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行動につなげられる11個のアクセス解析指標(後編)

後編となる今回は、仕事を進めるうえで役に立つ解析指標について見ていこう。

この記事は、前後編の2回に分けてお届けしている。→ 前編を読む

前回は、行動につなげられるアクセス解析指標として、次の11個を紹介した。

前回紹介した指標(各項目をクリックすると前編の記事へジャンプ)
  1. パンダを克服せよ――コンテンツの測定
  2. 製品ページを閲覧する訪問者の割合
  3. サイト内検索までしてくれたのに去ってしまった人の割合
  4. ページの読み込み速度
  5. 平均注文額(AOV:Average Order Value)
  6. SEO変数の測定
  7. 検索ワードの占有率
  8. フォームフィールドの分析
  9. ブランド名による検索トラフィックとそうでない検索トラフィックの比較
  10. コンバージョン率
  11. タスクの完了に関する調査

後編となる今回は、仕事を進めるうえで役に立つ解析指標について見ていこう。

仕事を進めるうえで役立つ解析指標

これから紹介する指標は、仕事を進める上で役立つものに絞っている。

君が確実にやるべきは、入手できるすべてのデータを利用して、社内の諸問題と格闘し、顧客企業に変化をもたらすビジネスケースを提供することだ。確かなデータで自分の提案を補強することも必ず実行しよう。

ただし、複雑な統計や凝りすぎたグラフを出して、関係者を混乱させたりしないよう注意すること。相手が必要とするデータだけを、意味がわかる方法で視覚化して提供しよう。

具体的な社名などは明かせないが、実際の顧客の例を2つ紹介する。これらの例が、仕事を進める際におけるデータの威力を伝えてくれるといいのだが。

仕事を進めるうえで役立つ解析指標 1
顧客がコンテンツの価値を評価しなかった

僕が担当しているある顧客が、近日リリース予定の情報や製品に関する上質なコンテンツを豊富に揃えたティーザーサイト(情報の事前チラ見せサイト)を立ち上げた。その後、メインサイトを正式にオープンした時、ティーザーサイトのコンテンツの多くを削除してしまった。

僕らは、コンテンツを削除することを止めようと最大限努力したんだけどね。その後、トラフィックが少し落ち込み、成長のスピードもそれ以前の数か月と比べると見劣りした。そして(案の定)数か月後にとうとうコンテンツを元に戻すことになり、たちまちのうちにトラフィックが以前のように増加するさまを目の当たりにした。

だから次の機会を得たときには、この顧客企業で諸業務の決定権を持つディレクターの1人に簡単なプレゼンを行った。この人物は、日常的にSEOに関わっているわけではないが、それでも、同社に勤める他の人々のSEOに対する態度に影響をもたらすだけの力を持っていた。僕はその人に、既存サイトのコンテンツを削除した場合のトラフィックの落ち込みと、削除したコンテンツを戻した後のトラフィックの増加ぶりを示す簡単な棒グラフを見せた。

これが功を奏して、この人物は、今ではコンテンツが持つ力と、それがいかにしてオーガニックなトラフィックに影響するかを理解している。これはつまり、この先、コンテンツに関わる作業が開発者リストの1番下の方に埋もれてしまうのではなく、少しは上の方に置かれるだろうということだ。

ポイント状況を変えたければ、影響力のある人を動かそう。そのためには要点を絞った簡潔なデータで最も大切なことを伝えるのが効果的だ。

仕事を進めるうえで役立つ解析指標 2
開発チームがSEO業務を嫌っていた

僕が担当している顧客の1社に、今まで一緒に仕事をしてきたなかでおそらく一番優秀な開発者チームが揃っていると思われる企業があった。

ただ、この開発者チームはSEOのための作業には前向きではなかった。というのも、そのチームは以前SEO会社と仕事をしたことがあったが、その時はトラフィックも売上もまったく増えなかったのだ。チームは毎日多忙を極めていて、効果の上がらない作業のために貴重な時間を費やそうなんて気はない。だから、またSEOの作業をすることに少し抵抗感を感じていたのだ。

仕事にとりかかったぼくは、ある問題を発見した。グーグルのロボットは顧客のサイトのページを大量にクロールしていたが、実のところ、その大半はクロールしてほしくないページだったのだ。つまり、グーグルが顧客のサイトに割り当てたクロール量の大部分が、意味のないページのクロールに費やされていたのだ。

そこでぼくは開発者チームの力を借りていくつか変更を加え、検索ロボットが重要なページだけに集中してクロールしてくれるようにして、この問題を解決した。

それから1か月ほどが過ぎた頃、非常に良好な結果が出た。トラフィックも増加していたし、僕らの望みどおりにグーグルが行動していることもサーバーのログから見て取れた。

そこでぼくは、顧客担当者に頼んで、うまくいった結果とその経緯を開発者チームに伝えてもらった。そうしたことで、開発チームはトラフィック増加の功績を称えられ、自分たちが行った仕事が良い成果をもたらすことを理解した彼らは、今ではSEOの仕事にずっと協力的になってくれたのだ。

ポイント人は、自分が何のために作業をしているか理解できなかったり、自分が作業をしてもそれが意義あるものだと認識できなければ、その仕事のパフォーマンスが上がらないものだ。そうした状況を避け、進んで質の高い仕事をしてもらうために、解析データを役立てられるということも知っておくといいだろう。

◇◇◇

この記事の筆者Paddy_Mooganについて――Distilledのロンドン・オフィスにSEOコンサルタントとして勤務している。

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