
  • 【調査対象】小学校4年生〜中学校3年生
  • 【有効回答数】1,200人
  • 【調査手法】インターネット調査
  • 【調査エリア】全国
  • 【調査機関】QO
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